2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費

Ⅰ 活動のねらい

1 ふるさとの自然や伝統に親しむ態度の育成

・ 本地域の自然環境のよさと課題を実感させる。

・ 地域の伝統芸能の理解を深め,大切にする意欲を高める。

2 ふるさとの恵まれた自然環境や伝統文化を守るために自分にできることを主体的に考え,行動する実践力の育成

・ 山里の暮らしを守る地域の人々の工夫や努力,思いを共有させる。

・ 年間を通した伝統芸能の練習において,よりよい演舞を求めて努力することができるようにする。

3 未来を見つめ生きる力・判断力・応用力・コミュニケーション能力の育成。

・ 地域の自然の素晴らしさを自分の言葉でまとめさせるとともに様々な場所で発信させる。

・ 地域の人々との交流を大切にさせ,地域の方への尊敬と感謝の気持ちを高めさせる。

Ⅱ 今年度の取組

1 伝統文化との関わり

本地域に伝わる「早稲谷鹿踊」「塚沢神楽」の継承活動を行い,地域の方々に披露した。特に,今年度は3年ぶりに開催された「新月公民館まつり」において,「早稲谷鹿踊」を披露することができた。地域の方々だけでなく,更に多くの方々の前で舞うことができ,児童自身の自信になったことと併せ,地域の伝統文化の担い手としての自覚が更に深まったものと考えている。

2 自然環境との関わり

  全校で様々な視点から地域の自然を学ぶとともに他校との交流を図ることで,身近にある山や川が互いに関わり合っていることはもちろんのこと,地域にはない海や地域以外の山や川とも関係が深いことに気付くことができた。具体的には,八瀬川において,3・4年が水質調査や生物調査,5・6年がプランクトンの採集と調査を行った。また,5・6年生は,海側の気仙沼市立唐桑小学校に出向き,同年代の児童との交流を深め,互いの住む地域の自然環境に係る課題を出し合い、その解決に向けた話し合いを行った。これらの活動を通して、児童は未来のために自分たちができることをより深く考えるとともに自分なりに実践して行きたいという意欲を高めることができた。

3 人との関わり

全校児童で地域のお年寄りに感謝の気持ちを綴った「敬老帳」を作成し,地域の全世帯に配付した。児童一人一人が書いた作文は,地域のお年寄りに対してしっかりと感謝の気持ちを伝えることができるものとなった。今回で54年目の活動となるが,学校と地域,そして世代間を越えたよりよい関係作りに寄与していると言える。

Ⅲ 成果

1 児童が身に付けた力

地域の自然や地域の人々から学ぶ活動を通して地域の伝統や人々と関わることで,児童は,自然環境を尊重し,自分なりにできることを考え,行動する態度を身に付けることができた。中には,地域の伝統や文化を学ぶにつれ,自分もその担い手として(これからも)引き続き関わりたい,そのような想いを強くもつ児童も育っている。また,自分が住む地域とそうでない地域とを児童自身が比較する機会を得たことは,改めて自分の地域の素晴らしさを知ることができたことはもちろんのこと,自然環境に対する視野を広げることにも繋がった。

2 保護者や地域へのインフォメーション

2月に実施した生活・総合発表会で1年間の学びを発表した。児童自身が感じた地域の自然の豊かさや伝統・文化の素晴らしさをしっかりと保護者や地域の方々に伝えることができた。保護者や地域の方々からいただいたアンケートからは,「改めて自然の豊かさや伝統・文化の素晴らしさに気づくことができた。」,「これからも豊かな自然を守っていこうと思った。」,「地域のことをしっかりと学んでくれていて、うれしかった。」といった感想をいただいた。また,活動に取り組むたびに,地元の三陸新報の取材を受け,新聞にて報道をしていただいた。結果,月立小学校の取組を地域だけでなく,広く本吉地方全体に紹介することができた。

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Ⅳ 今後の改善に向けて

本校は地域に根ざした活動を地域の人々との関わりを通して学んでいる。今後も継続していくことでより深い学びや活動につながるものと考える。また,地域だけでなく,全国や世界に目を向ける活動も取り入れていく必要があると考える。

来年度の活動計画

生活科・総合的な学習の時間等で次の活動を実践し,年度末の「生活・総合発表会」で学びを発信する。

1 伝統文化

本地域に伝わる「早稲谷鹿踊」「塚沢神楽」の継承活動。

2 自然環境

全校で様々な視点から山を学ぶとともに,豊かな海と身近な山や川の関係が深いことに気付かせるため,3・4年は地域の川の生き物や水質調査,5・6年は海の環境を知る体験活動を行う。また海側の気仙沼市立唐桑小学校に出向き,同年代の児童と各地域の課題を話し合うことを通して未来のために自分たちができることを共に実践していく活動を継続する。さらに地域の間伐材が木質バイオマス発電で再生可能エネルギーとなっていることに気付き,地域のためにできることを考え実践する。

3 人との関わり

地域の方と一緒に作業する農業体験等を通し,地域の方の思いや生活の知恵を知る。54年続く敬老帳を全校で作成し,ふるさとを大切にしてきた地域のお年寄りに感謝の気持ちを表す。

20230204月立小 アプローチシート