2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等, 食育, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本校は、「鶴舞から世界に羽ばたくグローバル人材の育成をめざして」を学校理念として、キャリア教育・ESDの理念に基づく教育活動の推進を今年度の重点目標と捉え、ESDの実践を通して「確かなつながりの中で自ら学び・自ら考えたくましく未来を切り拓く子どもの育成」と目標としている。
具体的には、「ぼうけんの森」再生事業を中心とした環境教育、天平時代の甘味料「あまづらせん」再現活動を中心とした世界遺産学習、避難所キッズスタッフ活動を中心とした防災教育、株式会社「鶴舞フラワー」の活動を中心とした持続可能な生産と消費を考えるキャリア教育などの教育活動を行った。

① 「ぼうけんの森」再生事業を中心とした環境教育
54年前の開校当時、ただの斜面だった場所を「憩いの森」にしようと植樹が始まったが、40年の間に木が生い茂り立ち入ることができない森となってしまった。約10年前より、森の整備が子どもたちの手により少しずつ進み、栗拾いや自然観察・野鳥観察ができる森となってきた。ふるさと納税を活用し、子どもたちから活用プランや設計図を募り、再生工事が始まった。
この「ぼうけんの森」で学んだことを5年生がプレゼンテーションソフトを使って保護者や下級生に向けて発表した。

② 天平時代の甘味料「あまづらせん」再現活動・「からむし」と奈良晒を中心とした世界遺産学習
 奈良女子大学の前川先生のご協力を得て、天平時代の甘味料「あまづらせん」をぼうけんの森」や奈良女子大学に自生しているツタの樹液を取り出し、再現する活動をおこなった。「あまづら」は、長屋王の邸宅跡から出土された木簡にも記載があり、世界遺産のあるまち・奈良の素晴らしさを内外に発信にホームページにその取組を掲載した。奈良女子大学公開講座でも実践発表した。
 校区にある秋篠川に自生している植物「からむし」の繊維を取り出し、織物を作成した。「からむし」からとれる糸「苧麻」は、今でも伝統産業である奈良晒の原料になっていることを奈良晒の老舗「岡井麻布店」の岡井さんから教えていただき、「苧麻」を分けていただき、手織り体験を行った。

③ 避難所キッズスタッフ活動を中心とした防災教育
災害時に避難所となる本校において、子どもたちが支援される側ではなく、支援する側になることによって、要支援者への手厚い支援が可能になる。
地域自主防災・防犯協議会と連携し、5年生・6年生に対して避難所の仕組みの学習を行った後、5年生は一人一人が自らできる活動を考え、バンダナに記載した。6年生は、アイマスク・車いす・高齢者機能体験など災害弱者の立場を理解するために模擬体験をおこなった。

④ 株式会社「鶴舞フラワー」の活動を中心とした持続可能な生産と消費を考えるキャリア教育
地域教育協議会コーディネーターと連携し、花を育てドライフラワーを作りハーバリウムの商品化や花の苗を販売する活動を株式会社形式で行った。株式の発行、仕入れ、原価計算、売価決定、販売までの宣伝・準備、販売当日の役割分担、売上金計算、利益確定などを行った。利益を使って新1年生をお迎チューリップの球根を購入し、1年生が育てている。
⑤昨年度、特別支援学級児童が作詞作曲した「君の代わりはだれもいない」「僕らの夢は無限大」の2曲をもとに全校で人権学習や共生教育に取り組み、オリジナルソングのCDを作成した。

来年度の活動計画

①「ぼうけんの森」を中心とした環境教育
②「からむし」の繊維・伝統産業である奈良晒を中心とした世界遺産学習
③避難所キッズスタッフ活動を中心とした防災教育
④株式会社「鶴舞フラワー」の活動を中心とした持続可能な生産と消費を考えるキャリア教育
 上記の4つの活動を平成31年度(令和元年度)も引き続き実施。
これらの活動だけなく、修学旅行と関連した人権・平和教育、本年度、全校児童から2番の歌詞を募集した「君の代わりはだれもいない」、「僕らの夢は無限大」のオリジナルソングを活用し、全校で人権学習や共生教育に取り組んでいく。また、地球市民としての在り方をユネスコやユニセフ、国際連合などを学習するなかで、自分事と考えられるグローバルシチズン教育に取り組んでいきたい。これらの学習内容は、これまでも実践していたが、ESDの理念に基づく教育となるように指導内容を改善していくことが大切であると考える。