2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解

本校は、「伝統を受け継ぎ、自然に親しみ、未来へつなげよう 東陽中」を活動テーマとして、自分たちが住む校区の自然や伝統、人のつながりについての学習を深め、持続可能な社会づくりの担い手を育む教育活動を実践してきた。そして、ESDの実践を通して、その担い手に必要な資質・能力の基礎的な部分を築き伸ばしていくことを目的と考えている。

具体的には、地域や伝統行事を題材とした各学年の学習を柱に、①自然・環境を考える活動、②地域の施設に関わる人々にふれる活動、③地域に伝わる文化・歴史にふれる活動、④行事などを関連づけた活動を行っている。

①自然・環境を考える活動(有志参加)

毎年4月に朝倉川環境保全活動の一環として、本校に隣接する利兵池周辺や東陽中学校近辺の清掃活動を行っている。生徒主体の活動であり、毎年ボランティア生徒が100名近く集まり、空き缶やペットボトルなどさまざまなゴミを拾っている。ただし今年度については,新型コロナウイルス感染症拡大防止措置として,4~5月の2ヵ月間が休校期間にあたったこともあり,計画のみで実施はかなわなかった。

②地域の施設に関わる人々にふれる活動(有志参加)

多米校区の各種行事(納涼祭・校区運動会・成人式など)に音楽部やソーラン踊り実行委員、生徒会執行部が中心となって参加している。最近では、活動が定着してきた結果として、校区健全育成会や自治会などでも話題にしてもらえる機会が多く、毎年多くの生徒が集まる活動となっている。しかし,これらの地域行事もすべて中止となり,活動できる場面はなくなってしまった。

③地域に伝わる文化・歴史にふれる活動(1年生)

1年生が総合的な学習の時間を使って、毎年5月に校区にある寺社や史跡などの校区探検を行うことによって地域の文化や歴史にふれる活動を展開している。各班で校区内外の見学地を決め、学校から時間差でスタートしている。民俗資料館収蔵質、葦毛湿原、龍岩院、春日神社などを見学した後に学校に戻り、振り返り活動を行っている。

④行事などを関連づけた活動(全学年)

毎年、体育祭のフィナーレとして、全生徒によるソーラン踊りを行っている。異学年集団で5つの団を構成し、上級生から下級生にソーランの踊り方を引き継いでいる。当日は、保護者の参加もあり、例年東陽祭最大の見せ場となっているが,今年度は規模を縮小し,3年生有志のみでソーラン隊を組織し,各世帯1名のみ許可した参観者と全校に東陽祭(体育祭)フィナーレで披露した。

⑤校内や地域に多数剤周する外国人との共存共栄を考える国際理解活動(全学年)

本校校区には団地などの集合住宅が多くあり,多数の外国人が居住している。本校の在籍生徒も20%は外国籍生徒が占めている。生活習慣の異なる日本人と外国人が互いを尊重しながら共に助け合って生きていけるように,校内表示を多言語化したり,外部講師を招聘して講演を聴いたりする国際理解学習を行っている。異文化が身近にあり,混在している地域の特性やそれが基本となっている学校生活を生徒は自然に受け入れて生活している。

来年度の活動計画

今年度は,世界的に行動を制限される異例の1年となった。残念ながら現在のところ来年度も明るい見通しがもてる状況ではなく,昨年度まで普通に行ってきたことが復活させられるかどうかはわからない。しかし,これまでの活動を振り返り、本校の大きな特色の1つである国際理解教育のり系統性をより強化してこうと考える。3年間を見通して、学習のねらいを【1年】知る→【2年】考える→【3年】行動するという,生徒の発達段階に応じたESD活動の展開を意識したい。

1年【知る】…異文化との体験的なかかわりを通して、異なる文化の存在や課題に気づくことを目的とする。(例:異文化圏から来日した人たちの体験した苦労を考える など)

2年【考える】…1年時の学習で気づいた課題について調べ、それを解決する方法を考えることを目的とする。(例:労働問題や移民出稼ぎの実態、日系人の歴史等身近なところから社会を眺める)

3年「行動する」…2年時の学習をふまえ、課題や問題点の解決のために活動できることを企画し実行できることを目的とする。(例:社会がよりよくなるための工夫やてだてを実践につなげ,社会から自分の暮らすコミュニティに戻る)