2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は「豊かな情操とたくましい身体を養い、自分の考えで実践できる子を育てる」という学校教育目標の下、『百人百花』の理念に基づき子どもたちのよさと生きる力を伸長することを経営方針の柱としている。ESDを地域の自然と関わりつながる取り組みと捉え、ESDの実践を通して豊かな自然とふれあい、自然を愛し、自然の恩恵に感謝する「自然から学び、自然とともに生きる」力の育成を目標とした。
 具体的には、感性・いのち・共生を柱に、①森林、植物、生物に関わる活動、②人権、福祉に関わる教育を行った。   
 ①森林、植物、生物に関わる活動
 本校敷地には森林、竹林が隣接している。地域はキャベツやトマトを生産する農家が多く畑が広がっている。校内には45坪の田、実習用の畑、実のなる木が茂る果樹園、花壇、池、菖蒲園がある。子どもたちはこうした豊かな自然を学習、遊び、癒しの場として生活している。
 毎年4月には地域を巻き込んで「たけのこフェスタ」を開催している。竹林から採ったたけのこ、田で収穫した米、森で植菌し栽培したしいたけを使ってたけのこご飯を炊き、全校児童とおうちの方、地域の方とともに食している。米については5年生が田植えから稲刈り、脱穀までの作業を行う。たけのこの収穫も子どもたちの仕事である。仲間や地域の方とのかかわりを深め、自然の恩恵に感謝することがフェスタのねらいである。
 本校の児童は入学時に果樹園の木を1世帯に1本ずつあてがわれる。これを「家族の木」として6年間観察し、世話をする。実のなる木からは学ぶことが多い。
 ②人権、福祉に関わる教育
 豊橋市の事業の一環として、「まちづくり塾」が実施されている。すべての人にとって住みやすいまちについて考え、その体現者となる子どもたちを育てようというねらいで行われるものである。
 本年度も5年生を対象に車いすに乗る体験、押す体験を通して、バリアになる場所やものを知ったり、バリアフリーへと改善されているところを発見したりする活動を行った。体験後には、ひとにやさしいまちをつくるために必要なことは何かを考え、討議を行った。

来年度の活動計画

来年度以降も、校地内外の豊かな自然を活かした「たけのこフェスタ」「家族の木」の実践を継続していく。このほか、森林活用事業として行っている「となみっ子忍者村」ではさらに森林に対する愛着を高められるような取り組みを検討していく。総合的な学習の時間や低学年の生活科では、竹林や森林、水田、畑を軸にして展開する活動が多いが、他教科や委員会活動などにおいても、校地活用や地域連携の取り組みを深めていきたい。自然保全と持続可能な利活用について、深い造詣をもった子どもたちに育ってほしいと願う。
 自然と関わる活動の他にも地域や市とも協力し、人権に対する意識や福祉の心を高める取り組みを強化し、豊かな情操を養っていきたい。