2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 貧困

A.1年生国際探究コースの取り組み
今年度4月に新設した国際探究コースでは3年間を通してSDGsを基軸とした調査研究を含むカリキュラムとなっている。
1)世界遺産学習(週2時間)
温暖化の問題に影響を受ける自然遺産や、戦争に巻き込まれている文化遺産など世界遺産は世界規模で進んでいる課題に直面しているものがたくさんある。世界遺産を切り口として、世界規模で進んでいる問題について知ることを目標とした。また前半の授業では、日本の世界遺産についての学習であったので、日本史の授業と協同して行った。主な取り組みは、以下の通り。
①ユネスコを知る。②世界遺産委員会や、登録基準を知る。③日本の世界遺産について知り、それぞれの遺産の特異性について発表を行った。④身の回りにある大切なものの中で、将来世界遺産として残してもいいと考えるものを世界遺産登録基準に合わせて提案する。⑤日本と外国の世界遺産の比較。同じ登録基準で登録されている遺産の特徴は日本と外国ではそれぞれどのように違うのかについての考察を行った。
尚、世界遺産検定の受験もしている。
2)総合的な探究の時間(週1時間)
前半の授業では、SDGs教材を活用して、SDGsについてまず知ることから始めた。そしてグループに分かれてSDGsの中から最も関心があるものを一つ選んでレポートを作成。レポート作成の過程で、グループごとにフィールドワークにも行き基本的な情報を得ることと、疑問点などを解消することができた。レポートのテーマは、それぞれ医療と貧困、教育と貧困、海洋プラスチックごみ、街づくりの4つである。最終的にはグループごとに研究発表会の場においてプレゼンテーションを行う。また、この総合的な探究の時間に向けて教科横断での取り組みもあり、国語の授業でレポートの作り方、情報の授業で効果的なプレゼンテーションの仕方などを客観的に学んできた。

B.2年生コミュニケーション英語Ⅱの授業内での取り組み
英語の時間ではあるが、SDGsへの関心を高めることを目標に週4時間のうちの1時間を外国人教員が行っている。前半では、SDGsとは何であるかを学んだうえで、SDGsのテーマから一つを選んでポスタープレゼンを実施。後半においては、最初のプレゼンテーションとは違うテーマから、一つを選んで各自レポート作成を行った。英語の授業内での取り組みであるので、プレゼン、レポートともに英語で行っている。

C.葵プロジェクトの継続
本校では2016年から開始している葵プロジェクトは5年目に入りました。京都の葵祭で必要となるフタバアオイを株分けし学校で育て数を増やしてお戻しする取り組みから、1300年の歴史を持つ葵祭を持続可能なものにする取り組み。今年度は育てることを目標に取り組み、2021年の春には京都に戻す予定である。

D.科学研究部の取り組み
近年学校近隣の生物調査と透明樹脂標本を取り組んでいる。主には在来種の研究をしており、外部団体の取り組みにも参加し、研究発表を行っている。透明樹脂標本の制作過程を論文にして投稿し、AITサイエンス大賞で優秀賞をいただいた。また、なごや生物多様性センターまつりでも発表する機会があった。「矢田・庄内川をきれいにする会」のことを知ったことがきっかけでバクテリアについての研究を始めた生徒もいる。なごや環境科学調査センターを訪れたりしながら、多方面にわたる調査研究を進めている。

来年度の活動計画

上記項目については引きつづき継続して取り組みます。国際探究コースで取り組む世界遺産学習については、今年度のものを継続しながら、同様に世界遺産学習を行っている学校と交流して、プレゼンテーションなどをお互いに行いたいと考えている。また、2年次は、世界課題の概略を押さえたうえで、模擬国連にチャレンジする。テーマを「捕鯨」として、日本人の視点だけではなく各国の立場から、考える良い機会となるよう準備する。総合的な探究の時間については、より論理的、客観的なレポートに仕上がるよう次のテーマを設定して行う。
葵プロジェクトは2021年の春には京都にお返しする取り組みを行い、新しい株を育て始める。これと同時に日本古来の伝統や芸術に目を向けさせる。
今年度は外国の学校とオンラインで交流を行い国際交流を展開してきました。今後のオンライン交流は、世界課題をテーマにして事前学習を経てからプレゼンテーションを含めた交流とし、意見交換ができるような場にしていきたいと考えている。