2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費

当校は、「内外海の素晴らしい自然や伝統を未来につなごう」を活動テーマに、総合的な学習の時間とESDのファクターである体験・探究・発信・交流を組み込んだ計画、実践を行ってきた。実践を通して、「本地域の海の豊かさ(自然環境)」と「人との関わりやつながり(社会環境)」を実感し、「ふるさと内外海」が水産業や観光を中心に今後も持続可能な地域社会として発展していくことができるように、自らの生き方を見つめることのできる力の育成を図った。

① 地域の伝統文化、文化遺産・食育に係わる活動(1)

6年生は、まず「人とのつながり」と「社会とのつながり」の面で、なれずし作りに取り組んだ。食の世界遺産に認定された田烏区に伝わる鯖のなれずし作りを田烏の森下氏に教わった。森下氏の伝統を後世に残したいという熱い思いに感銘を受け、積極的になれずし作りに取り組んだ。初めて鯖を捌く児童がほとんどであったが、丁寧な指導のもと、手際良く作業できるようになった。

② 地域の伝統文化、文化遺産・食育に係わる活動(2)

6年生は、京都へ運ばれる海の幸が内外海地区から始まっていることに誇りを持つために鯖街道を実際に歩く活動を行った。京都までは最短距離である針畑峠越えの約72kmの行程を歩いた。日程や児童の体力面を考えて、全体を3回に分けて実施した。

まず、起点である鯖街道ミュージアムに行き、鯖街道の歴史を学習した。そこから上根来地区を目指し、第一弾ゴールの登山口まで到着した。第二弾は、上根来から京都久多まで約27kmを踏破し、第三弾は久多から京都鞍馬街道までの約17kmを徒歩で、最後は鯖街道終点の出町柳桝形商店街までバスで移動し、商店街の方に出迎えてもらった。自分の足で歩くことで先人の苦労や知恵を、実感を伴って理解することができた。また、商店街の方々に温かく迎えていただくことで、内外海と京都とのこれまでからの深いつながりを感じることができた。

③ 環境・持続可能な生産と消費に係る活動

4年生は、ワカメの養殖体験、関連施設見学等の体験的活動から、海の環境を守るためには山の環境を守らなければならないと知り、地域の山での鳥獣被害の調査や植生の観察、山の栄養が海に流れることで得られている水産資源について学びを広げた。

また、5年生は定置網漁体験を行った。定置網漁に携わる方にマイクロプラスチックの話を聞き、環境保護について考えを深めることができた。今後、マイクロプラスチックを減らしていくためには何ができるのかを考えていく。現在、内外海地区の各浜で漂着ゴミ問題が大きな課題となっている。今後、マイクロプラスチックを含めてこの課題をどのように向き合っていくか考えていかなければならない。6年 鯖街道踏破体験5年定置網漁体験4年 わかめの種付け体験

来年度の活動計画

体験活動の計画的な実施を図るために、4~5月に、学年の系統を考えたESDカレンダーの作成を行い、年間の活動の見通しを持つ。また、児童につけたい資質・能力について計画の中に記述する。年に数回見直しを行い、最適な内容にしていく。活動内容については、これまでの学習を継続し、地域の水産業の体験や伝統文化の継承を行う。具体的には、鯖、わかめ等の養殖についての学習、なれずし作り、鯖街道踏破等を実施する。また、漂着ゴミ問題について高学年を中心に取り組みを図る。学習成果は、学習発表会で他学年や保護者、地域の方々に報告する。