2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 平和, 人権

本校は「ノブレスオブリージュ(高潔な若人の果たすべき責任と義務)」を教育 方針に掲げ、一昨年まではESDに重なる様々な教育プログラムを「学校」・「学年」・「教科」・「委員会」等の単位に於いて縦横からのアプローチを続けてきていた。しかし昨年に引き続き、今年度もコロナ禍故、オンデマンドやオンライン授業体制などの影響による多方面からの制約が大きく、それまで定例で行われていた活動や教育プログラムのうち昨年に引き続き実現出来きぬままに終わってしまった事柄が残念ではあるが多い。

それでも校外学習については、現地を訪れることの出来なかった昨年に比べ、今年度は感染対策をしながらも各学年ごとに実施する事が出来た。そのなかで、各学年の持つ目的に沿って工夫すると共に可能な形でのアプローチを行う事が出来た。

結果的には内容は、日本に居ながらにして事情の許す方法によって国際交流をするものが目立ち、「テーマ」は学年に即したそれぞれの角度に求めた。従って、最終的には「国際理解」の範疇に入るものが多くなった。

中3では「平和・環境・人権教育」、インターアクト・ボランティア委員会を中心とする活動では「国際支援」がコロナ前からの形を継続することができた。

 

中1

6月17日の放課後、中学1年生アルファクラスの生徒とオーストラリアのキルビントン校の生徒とでオンライン交流を行いました。事前に手紙にてやり取りを行っていた「環境問題」について、その内容を踏まえて”気候変動”や”グリーンエネルギー”、”地球温暖化”への各学校の取り組みなどについて話し合っていました。生徒はオーストラリアの山火事について質問したりと、環境問題について真剣に向き合いながらも英語での交流を楽しんでいる様子でした。

中3

11月9日から行われる「平和と命の旅(中学3年修学旅行)」の事前指導として、オンライン平和プログラムを実施しました。

テーマは「特攻隊」。ハワイの戦艦ミズーリ記念館・鹿児島の知覧特攻平和会館・本校をオンラインで結び、日米双方の貴重なお話をお聴きすることができました。若き特攻隊を見送った日本、そしてその攻撃を受けたアメリカ――特攻隊をその両面からとらえることで、多角的に平和と戦争について考えることができました。一般公開されていない戦艦ミズーリ内部も映していただくなど、生徒たちにとってまたとない機会となりました。

高2

11月20日、「英国、オックスフォード大学」に替わり、行き先を「奈良・京都」に変えての修学旅行第2日目。京都大学や同志社大学などで学ぶ世界各地から来た留学生との交流の一日。会議室で行われる「ディスカッション」では、SDGsをテーマとし、自分が考えるSDGsについて意見を交わし、多様な考え方に触れ問題に対する理解を深めました。その後会議室を離れて行われた「市内散策」では、留学生に京都市内を案内してもらいました。散策内のコミュニケーションももちろん英語。最初は単語を並べた英語での会話も目立ちましたが、散策が終わる頃には英語で世間話をしており子供たちの対応力に驚きました。

高1

11月24日から26日にかけて、高校1年生では宿泊行事のグローバルキャンプが行われました。このプログラムは、留学生とともに世界のさまざまな問題について英語で議論しながら学び、考えるものです。この活動の目的は、世界で起きている問題を自分のこととして捉え、異なる考えや文化を理解するグローバルマインドを育むことです。

班ごとに行った自己紹介では、留学生は母国についてもクイズを交えながらの自己紹介してくれました。生徒は日々の学校活動で進めている研究論文について英語で発表しました。留学生から意見をもらい、新たな視点から研究を深めるきっかけとなったようです。
レクリエーションを通しての留学生との交流もありました。活動中も積極的に会話をしている生徒が多く、英語が伝わることの楽しさを実感できたようです。
留学生の母国の社会問題とその解決策を議論し、準備の後最終日には留学生と共に英語でプレゼンテーションを行いました。日本語でも考えるのが難しいような話題もありましたが、分かるまで話し合ったり、自分の知っている範囲の英語でどのように表現できるか考えたりしている姿が多く見られ、全てが有意義な体験の時間となりました。
留学生と共に英語で行なったプレゼンテーションは、3日間の活動の集大成でありその完成度には驚きました。生徒自身もかなりの達成感があったようです。

中3

本校の修学旅行は「平和と命の旅」と称し、九州を縦断しながら平和や環境問題について学び考え議論しあう壮大なプログラム。
熊本の水俣では、水俣病の資料館見学にとどまらず、加害企業・行政・患者の方など様々な立場の方にお話を聞き、複雑で一筋縄ではいかない公害問題について考え、「もやい直し」と呼ばれる地域の絆の復興運動についても肌で感じることができました。
長崎では平和学習です。原爆、戦争といったテーマは歴史や国語の授業で学んでいるものの、実際に被爆体験講話を聞き、資料館を見学することで、より身近に切実なものとして胸に迫りました。

インターアクト・ボランティア委員会

昨年より世田谷南ロータリークラブの方々と交流しながら「インターアクト・ボランティア委員会」がその活動の中心となって「ペットボトル キャップ」「文房具」「書き損じ葉書」収集を行った。なかでも活動が校内で定着していることもあって、最もコロナ禍の影響を受けずに通常通り行えたのは「ペットボトルキャップ」回収であった。回収後換金のうえ「NPO法人 世界の子供にワクチンを 日本委員会」を通じ、世界各国のワクチンを必 要としている国の子供たちに支援をした。キャップは校内での回収にとどまらず、保護者にも呼びかけて自宅から持ち寄り、また近隣の町会にも呼びかけるなどしている。その為か、今年度生徒が登校した日数は例年より少なかったが、年間では「100人分」と、例年に並ぶほどの量のワクチンを届けることができた。「書き損じはがき」はユネスコ協会連盟を通じ「カンボジア」に、また「文房具」については、これまで行って来た上智大学のボランティアサークルとの連携ができず、回収作業のみとなった。「カンボジア」への行き来が可能となった段階でこれらは届けて子供支援をする事が出来るようになる段取りである .。❸テレビ電話などを通して海外のユネスコスクールやそこに通う生徒さん達と生徒同士が直に交流させていただく機会を持たせてあげられたらと考えている

来年度の活動計画

今後も新しいコロナの動向によるが、基本的には再度昨年の予定をそのまま引き継ぐこととなる。

❶インターアクト・ボランティア委員会で行っている活動・地域清掃以外は全て、学校全体の教育内容を系統立て、またバランスをもって各学年に配置した形で行事として組み込まれている。従って、ボランティア委員会・学年における行事での活動も含め、基本的な活動は一昨年までの方針にできる限り戻し、継続して行う予定である。

❷各学年に割り振られ、実行されてきている活動内容(行事関係)を全校的に整理し、特に中学に於いてはそれらに沿った形での本校独自の「中学道徳」の教科書が完成し、更に網羅的に使用される運びとなって居る。