2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, その他の関連分野

本校は、ESDを「持続可能な対馬を支える人材の育成」の手段と捉え、ESDの実践を通して「自ら課題を設定し、他者と協働して課題の解決を図る力を育成すること」を目標とした。

具体的には、「環境」、「国際理解」、「持続可能な地域づくり」を柱に①環境問題に関する活動、②国際理解に関する活動、③持続可能な対馬をつくるための課題解決学習を行った。

①  
環境問題に関する活動

 

国境離島である対馬には、国内外から漂着ごみが多く流れ着いており、これによる海洋汚染は主要産業である漁業に大きな影響を及ぼしている。本校では、市主催の「日韓合同ビーチクリーンアップ事業」に参加するなど、実地体験を通して環境問題に対し理解を深めている。また本校のユネスコスクール部では、対馬固有種で絶滅危惧種のチョウ「ツシマウラボシシジミ」の保全活動を行っている。このように自分たちが生まれ育った地域の環境問題について考え行動することができている。

 

②  国際理解に関する活動

 

本校には韓国語や韓国の歴史について専門的に学ぶ国際文化交流科を設置している。生徒は韓国語を学びながら、韓国の高校との交流や韓国の大学との遠隔授業を通して国や歴史、文化について学習している。また、他学科の生徒も上記「日韓合同ビーチクリーンアップ事業」や「日韓交流海ごみワークショップ」に参加したり、総合的な探究の時間に国際文化交流科の生徒から韓国語を教わったりするなど、国際理解に努めている。

 

③  持続可能な対馬をつくるための課題解決学習

 

普通科と国際文化交流科1年の「総合的な探究の時間」、同2年の「総合的な学習の時間」を活用し、「ESD対馬学」に取り組んだ。1年次3学期に、地域や行政機関と連携した各種講座を実施して地域の課題について学習した。2年次1学期にはバス巡検を行って実際に事業所や施設を訪問したり、インタビューを実施して課題に対する理解を深めた。2学期には補足のインタビューやアンケートを通して課題への理解を掘り下げ、文化祭や市主催の「対馬学フォーラム」でのポスター新聞やプレゼンテーション発表でその成果を発表した。

 

このような学習を通して、たくさんの他者の意見に触れながら、地元対馬の持続可能性を探り、課題解決能力を養っている。

来年度の活動計画

 令和2年度は、これまでの「ESD対馬学」の取り組みをさらに発展させ、柱であるテーマ「環境」、「国際理解」、「持続可能な地域づくり」について、生徒自ら課題を発見して、内容の理解や解決策を探るための活動を展開していく。そのために引き続き地域の方々や市・県の関係機関と協働し、アドバイスをいただきながら地域理解を深めさせていきたい。

 また、ユネスコスクール部では今後も「ツシマウラボシシジミ」の保全活動を行い、部員だけでなく他の生徒にも活動を認知させ、チョウのえさとなる木々の苗の植栽などでは、少しでも多くの生徒が共に行動していくように呼びかけていきたい。

 さらに、活動が浸透してきた「日韓合同ビーチクリーンアップ事業」への生徒の多数参加や、国際交流部や報道部、生徒会などと連携して多面的、積極的な活動を行っていきたい。