2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解

 本校は「伝統を受け継ぎ,自然に親しみ,未来につなげよう 東陽中」を活動テーマとして,自分たちが住む校区の自然や伝統,人のつながりについての学習を深め,持続可能な社会づくりの担い手を育む教育活動を実践してきた。ESDの実践を通して,その担い手として求められる資質や能力の基礎的な要素を築き伸ばしていくことを目的と考えている。具体的には,①自然・環境を考える活動,②地域に関わる人々にふれる活動,③地域に伝わる文化・歴史にふれる活動を行っている。
①自然・環境を考える活動(有志参加)
毎年4月に校区を流れる朝倉川環境保全活動の一環として,本校南に隣接する利兵池周辺を中心とした清掃活動を行っている。校区自治体とも連携を図りながらの生徒主体の活動である。例年約100名の生徒がボランティアとして集まり,さまざまなごみを収集する。ただし,計画はしたが,昨年度に引き続き,今年度も感染症拡大防止の観点から開催は見送られた。                                     ②地域に関わる人々にふれる活動(有志参加)                                                                                          校区の各種行事(納涼まつり・運動会・成人式など)に芸能部(和太鼓とソーラン踊りの部活動)や生徒会執行部また有志参加の運営ボランティア(外国語アナウンスなど)が参加している。活動が校区の中で定着してきた結果として,自治会や健全育成会で話題にしていただき,出演や参加の要請が増えた。ただ,今年度もこれらの行事は中止となり,活動場面はなかった。                                 ③地域に伝わる文化・歴史にふれる活動(1年生)                                                                                  1年生の総合的な学習で入学間もない5月に校区にある寺社や史跡などの校区探検を行い,地域の文化や歴史にふれる学習を展開している。各班で校区内の見学地を決め,民俗資料館収蔵室,葦毛湿原(天然記念物)や点在する寺社などを半日かけて複数訪問し,訪問地での昼食後,学校に戻り振り返りをまとめる活動を行っている。                                                    ④地域・校内で身近な外国人との共存共栄を考える多文化共生(国際理解)活動(全学年)                                                             本校校区には団地などの集合住宅が多くあり,多数の外国人が居住している。本校の在籍数に外国をルーツにもつ生徒の占める割合は約20%である。生活習慣や生活文化の異なる日本人と外国人が互いの違いを受け入れ,尊重しながらともに助け合って生きていけるように,校内表示を多言語化したり,外部講師を招聘しての講話から学んだりする多文化共生(国際理解学習)を行っている。異文化が身近にあり,混在している地域の特性やそれが基本となっている学校生活を生徒は自然に受け入れて生活している。

来年度の活動計画

 未曽有の世界的パンデミックであるコロナ禍は,収束の気配が未だ見られず,今年度も行動や学習には制限が続いた。しかし,不自由ながらもできる範囲でできることを工夫して行う方向性に視点が向けられるようになった。本校の大きな特色である「国際理解教育」(多文化共生・異文化交流)を引き続き系統的に実践していこうと考える。                                              1年【知る】…異文化との体験的なかかわりを通して,異なる文化の存在や課題に気づくことを目的とする。(例:異文化圏から来日した人たちの体験した苦労を考えるなど)                      2年【考える】…1年時の学習で気づいた課題について調べ,それを解決する方法を考えることを目的とする。(例:労働問題や移民出稼ぎの実態,日系人の歴史等身近なところから社会を眺める)            3年【行動する】…2年時の学習をふまえ,課題や問題点の解決のために活動できることを企画し実行できることを目的とする。(例:社会がよりよくなるための工夫やてだてを実践につなげ,社会から自分の暮らすコミュニティに戻る)