2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 人権, 福祉, 健康, 食育, その他の関連分野

◆ 本校は、「見つけて 磨いて 未来をひらく」を教育目標として、ESDの理念を教育課程に導入し、実践的な学習・探求の場と捉え、様々なESD教育の実践を通して持続可能な開発のための知識及び技能の習得を目指している。都心にありながら校庭は天然芝で畑も所有しているなど、緑豊かな恵まれた環境にあり自然と親しむ条件が整っている高校である。

授業は100を超える講座を開講しているが、ここで紹介している科目だけでなく、各講座でESDの考え方に関連する内容を取り入れた授業を行っている。

◆ ネイチャーアクアリウムづくり
この学習は総合科目「アクアライフ」において、専門家の指導の下、年間通じて実習を中心に活動を行う授業で、水槽のメンテナンス、藻類の駆除や水草のトリミングを行うことで、魚のための環境づくりとして必要な知識と実際を学ぶことができる。
本校の正面玄関で飼育することで、例年、在校生や来校者にもネイチャーアクアリウムを紹介する機会でもあったが、今年度は人の立ち入りを制限したことで、鑑賞としての視点から水景を考え、構図素材(石、流木等)の選定から水草の植栽・レイアウトまで一連の流れを写真で紹介する活動にも取り組んだ。

◆ 生活園芸活動
この学習は総合科目「生活園芸」において、年間通じて実習を中心に活動する授業である。専門家の指導の下、草花や野菜、根菜等の栽培として、土づくりから播種、管理、収穫、収穫物の利用まで一連の過程を実際に体験するのだが、今年度は、新型コロナ感染症の感染拡大により春は授業を実施することができなかった。
例年、農業生産の基礎として耕起(耕す)の体験から、季節に応じて定植を行い、地域との連携も行ってきた。今年度は、取組める範囲での農作業を実施し、連携活動はすべて中止となった。しかし、収穫までの間、除草、堆肥作り、病害虫の駆除作業などを通じて虫や小動物にも触れる機会を例年より少ないが設けることができ、生態系の理解促進にもつながった。

 

◆ ③生物と環境、植物を用いた作品つくりに関する活動
これまで専門家の指導の下、人工干潟や水族館、動物園において、様々な生き物を調査、観察することで、生物と環境の絶妙な関係や種の保存、命の大切さを学ぶとともに、自然への関心を高める活動を行ってきた。しかし、今年度は校外活動もできず、講師の来校も難しいため、主にインターネットを活用しながら調べ学習を中心に行った。

今年度は制限がある中でも新規の活動として、染色の授業では、藍を種から育てた葉を用いてたたたき染めを行い、ひまわりを咲かせて種を福島に送る、あらゆる機会で自然との共生につながる取組みを行ってきた。

 

来年度の活動計画

◆2021年度は、感染対策を行いながら安全に十分配慮した上で、年間通じて学習活動の中に生物や自然に関する実習時間を適宜設定し、生物と環境の絶妙な関係や、命の大切さを学ぶとともに、生物や自然への関心を高め、持続可能な生活とは何かを考えさせ、実際に体験していく教育活動を実践していく予定である。

課題としては、本校の活動をより多くの人に興味・関心をもってもらい、活動内容の充実を図り、様々な取組をより分かりやすく発信していくことである。