2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境

 本園は「心豊かでたくましい両河内の子」を教育保育目標とし、ESDを「興津川の美しい水と『緑のダム』としての森林に親しむ保育」の推進と捉え、ESDの実践を通して地域への愛着の醸成と自然の中でたくましく生きる力の育成を目標とした。

具体的には、地域の自然に触れる、地域の特産物による食や遊びの体験をする、興津川の美しい水を守る大切さを知ることを柱に、

①園外保育に係わる活動②食体験に係わる活動③リサイクルに係わる活動を行った。

①園外保育に係わる活動

 昨年度に引き続き、今年度も園外保育に出掛ける機会を多く計画し、地域の自然や文化、地域の方と触れ合う体験を増やした。春は竹林へ出掛けタケノコを見つけたり、地域のお茶農家の方が先生となって緑が美しい茶畑での茶摘み体験を行ったりし、地域の特産物を知る機会となった。初夏は興津川の河川敷に出掛け、オタマジャクシを見つけたり川面に足をつけ水の流れを感じたりして遊び、川の美しさを確認することができた。秋は、遠足で地域の史跡に出掛けることを計画し、事前に伝承を調べ子供たちにわかりやすく紙芝居にして伝えた。「河内の大石」という地域の史跡に触れ、その大きさや歴史を感じることができた。

②食体験に係わる活動

地域の方が茶畑を提供してくれ先生となり丁寧な指導をしてくれる茶摘みは、子供たちが楽しみにしている行事である。積んだ茶葉は工場で製茶して頂くが、一部を園に持ち帰り手もみの体験をした。子ども達は茶の香りに包まれながら、両手を緑色に染め細かい茶葉を完成させていった。自分たちで積み、手もみをした新茶は格別の味わいであった。今年度は、自分たちで飲むだけでなく、来園したお客様にも自分たちの積んだお茶を飲んで頂く機会をもった。子どもたちは、「おいしいね。」と言われ得意そうな表情を見せていた。「両河内の茶」を作り、味わい、飲んで頂くことで「両河内」に対する誇りが感じられ、この地域で育つことへの誇りにつながっている事を感じた。

③リサイクルに係わる活動

クラスにリサイクルの箱を設置し、毎日の生活の中で使い終わった紙の切れ端をリサイクルの箱に入れることを昨年度から引き続き実践している。子ども達が自分達で気が付き行動できていることを感じる。また、自園のPTA活動で古紙回収を行っており、今年度は子ども達と一緒に古紙の分別をするようにした。みんながリサイクルをしたり資源を大切にすることは、川をきれいにすることや森林を守ることにつながっているということを伝えていきたいと考えている。

来年度の活動計画

 両河内地区は、古くは興津川の豊富な流量を利用し木材の筏流しが行われ製材業や製紙産業が盛んな地域であった。また、主要産物としてお茶・タケノコなどの栽培が盛んであったが、農家の働き手の高齢化や後継者不足が進み、現在では放置された竹林や茶畑なども目立ってきている。山の整備に携わる人が少ない為山が荒れ、水源涵養林としての役割を果たすことが難しくなっている現状がある。興津川の美しい水と豊かな自然の恩恵を体感することを通して、教育保育を実践していくことが、その恵みをもたらす「緑のダム」としての森林の機能を認識し、これから地域の自然を守る事とその維持に自ら行動できる人材育成につながると考え、
①川遊びや水棲生物との触れ合いを通して、興津川に親しむ
②地域の人との連携の中で、山からの恵みを五感で体験する
以上を柱に活動していきたい。