2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育

本校は、「誇りをもち夢に向かって、凛として生きる生徒の育成」を活動テーマとして、ESDを「自分を取り巻く社会生活において、持続可能な社会が実現できるような価値観の育成」と捉え、ESDの実践を通して「自他を尊重し、協力して生きる力」の育成を目標とした。

具体的には、生徒会活動、教科指導、各学年の総合的な学習の時間を柱に、食育、持続可能な生産と消費、環境、健康と福祉を、①残食ゼロに係わる活動、②食品ロスに係わる学習、③地域・河川の清掃に係わる学習活動、④身の回りの福祉に係わる学習を通して行った。

① 残食ゼロに係わる活動

本校では、給食の残食量を減らす取り組みを学校全体で行っている。活動を始める前は当該調理場において残食量が最下位に近かったが、今では最も残食量が少なく、毎日食缶を空にすることができている。生徒は食事自体や生産者・調理者への感謝、「もったいない」の精神のもと、自発的に残食をなくす努力をしており、本校の伝統として生徒自身が誇りに思っている。継続した取り組みを可能にするために、給食当番がすばやく準備をすることによる会食時間の確保、余らないような均等な盛り付け、余った場合のルールの設定など、各学年・学級において工夫を凝らして取り組んでいる。

② 食品ロスに係わる学習

2年生家庭科の授業の中で、全校で取り組んでいる残食ゼロの取り組みを切り 口に、日本における食料生産や自給率、飲食店や給食などで大量の食品が処分されていることを学んだ。それをもとに、これからの生活においても持続可能な社会を実現するために自分にできることを考えたり、発信したりした。食材が世界とつながっていることに気づいた生
徒たちは、食品ロスが社会全体で減るように、校内だけではなくPTAバザーなどの場で食品ロスのまとめ新聞による発信などをした。

① 地域・河川の清掃に係わる学習活動

1年生の総合的な学習の時間において、校区内の公園と朝倉川の清掃活動を行った。公園や朝倉川には想像以上にごみや廃棄物が見られることに気づいた生徒たちは、自分たちの生活のすぐ近くに問題意識をもって取り組んだ。また、生徒一人一人が将来の地域の担い手であることを意識し、よりよい地域に自分たちがしていこうという思いをもって取り組んだ。公園と朝倉川の2チームに分かれて清掃活動を行い、きれいになった地域を保っていきたいという思いをもつことができた。

② 身の回りの福祉に係わる学習

町の中に溢れているさまざまなユニバーサルデザインについての学習を行い、ちょっとした工夫により、誰にでも住みやすい町づくりがなされていることに気づいた。11月,12月には社会福祉協議会との連携のもと「福祉体験教室」を行い、手話、点字、車いす、高齢者疑似体験の四つの講座を体験した。生徒の感想の多くには「身近に困っている人を見かけたら声をかけて助けてあげたい」という声が挙げられていた。生徒は、町の中に見られる工夫により住みやすくなっていることに気づいた反面、まだ不便なことがたくさんあるという実感をもった。

来年度の活動計画

・残食ゼロ活動の実施(全校生徒)学校中の残食をなくせるように,給食の配膳などの工夫をする。

・食品ロスに関わる学習(2年生)家庭科の授業を中心に,食品の生産から消費までの学習を行う。

・小中連携「あいさつ運動」の活動(全校生徒)年に2回の小中合同あいさつ運動を実施し,小学校と中学校の連携を図る。

・福祉に関する学習(1年生)「福祉体験学習」として,視覚障害・聴覚障害・肢体不自由の方へのサポートの仕方などを,市と連携して講師を派遣していただき学習をする。

・校区の公園や朝倉川の清掃活動(1年生)校区の公園や河川敷の清掃を通し,校区環境の移り変わりなどの学習のきっかけとする。