2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, エネルギー, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 健康, 食育, 貧困

本校は、「実行する子」「思いやりのある子」「健康な子」を学校教育目標とし、ESDを特色ある教育活動に位置付け、教育課程を編成している。また、校内研究としてESDに取り組み、今年度で8年目となる。今年度は、研究主題「かかわり、つながりを大切にし、考え実行する子どもの育成」のもと、副主題「主体的・対話的で深い学びを育む指導の工夫」を設定し、生活科・総合的な学習の時間を核として、児童の主体的・協働的・探究的な学びを追究した。具体的には、校庭西側斜面に広がる7100㎡の学校林での学習、校地内の花壇や畑で栽培活動から始める食農教育、地域連携・地域貢献につながる学習を行った。

① 学校林に係わる活動(環境・生物多様性)
本校の特色である学校林に全学年がかかわるようカリキュラムを組んだ。特に、6年生は、「100年先までのこしたい わたしたちの学校林」と題して、総合的な学習の時間を中心に、学校林に生息する動植物を知ったり、学校林の保全や環境保全に携わる人と継続的に関わったりすることを通して、学校林をはじめとした未来の自然環境について考えたり、社会参画に向けて行動したりすることを目標に学習に取り組んだ。体験的活動を重視し、思考力・表現力・判断力の育成を目指して、情報収集、整理分析の過程を特に大切にした授業を展開している。そして、探究活動を2つに絞り、時間十分に取った活動を展開している。また、「考える技法」を活用し、考えを可視化しながら協働的な学習を行っている。

② 食農教育に係わる活動(食育・地域の伝統食文化)

5年生は、総合的な学習の時間に「日本の食文化「米」を未来につなぐ」を中心に活動した。ゲストティーチャーによる米作り体験をきっかけに稲作のよさや課題を知り、探究活動に取り組んだ。その結果、食べ物を大切にしようとする児童が増えた。貧困問題や世界の主食など、国際理解・食文化の多様性にもつなげていった。
  また、6年生は5年生から継続して麦を栽培、収穫し、多摩地域に伝わる伝統食「多摩そば(塩が入らないうどん)作り」を行った。麦をたくさん収穫しても麺になるまでにはたくさんの工程があることや、たくさんの人が関わってできていることに気付き、食への感謝やこの地域の先人の知恵について思いを巡らせることができた。

③ 地域連携・地域貢献に係わる活動(福祉・防災)

 2年生の生活科「大すき ぼくらのくらす町」、3年生の総合的な学習の時間「地いきの人とつながろう」では、地域のことを詳しく知ったり、地域の方と仲良くなったりすることで、自分たちが地域にできることを考え実行し、さらにつながりを深めることをゴールイメージとして取り組んだ。その結果、地域行事に進んで参加する児童が増え、教師も児童が地域の中で育っていくことを実感することができた。
 4年生の総合的な学習の時間「未来につなげるよりよいくらし」では、知的障がい、聴覚障がい、視覚障がい、肢体不自由、高齢者等、どんな立場の人であってもよりよい暮らしができるようにするためにわたしたちができることはどんなことかを考え、実行した。前年度から地域と関わってきたことを活かしたことで、今年度の学習を自分だけでなく、家族や地域に広げたいという思いをもって実行することができた。

来年度の活動計画

 多摩市のユネスコスクールとしての学校づくりの姿勢を明確にした持続発展教育・ESDホールスクールアプローチの下、学校林の活用・再生、食農教育、地域貢献を重点に推進する。そのために、持続発展教育・ESDの視点に立った学習指導・特別活動等を充実し、持続発展教育・ESDが目指す力や態度(批判的に思考・判断する力、未来像を予測して計画を立てる力、多面的・総合的に考える力、コミュニケーションを行う力、他者と協力する力、つながりを尊重する態度、責任を重んじる態度)を育成する。特に、学校林の活用・再生は、持続可能な里山として保全するため、次年度も重点課題として、学校、保護者、地域が一体となり、地域の専門家や市民ボランティア等と連携して取り組んでいく。また、エコプロダクツやとよぱあく等で学習成果を発信し、実行・実践の振り返りや児童の自己評価、価値付けの機会とする。