2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 国際理解, 福祉

本校は、「見つけて 磨いて 未来をひらく」を教育目標として、ESDの理念を教育課程に導入し、実践的な学習・探求の場と捉え、様々なESDの実践を通して持続可能な開発のための知識及び技能の習得を目指している。
都心にありながら校庭は天然芝で畑も所有するなど、緑豊かな恵まれた環境にあり自然と親しむ条件が整っている高校である。恵まれた環境を活かしつつ学習活動の中に実習時間を多く設定することで、生物多様性の理解、生物と環境の関係の理解を促す活動を実践している。
生物と環境の絶妙な関係や、命の大切さを学ぶとともに、生物や自然への関心を高める教育活動を積極的に行っている。

① ネイチャーアクアリウムづくりに係わる活動
この学習は総合科目「アクアライフ」において、専門家の指導の下、年間通じて実習を中心に活動を行った。水槽のメンテナンス、藻類の駆除や水草のトリミングを行うことで、魚のための環境づくりとして必要な知識と実際を学ぶことができた。
また、本校の正面玄関で飼育することで、在校生や来校者にもネイチャーアクアリウムを紹介する機会となった。鑑賞としての視点から水景を考え、構図素材(石、流木等)の選定から水草の植栽・レイアウトまで一連の流れを理解した。
責任もって生体を飼育することで、身近な生物としての魚類の特性を学び、環境や生態、生物多様性、固有種や外来種、繁殖や保護に対する理解を深める取組となった。

② 生活園芸に係わる活動
この学習は総合科目「生活園芸」において、年間通じて実習を中心に活動した。専門家の指導の下、草花や野菜、根菜等の栽培として、土づくりから播種、管理、収穫、収穫物の利用まで一連の過程を実際に体験した。
農業生産の基礎として耕起(耕す)の体験から、すいか、きゅうり、なす、キャベツ、白菜など季節に応じて定植を行った。サツマイモは、地域との連携として、幼稚園児と一緒に定植及び収穫作業を行い好評であった。収穫までの間、除草、堆肥作り、病害虫の駆除作業などを通じて虫や小動物にも触れる機会ができ、生態系の理解促進にもつながった。
持続的、安定的に食物生産し供給していく難しさを学ぶことで、実社会の課題へどうつなげていくのか考えさせることができた。

③ 生物と環境の関係に係わる活動
この学習は7月、9月、3月(予定)に校外へ出て、専門家の指導の下、人工干潟や水族館、動物園において、様々な生き物を調査、観察することで、生物と環境の絶妙な関係や種の保存、命の大切さを学ぶとともに、自然への関心を高める活動を行った。
今回は、海水温が高かったことによる海水温の変化が、生息環境の変化に直結することを理解できた。生態系は地球全体のバランスで保たれていることを知ることで、自分の生活についても振り返ることができ、見直すきっかけとなった。

来年度の活動計画

2020年度も今年度同様に、年間通じて学習活動の中に生物や自然に関する実習時間を多く設定し、生物と環境の絶妙な関係や、命の大切さを学ぶとともに、生物や自然への関心を高め、持続可能な生活とは何かを考えさせ、実際に体験していく教育活動を実践していく予定である。
課題としては、より多くの人にこれらの活動に興味・関心をもってもらい。本校の活動範囲や参加者を増やしていくため、様々な取組をより分かりやすく発信していくことである。