2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 健康, その他の関連分野

本校は「ノブレスオブリージュ(高潔な若人の果たすべき責任と義務)」を教育 方針に掲げ、これまではESDに重なる様々な教育プログラムを「学校」・「学年」・「教科」・「委員会」等の単位に於いて縦横からのアプローチを続けてきました。

しかし残念ではあるが、今年度もコロナ禍故、これまで定例で行われていた活動や教育プログラムのうち昨年に引き続き実現出来きぬままに終わってしまった事柄が多いです。

それでも校外学習については、現地を訪れることに替えて、オンラインで現地とつなぐような工夫で代替えの行事としたものもある。現場で五感を通して感じる事ができないので厳密には異なるが、視覚を通して見、説明を聞いて理解することで各学年の持つ目的に沿って可能な形でのアプローチを行う事が出来ました。

結果的には内容は、「日本に居ながらにして、事情の許す方法による国際交流」が目立ち、「テーマ」は学年に即したそれぞれの角度に求めた。従って、最終的には「国際理解」の範疇に入るものが多くなりました。

本年度の活動内容は、以下の通りです。

<中1>

・「命の教育」 ー年間継続                                             5月7日の夏野菜(ミニトマト、なす、ピーマン、 きゅうり)の苗の植え付けから始まり、秋~冬(大根)と季節毎の野菜を植え付けから収穫できるまで生徒たちは毎日水やりをして世話を続けています。「収穫出来た物は各自家に持って帰り、家族に見せて調理して一緒にいただく」という風に「健康」・「食育」教育にも通じるものを意図しています。

・「ネットリテラシーについて」「いじめ」についての講演会  ー4月23日                様々な具体的な事例に基づいて、それらをアップすることへの問題点や社会的な影響について(ネットリテラシー)、また校内でその絡みで起こり得る「いじめ」についても動画を通して考えさせる機会になりました。

<中2>

・「WFP」の日 ー6月18日                                       世界の食料問題(飢餓問題)について考え・体験し、生徒自らが「恵まれた環境に置かれ、自己の健康を維持できていることを再認識すること」・「自分が世界の食料問題に対してどのような形で関わっていけるかを考えること」を目的に毎年行っています。

1、「SDGsと国連WFPの食料支援―飢餓ゼロを目指し、私たちにできることー」をテーマにWFP協会の方による講演                                                        2、世界の食料の格差を疑似体験できる「ハンガーバンケットゲーム」                                     3、2つのテーマについてディスカッションをした後発表

【テーマ】❶「世界の人々が必要な食料にアクセスするためにはどうしたらいいか?」❷「自分たちにはどんなことができるか?具体的な行動を3つ考えてみよう」

・「自己発見と共生の旅」 ー11月7日~9日                                               東日本大震災・放射能‣「会津藩」の歴史・野口英世について事前学習をし、関心・問題意識と知識も得たうえで現地に赴いて実地検証しました。帰校後は旅の集大成として、「これまでは意識内に無かったが、改めて気づいた『大切にしなければならない事』」を「私たちの什の掟」としてまとめ、明日への提言としてのプレゼンテーションを行ないました。

<中3>

・「平和と命の旅」事前学習 「特攻隊」 ー10月31日                                          中3修学旅行「平和と命の旅」は、水俣市や長崎市を旅しながら、国際平和の在り方を探求するオリジナルプログラムです。事前指導として、オンライン平和プログラムを実施しました。テーマは「特攻隊」です。中3の各教室とハワイの戦艦ミズーリ記念館、鹿児島の知覧特攻平和会館をオンラインで結び、映像を見ながら貴重なお話を伺いました。当時の凄惨な写真や一般公開されていない戦艦ミズーリの内部を、生徒たちは真剣に見つめていました。
攻撃を仕掛けた側・受けた側という両面から特攻隊をとらえることができ、一方の視点に偏らない柔軟な思考と他者理解を育むきっかけとなりました。生徒からの質疑応答も交え、真の国際平和を考えるにあたり学びの多い時間となりました。

