2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育, 貧困

本校は、「世界に生きる学力と教養を身に付けよう」「多様な表現やコミュニケーション能力を育もう」「知・心・身体のバランスを大切にして成長し続けよう」「多様性の意義を認識するとともに、寛容性・耐性(トレランス)を育もう」という4つの教育目標の下、ESDの「現代社会の課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組むことにより、それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと、そしてそれによって持続可能な社会を創造していく」といった理念も組み込みながら教育活動を進めている。

その教育活動の実践の中心に、「国際教養」という本校独自の学習領域を設定している。この「国際教養」は、国際理解・人間理解・理数探究という3つの柱で構成され、生徒たちが主体的に活動して自ら現代の諸問題の課題を発見・解決する能力を育てることを目的として実施している。以下に実践例を示す。

第1学年例:SDGsの目標と関連のある本を紹介する「ビブリオバトル」を行った。予選は各クラスから1名ずつの4名で構成された班で行った。本選は各班のチャンプ本のプレゼンを隣の教室で行った。本活動を行う前に,SDGsに関して,目標を分類する活動を行うことでそれぞれの目標についての理解を深めたり,つながりを考えたりしていた。

第2学年例:南極で働く方々の仕事の意義や仕事の多様性、環境問題、研究としてのフィールドワークの意義について目標に掲げて南極教室を実施。事前学習として、元南極観測隊隊員の本校教諭による講義を行った。次に、Zoomを使用して実際に中継を交えながら現地の隊員とリアルタイムで交流をした。そして、事後学習として再度元南極観測隊隊員の本校教諭より貴重な体験を踏まえて講義を行った。

第3学年例:ワークショップ形式の活動を生徒主導で行った。ビーガン(菜食主義者)について、知識や背景を学園の生徒と共有するとともに、それらを自分たちから地域へ広げていく活動である。2名の生徒が企画し、知識や背景について情報提供をしつつ、学年の生徒全員で「ビーガン商品の販促ポップ(ビーガンの説明を含む)」を作成。

第4学年は「国際4」として、Personal Project(PP)という個人研究(プロジェクト)を、第5学年・第6学年は「国際5」、「国際6」として、課題研究に取り組み、それぞれの成果を共有する場を設けている。

来年度の活動計画

第1から3学年の前期課程では、各教科で修得したことを活かし、自ら課題を発見し、その解決に向けて探究する機会を増やすことができるように充実させていく。第4から6学年の後期課程では、自己の在り方や生き方と社会を結び付け、前期課程での学びを統合できる生徒の育成を目指す。

2020度は新型コロナウイルス感染拡大で様々な活動に影響があった。2021年度も更に社会全体の行動変容が求められる中、対策を講じながら、主体性を持って多様な人々と協働して学び続ける態度を持った生徒たちを育むことを目指し、新たな時代を見据えた取り組みを実践していく。