2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 持続可能な生産と消費

本校では,6年前より「地域の教育力を生かした問題解決的な学習の創造」をテーマとして,ESDを「持続可能な特色ある学校づくり」と「未来を生き抜く力を育てる問題解決的な学習」と捉えて実践に取り組み,「いきいきと学び続ける子の育成」を目ざしている。具体的には,地域,福祉,環境,食育,防災を柱に,①地域人材の活用,②お年寄りにかかわる活動,③地域防災にかかわる学習,④地域への発信を行っている。

① 地域人材の活用

 本校の地域教育力は,地域教育ボランティアコーディネーターをはじめ,図書館ボランティアや学習支援ボランティア,地域の企業や商店など本校の教育に携わっていただけるかたがた総勢150名ほどが在籍している「植田いなほ会」の支援に代表される。学校(職員)と地域の架け橋を教頭が担い,多くのかたの生の声が聞けたり,多くの施設で実体験ができたりして,学習を深めている。

② お年寄りにかかわる活動(1~3年生)

1,2年生の生活科では,お年寄りのかたに栽培活動や昔遊びを教わるとともに,地域のかたとの優しさにふれる機会となっている。3年生では福祉についての学習を展開している。地域のかたがたの協力のもと「認知症サポーター養成講座」と題してお年寄りへの声のかけ方を学んだり,盲導犬と生活をしているかたのお話を聞いたりして地域福祉への理解を深めている。また,市民館や福祉施設を訪問して交流活動を行う中で,みんな仲よく助け合っていくことの大切さを学んでいる。

③ 地域防災にかかわる学習(6年生)

 6年生では,日本各地で甚大な被害を及ぼしている大雨に備え,校区の水防災に焦点をあてた「ハザードマップ作り」と「マイ・タイムライン作り」を柱に学習に取り組んでいる。「ハザードマップ作り」は,愛知県や東三河,豊橋市の河川課のかたをはじめ,地域教育ボランティアや保護者,卒業生など多くのかたがたの協力のおかげで成り立っている。また,いざという時のための「マイ・タイムライン作り」を通して,命を守るために必要な行動とそのタイミングを深く考えることができている。

④ 地域への発信

6年生の地域防災の取り組みについては,地域交流館で行われた行事や校区防災訓練の場において発表した。また,今年度中に,ESDコンソーシアム愛知主催の「ESD・SDGs活動成果発表会」でも発信する予定である。これらを通して,本校の特色ある学校づくりを地域のかたがたに知っていただくことができている。

来年度の活動計画

次年度も「地域の教育力を生かした問題解決的な学習の創造」をテーマにさらに研鑽を積み、「いきいきと学び続ける子の育成」に取り組んでいく。特に,次の2点に焦点をあてていく。

① 「問題解決的な学習モデル授業プロジェクト」実践2年目に向けて

本年度実践してきた「国語」「算数」「道徳」の授業モデルに修正を加えて,次年度も授業実践を行う。モデルは,特別な準備が必要なものではなく,普段の授業で意識すれば誰でもできるレベルのものにしていく。モデルをまねするのではなく,参考にしながら継続して実践することで問題解決的な学習の授業展開が身についていくようにしたい。

② 持続可能な活動であるために

 本年度の総合的な学習や生活科で取り組んでいるメイン単元を次年度も踏襲していく。これらを年度内にまとめておくことで,次年度の担当職員は見通しをもって学習を展開することができる。さらには,前年度の反省を生かしたよりよい活動にもなる。持続可能な活動であるためには,1から新しいことを始めるのではなく,今ある活動を見直し,一歩ずつ前進したものにしていくことが大切であると考えている。