2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 貧困

本校は,1953年のユネスコスクール加盟以来「平和」を活動の中心にしつつ時代と共に様々な領域を対象としながら活動を継続してきた。今年度も,昨年度の活動に改善を加えながら,ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して「SDGs活動を通じた全人教育の実現を図る」ことを目標とした。

①各学年での特別活動の取り組み

年度当初,教員研修を行い,本校のユネスコスクールの歴史やユネスコ教育についての方針を共有し,教育活動に還元している。各学年でSDGs活動を年間計画に位置づけ,学年の実態をふまえた活動を計画・実施した。以下はその一部である。

中1:キャリア教育とも関連付けながら,「デザイン思考で考える富士通SDGsプログラム」を実施した。中2:動画「広島大学名講義100選」を視聴させ,その内容とSDGsの関連を考察させた。中3:遠足と修学旅行において,訪問先の地理・歴史・自然等について理解を深め,その土地の文化を尊重する態度を養った。高1:LHRにおいて,「広島大学WWLコンソーシアム構築支援事業」によるオンラインセミナーを受講した。高2:東京方面で実施した修学旅行において,「銀座ミツバチプロジェクト」を訪問した。高3:LHRにおいてSDGsの視点から進路について考えさせる実践を行った。

②ユネスコ班・ユネスコ委員会に関わる活動

生徒の自主性を尊重しながら,ユネスコ班(クラブ)・ユネスコ委員会(生徒会)の活動支援に努めた。校内で実施した8月6日の慰霊追悼の集いに向けた折り鶴の作成や,平和記念公園内にある石碑を巡り平和に関する意識を高める活動を継続的に行うとともに,広島県ユネスコ協会主催の「平和の鐘を鳴らそう」(英語・日本語のスピーチ)・「高校生国際理解セミナー」,「赤い羽根共同募金」に参加した。書き損じはがきを回収・換金し,発展途上国の教育や医療に役立ててもらう活動も行った。特に2022年は,ロシアのウクライナ侵攻という世界的な問題に直面し,ユネスコ班員・ユネスコ委員たちは自主的に校内で募金活動を行うとともに,ウクライナから避難してきた学生達が主催する「ウクライナ平和サミット」に参加した。また,ウクライナの現状や平和サミットの内容を壁新聞にまとめ,文化祭において展示発表も行った。さらに対外交流の一環として,岡山大学で開催された「第3回SB Student Ambassador中国大会」に参加するとともに,他校とのオンライン交流会も積極的に行った。

 平和記念公園の碑巡りの様子  文化祭でのフェアトレード商品の紹介

③SDGsに関する授業,異文化交流の取り組み

SDGsの実現に向けて,「学習環境づくりとSDGsに関する記事を中心とした新聞の構成理解」,「SDGsをテーマとしたオリジナル新聞作り」,「SDGsのフレームワークを使った新聞記事分析」,「SDGsの付箋を活用した新聞記事のまわし読み」等,新聞を積極的に活用した授業実践に取り組んだ。これらの実践は,第8回広島県ユネスコESD×SDGs大賞を受賞させていただき,「第2回広島SDGsコンソーシアム研修会」で報告を行った。異文化交流については,昨年コロナ禍で延期となった留学生(タイ・ベルギー・アメリカ・韓国)受け入れを行った。

来年度の活動計画

2023(令和5)年度も,ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して「SDGs活動を通じた全人教育の実現を図る」ことを目標として活動を行う。「平和記念公園の碑巡り」,「慰霊追悼の集いのための折り鶴作成」,「広島ユネスコ協会主催行事への参加」,「文化祭でのフェアトレード商品の紹介」,「書きそんじはがき・キャンペーン」等ユネスコ班・ユネスコ委員会に関わる活動を継続して行う。また,各学年でもSDGs活動を年間計画に位置づけ,学年の実態をふまえた活動を計画・実施する。本校では,これからも,生徒一人ひとりの,平和やSDGsへの関心を高め,自分ごととして地球規模の諸課題や地域課題を解決しようとする態度を育んでいきたいと考えている。