2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 平和, 人権, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本校は「ノブレスオブリージュ(高潔な若人の果たすべき責任と義務)」を教育 方針に掲げ、これまでESDに重なる様々な教育プログラムを「学校」・「学年」・「教科」・「委員会」等の様々な単位に於いてアプローチしてきた。しかし、今年度はコロナ禍のなか休校・分散登校などの影響により、様々な面に於いて制約を受けた内容が多く、残念ながらこれまで定例で行われてきた活動や教育プログラムのうち実現出来きぬままに終わってしまった事柄も多い。
それでも校外での学習について、現地を訪れることは出来ずとも事前学習まではきちんと行い問題意識と周辺知識の獲得だけは行うなど、可能なものについては出来得る範囲ギリギリまでのアプローチを行う事が出来た。

①国際理解・支援に関わる教育

中1に於いて、帰国生によるプレゼン大会が行われた。帰国生たちが自分の住んでいた国についてプレゼンをすることで、同じ学年の友人たちと異文化体験を共有するというものである。友人を通して国による文化の違いを知らされることによって聴く側の生徒たちは、国際交流の大切さに気づくとともに大きく興味も持つこととなったようである。
昨年より世田谷南ロータリークラブの方々と交流しながら「インターアクト・ボランティア委員会」がその活動の中心となって「ペットボトル キャップ」「文房具」「書き損じ葉書」収集を行った。なかでも活動が校内で定着していることもあって、最もコロナ禍の影響を受けずに通常通り行えたのは「ペットボトルキャップ」回収であった。回収後換金のうえ「NPO法人 世界の子供にワクチンを 日本委員会」を通じ、世界各国のワクチンを必 要としている国の子供たちに支援をした。キャップは校内での回収にとどまらず、保護者にも呼びかけて自宅から持ち寄り、また近隣の町会にも呼びかけるなどしている。その為か、今年度生徒が登校した日数は例年より少なかったが、年間では「100人分」と、例年に並ぶほどの量のワクチンを届けることができた。「書き損じはがき」はユネスコ協会連盟を通じ「カンボジア」に、また「文房具」については、これまで行って来た上智大学のボランティアサークルとの連携ができず、回収作業のみとなった。「カンボジア」への行き来が可能となった段階でこれらは届けて子供支援をする事が出来るようになる段取りである .。
高2において、「クロスカルチャー講座」を行う事が出来た。ロータリークラブを通じて世界各国より留学の為に来日した若者に来校していただき、5年ほど前から継続している。今年は留学期間終了後も本国に帰らず日本で就職し、各方面で活躍中の若者20名に来校していただき、生徒たちは各国の文化やお国柄、日本との違いなどをグループ毎に話を聞くことができた。皆、貴重な機会となった事を感想として述べていた。
環境・平和・人権に関わる教育
 
❶中学 3 年生では、修学旅行で九州を訪れることとなっていた。結局現地を訪れることは出来なかったが、社会的状況を見て訪問実現の可能性を考えながらも事前学習はしっかりとすることが出来た。その内容は第 2 次世界大戦の「特攻隊」(知覧)・「原爆」(長崎)について、また、「水俣病」(水俣)についてである。特攻隊というものを知り、原爆への認識も含め、戦争に対する見方・考え方がいろいろあることを生徒は学んだ。 水俣については環境破壊の恐ろしさと人権を守ることの難しさを学ばせることができた。事前学習の導入として「ワールドピース ワークショップ」を行ったうえで一連の学習に続き、最終的には現地訪問の代わりに、オンラインでエクスカーションを行う事が出来た。

③シチズンシップ教育

クラス・部活・委員会等の様々な単位において、学校中で学校の周辺や近隣・最寄り駅までの登下校使用道路等を清掃する機会が持たれている。これは生徒たちにとって良きシチズンシップ教育の一つとなっている。

 

来年度の活動計画

新型コロナの動向によるが、基本的には昨年の予定をそのまま引き継ぐこととなる。

❶インターアクト・ボランティア委員会で行っている活動・地域清掃以外は全て、学校全体の教育内容を系統立て、またバランスをもって各学年に配置した形で行事として組み込まれている。従って、ボランティア委員会・学年における行事での活動も含め、基本的な活動は昨年までと変わらず継続して行う予定である。

❷各学年に割り振られ、実行されてきている活動内容(行事関係)を全校的に整理し、特に中学に於いてはそれらに沿った形での本校独自の「中学道徳」の教科書が昨年の第1学年用に続いて2学年用が完成し、実際に使用される段取りである。

❸テレビ電話などを通して海外のユネスコスクールやそこに通う生徒さん達と生徒同士が直に交流させていただく機会を持たせてあげられたらと考えている。