2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 国際理解, 平和, 人権

本校は、①国際交流を軸とした文化の継承、②世界の平和を大切にする心を育てる教育、③外来種駆除に関わる教育に取り組んできた。

①国際交流教育

 本校が提携する姉妹校はニュージーランド2校、オーストラリア1校、中国に1校の合計4校ある。今年度は本校を含めて5校が集合して開催される4か国5校姉妹校交流会を開催した。毎回テーマが決められ開催期間中に各校が準備してきたプレゼンテーションを行う。今年度のテーマは[持続性]で、本校は名古屋伝統の『名古屋凧の継承』をテーマにその持続性を発表した。事前学習では、凧の歴史や果たす役割を時代ごとに学び、職人が数人となってしまった今、どのように名古屋の工芸品を次世代につなぐのかという考えを各姉妹校の生徒たちに発表した。

②世界平和のための教育

 2014年に本校がユネスコスクールに加盟されて以来の地道な取り組みとして、『名古屋空襲慰霊の日』の条例制定運動がある。

1944年12月13日、当時の本校生徒18名と2名の先生方は、勤労動員先で爆撃にあい、命を落とされた。この事実は長い間本校では語り継がれてきているが、戦後50年の年に、当時の軍需工場の煙突の一部を「平和の碑」として本校に移設して以来、毎年慰霊祭を行っている。本校がユネスコスクールに加盟した2014年は、命を落とされた方々の70年忌として名古屋市長をお招待した慰霊祭を行った。

名古屋空襲の記憶がどんどん風化していく中、本校では、慰霊の日を継続して実施していくだけでなく、名古屋市民がこの事実に関心を持ち、知識を持ち、そして失われた命があること、そして戦後多くの人々のたゆみない努力の上に現在の繁栄があることを名古屋市民が語り継いでいくために、名古屋空襲慰霊の日の条例制定運動に生徒会執行部を中心として入りました。名古屋空襲の生の話を聞き、学習を重ね、市会議員回りを始め、多くの他校生徒会、市民団体が賛同し、マスコミも注目し、2018年末には名古屋市議会に請願書を提出する運びとなりました。議会では現在審議中でありますが、この運動は、ユネスコ憲章の理念に通じるものと誇りを持っております。

③外来種の駆除

本校の科学研究部が中心となり、名古屋市内を流れる矢田川、庄内川、そして猫が洞池に生息するブルーギルを中心とした外来種の駆除の取り組みを進めている。もともとは様々な魚の透明標本をつくることが目的であったが、結果として外来種の駆除に取り組むこととなった。日本の魚を釣るほど、なぜ外来種が強いのかがわかってきて、駆除の意味を理解した取り組みになっている。産卵場所がわかってきたりして、地域からも注目される取組になっている。

来年度の活動計画

平成三十一年度の取り組みとして以下のとおり考えている。

①海外姉妹校の生徒が集合して開催される姉妹校交流会では、「世界のごみ問題」をテーマにごみの削減と環境問題について話し合い、各国でのアクションプランを立てさせる。すでにこの取り組みには事前学習に入り、会期中のプレゼンテーションの準備に入っている。

②名古屋空襲慰霊の日条例制定運動は引き続き賛同者を広げる取り組みを行います。他校生徒会だけでなく、市民団体も広げます。

③外来種駆除の取り組みは少ない部員で地道な取り組みではあるが、引き続き活動を継続して行く。