・「平和と命の旅」 ー11月8日~11日                                           プログラム当日、熊本・長崎・福岡と九州を縦断しながら平和や環境問題について学び・考え・議論しあいました。春からおよそ半年間学び続けてきた平和学習の集大成です。                           1日目、2日目は熊本の水俣で「水俣病の資料館」、「被害を受けた海岸などのフィールドワーク」に加え、「水俣の行政・患者の方など様々な立場の方のお話」を聞き、複雑で一筋縄ではいかない公害問題について考え、10年先の水俣のあり方について試行錯誤を重ねました。最後に、この2日間で学んできたことをグループでまとめ、プレゼンテーションを行いました。                                             3日目、長崎で平和とは何かについて考えました。戦争、原爆といったテーマに正面から向き合い、戦争を体験された方の生のお話を聞き、資料館を見学することで、「平和のバトンを繋いでいく」ことの重要性を改めて認識しました。

・ワールドピースワークショップ ー11月26日                                       現在世界で起こっている様々な問題に関して平和に共存するためにどうすればよいかを、留学生を招いてディスカッションし、まとめたものをプレゼンテーションする行事です。「虐待をなくすには」「環境保全と経済発展」「原子力発電と火力発電」「宗教の意義」「核兵器と世界平和」の各テーマについて、意見を持ち寄って議論を行いました。当初は留学生の知識量や異なる文化・価値観に戸惑っていましたが、後半は理解度が高まりどのクラスも白熱していました。特にGLクラスは、ディスカッションからプレゼンテーションまで全てを英語で行うことができる程になり、自分たちの意見も積極的に述べることができました。

<高1>

・グローバルキャンプ ー6月15日~17日                                          グローバルマインドやプリンシプルを持った人間の育成を目的としたAll Englishの宿泊行事です。
初日には「バディを探すアクティビティ」に始まり、バディの「マイストーリー(中学3年間、学生時代の振り返り)、母国紹介」をしました。                                      2日目はバディの国で起きている様々な問題を知り、自分にできることを考える時間です。            3日目は日前日取り組んだ諸外国の問題への解決策をプレゼンしました。バディと共に英語で資料を作り、英語で発表しました。

<高2>

・クロスカルチャー講座 ー11月26日                                      ロータリークラブの支援を受け、世界各国からの留学生に来校していただき、文化交流を目的に高校2年生で毎年継続している行事です。留学生とは言っても、学生の身分は終え、日本に留まって就職後日本社会に根を張り働いている方が多いのが特徴です。留学生の中には各々の方面で肩書きを持っている方も少なくはなく、そのような方々から見た「日本」「日本人」に対する意見等も聴くことができたようです。生徒達は一様に「日本の良さを再認識」し、「外から見た日本の在り方」に関する問題意識が一気に高まった様子でした。生徒たちからは、留学生 と この講座に対する感謝の思いが多く語られていました。

<インターアクト・ボランティア委員会>

「インターアクト・ボランティア委員会」がその活動の中心となって「ペットボトル キャップ」「文房具」「書き損じ葉書」収集を行いました。本年度も比較的コロナ禍の影響を受けずに行えたのは「ペットボトルキャップ」回収でした。                                                          「ペットボトルキャップ」回収は、回収後換金のうえ「NPO法人 世界の子供にワクチンを 日本委員会」を通じ、世界各国のワクチンを必 要としている国の子供たちに支援をしました。キャップは校内での回収にとどまらず、保護者にも呼びかけて自宅から持ち寄り、また近隣の町会にも呼びかけるなどしています。                              また、「書き損じはがき」はユネスコ協会連盟を通じて換金され、カンボジアに届けられています。今年は2学期の終業式に「年賀はがき」を目当てにして、全校に対する回収の呼びかけも行いました。                    「文房具」については、本年度も回収作業のみとなりました。回収品については、カンボジアへの行き来が可能になる段階で上智大学のボランティアサークルを通じて、現地の子ども達に届く段取りになっています 。

来年度の活動計画

今後もコロナの動向にも気を配りつつではあるが、本来の活動に戻していく予定である。

・インターアクト・ボランティア委員会で行っている活動/地域清掃以外は全て、学校全体の教育内容を系統立て、またバランスをもって各学年に配置した形で行事として組み込まれている。従って、ボランティア委員会/学年における行事での活動も含め、基本的な活動はコロナ禍以前の方針に可能な限り戻し、実現継続して行く予定である。

・コロナ禍によって中止されていた高2での「英国、オックスフォード大学研修旅行」を復活できる見通しである。

・「アートマイル」プロジェクトに参加し、ベルギーの高校と共同研究する事になっている。