2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

気候変動, 環境, 福祉, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 健康, 食育

本校では,5年前より「地域の教育力を生かした問題解決的な学習の創造」をテーマとして,ESDを「持続可能な特色ある学校づくり」と「問題解決的な学習によって未来を生き抜く力を育てる教育」ととらえ,ESDの実践を通して「いきいきと学び続ける子の育成」を目標とした。

具体的には,環境,福祉,防災などの地域教材を柱に,①地域人材の活用,②お年寄りと関わる活動,③地域防災に関わる学習,④地域への発信を行った。

① 地域人材の活用

 本校の地域教育力は,地域教育ボランティアコーディネーターをはじめ,図書館ボランティアや学習支援ボランティア,地域の企業や商店など本校の教育に携わっていただけるかたがた総勢150名ほどが在籍している「植田いなほ会」の支援に代表される。学校(職員)と地域の架け橋を教頭が担い,多くのかたの生の声が聞けたり,多くの施設で実体験ができたりして学習を深めている。

② お年寄りと関わる活動

1年生の生活科では,地域のお年寄りをお招きして,「お手玉」「けん玉」「こままわし」「めんこ」「羽子板」など,日本の伝統的な昔遊びを教えていただいた。1年生が地域のかたの優しさにふれる機会となっている。また,3年生では総合的な学習の時間を利用して,福祉についての学習を展開している。地元の市民館に集まるお年寄りと接したり,近くの老人福祉施設を訪れてお年寄りと交流したりする中で,みんな仲よく助け合って生きていくことの大切さを学んだ。

③ 地域防災に関わる学習

 6年生では昨年度の校区コミュニティマップづくりに続いて,今年度は校区の水防災に焦点をあて,手作りハザードマップの製作を目ざして学習を展開してきた。校区の現地調査「まち歩き」では,10人程度のグループごとに担当区域をまわり,土地の低いところや冠水したときに危険な側溝など今まで気にもとめなかったことを再発見することができた。今後,各グループがまとめたものを一枚の地図にまとめ,今年も大きな「ガリバーマップ」が完成する予定である。これらの活動には,県建設部河川課をはじめ,東三河河川湾岸整備課,市建設部河川課,市農地整備課,植田校区防災委員,そして植田小PTAなど多くのかたの支援をいただいた。

④ 地域への発信

地域防災の取り組みについては,まだ学習途中ではあるが,地域にある交流館で行われた「ミナクルまつり」や市内の愛知大学で開催された「東三河ESD・ユネスコスクールフォーラム」にて発信することができた。これらを通して,本校がESDを中心として特色ある学校をつくりあげていることを地域のかたがたに知っていただくことができた。

来年度の活動計画

地域の教育力を生かした問題解決的な学習の創造」をテーマにさらに研鑽を積み、「いきいきと学び続ける子の育成」に取り組んでいく。特に,次の2点に焦点をあてていく。

① 問題解決的な学習の授業モデル作成

ベテラン教師から若手教師まで,誰もが自信をもって問題解決的な学習の授業ができるように「国語」「算数」「道徳」について授業モデルを作成する。モデルは,特別な準備が必要なものではなく,普段の授業で誰でも使えるレベルのものに仕上げていく。最初から素晴らしいものをつくるのではなく,実践を重ねながら数年かけて少しずつ改善していこうと考えている。

② 持続可能な活動であるために

 本年度の総合的な学習や生活科で取り組んでいるメイン単元を次年度も踏襲していく予定である。これらを年度内にまとめておくことで,次年度の担当職員は見通しをもって学習を展開することができる。さらには,前年度の反省を生かしたよりよい活動にもなる。持続可能な活動であるためには,1から新しいことを始めるのではなく,今ある活動を見直し,一歩ずつ前進したものにしていくことが大切であると考えている。