2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解

 本校は,「伝統を受け継ぎ,自然に親しみ,未来につなげよう 東陽中」を活動テーマとして,自分たちが暮らす校区の自然や伝統,人とのつながりについての学習を深め,持続可能な社会づくりの担い手となる子どもを育む教育活動を実践してきた。ESDの実践を通して,その担い手に必要な資質・能力の基礎的な部分を築き,伸ばしていくことを目的と考えている。

 具体的には,地域や伝統行事を題材とした各学年の学習を柱に,①自然・環境を考える活動,②地域の施設に関わる人々にふれる活動,③地域に伝わる文化・歴史にふれる活動,④校内や地域に多数在住する外国人との共存共生を考える国際理解活動を行った。

 ① 自然・環境を考える活動(有志参加)

  毎年4月に地域を流れる朝倉川環境保全活動の一環として,本校に隣接する利兵池周辺や東陽中学校近辺の清掃活動を行っている。生徒主体の活動であり,毎年ボランティア生徒が100名ほど集まり,空き缶やペットボトルなどのさまざまなごみを拾っている。

 ② 地域の施設に関わる人々にふれる活動(有志参加)

  本校は多米・岩田の2つの小学校区を有している。それぞれの校区の各種行事(納涼祭・校区運動会・成人式など)に音楽部(和太鼓)やソーラン踊り実行委員,生徒会執行部が中心となって参加している。運動会でのポルトガル語のアナウンスや地域の祭りでのボランティア募集にも多くの生徒が自発的に参加を申し込み,地域に貢献することが定着してきた。その結果,校区健全育成会や自治会などでも話題にしてもらえる機会が多く,毎年多くの生徒が関わる活動となっている。

 ③ 地域に伝わる文化・歴史にふれる活動(1年生)

  1年生の総合的な学習の時間では,5月に校区探検活動を行っている。各班で校区内外の見学地を決め,学校から時間差でスタートしている。民俗資料館収蔵室,葦毛湿原,校区の神社や寺院などを見学した後に学校に戻り,振り返り活動を行っている。

 ④ 校内や地域に多数在住する外国人との共存共生を考える国際理解活動(全学年)

  校区には団地などの集合住宅が多くあり,多数の外国人が居住している。したがって,本校の在籍生徒も20%は外国籍生徒が占めている。生活習慣の異なる日本人と外国人がお互いを尊重しながら共に助け合って生きていけるように,多言語での校内表示を行ったり,外部講師を招いての講演を聴いたりする国際理解活動を行っている。異文化が身近にある学校生活を生徒は自然に受け止めることができている。

来年度の活動計画

 来年度は,これまでの活動をより充実させていけるよう,特に国際理解教育の見直しと系統性を強化していこうと考える。1年生【知る】→2年生【考える】→3年生【行動する】という,生徒の発達段階に応じたESD活動の展開をより意識したい。

 1年【知 る】…異文化との体験的な関わりを通して,自分の知らない文化の存在や課題に気づくことを目的とする。(異文化圏から来日した人の体験した苦労)

 2年【考える】…1年時に気づいた課題や問題とその解決法を考えることを目的とする。(労働問題や移民出稼ぎの実態,日系人の歴史等,身近なことから社会を眺める)

 3年【行動する】…2年時で考えたことをふまえ,課題や問題点の解決のために活動できることを目的とする。(社会がよりよく,より暮らしやすくなるための工夫やてだてを実践につなげ,社会から自分の暮らすコミュニティに戻る)