2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 気候変動, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, ジェンダー平等, 健康, 貧困

A)普通科国際探究コース(設置2年目)の取り組み
1)世界遺産学習
温暖化の問題に影響を受ける自然遺産や、戦争に巻き込まれている文化遺産など世界遺産は世界規模で進んでいる課題に直面しているものがたくさんある。世界遺産学習では、世界遺産を切り口として、世界規模で進んでいる問題について知ることを目標とした。1学期には、①ユネスコを知る。②世界遺産委員会や、登録基準を知る。③日本史の授業とも関連させながら、日本の世界遺産を知る。などに取り組んだ。
2学期には世界にある世界遺産の中から1件を選び、その価値や歴史的背景などを調べたうえで、現代を象徴するどのような問題に直面しているのかという視点を含めたプレゼンテーションを行い、外部のコンテストに応募した。3学期には、身の回りにある大切なものの中で、将来世界遺産として残すべきと考えるものを世界遺産登録基準に合わせて提案することとしている。
尚、世界遺産検定の受験もしている。

2)「捕鯨」問題を考える
2年生国際探究コースでは、様々な世界課題を広い視野から見つめなおし、客観的に事柄を見つめることを目標としている。今年度は、「捕鯨」をテーマとして日本の立場だけでなく、諸外国の立場に立って考えることでより客観的な見方を育てられるように取り組んだ。
The Coveという映画を鑑賞し、感想の共有と捕鯨の問題点を整理し、夏休みには和歌山県の太地町を訪問し、フィールドワークを行った。海の豊かさを守る観点から設定したテーマであったが、非常に複雑な問題であることがよく分かった。「知れば知るほど面白いが、同様にわからなくもなった。さらに学習を重ねたい。」というのは生徒の感想の一つ。2学期以降は、捕鯨に関する各国の立場を学び、ポスタープレゼンテーションとまとめを行ってきた。

3)総合的な探究の時間
SDGsを軸として1年生はグループ、2年生は個人で研究テーマを設定し、レポートを作成する。レポート作成の過程で、わからないことや疑問点などを整理し、フィールドワークを実施した。その分野の専門家や団体などを訪れ、質問をして疑問を解消し、新しい情報を得ることを通して考えを深め、レポートの作成を進めることができた。生徒たちのテーマは様々で、環境、貧困、教育、海洋プラスチックごみ、街づくり、児童労働、食品ロス、多文化共生、性の多様性、宗教などを扱っている。年度末には、研究発表会を行う。

B)そのほかのコースでの取り組み
1)2年生コミュニケーション英語Ⅱの授業における取り組み
2年生の文系コースの英語の授業で、SDGsへの関心を高めることを目標に、週4時間のうちの1時間を外国人教員が行っている。前半では、SDGsとは何であるかを学んだうえで、SDGsのテーマから一つを選んで英語でのポスターを作製。後半においては、最初のプレゼンテーションとは違うテーマから、一つを選んで各自レポート作成を行った。英語の授業内での取り組みであるので、プレゼン、レポートともに英語で行っている。

C.葵プロジェクトの継続
本校では2016年から開始している葵プロジェクトは5年目に入った。京都の葵祭で必要となるフタバアオイを株分けし学校で育て数を増やしてお戻しする取り組みから、1300年の歴史を持つ葵祭を持続可能なものにする取り組み。2021年の春には京都に戻し葵祭で使っていただくことを考えたが、コロナウイルスの生協で実現できなかった。この1年は葵プロジェクトにかかわる生徒を増やし、学びを深める1年とした。2022年の春にはお戻しできるように準備する。

D.科学研究部の取り組み
昨年度に引き続き、学校近隣の生物調査と透明樹脂標本を取り組んでいる。主には在来種の研究をしており、外部団体の取り組みにも参加し、研究発表を行っている。透明樹脂標本の制作過程を論文にするなどして、多方面にわたる調査研究を進めている。

来年度の活動計画

来年度の活動計画
計画しながら今年度実施できなかった点を実現していきたい。国際探究コースで取り組む世界遺産学習については、同様に世界遺産学習を行っている学校と交流して、プレゼンテーションなどをお互いに行いたいと考えている。また、広い視野から世界の諸課題を考える取り組みとして、今年度は捕鯨問題に取り組みましたので、新しい学年においても継続させます。葵プロジェクトは2022年の春には京都にお返しする取り組みを行い、新しい株を育て始める。これと同時に日本古来の伝統や芸術に目を向けさせる。
今年度は外国の学校とオンラインで交流を行い国際交流を展開してきました。特に環境問題など、テーマをもって、事前学習をしたうえでオンライン交流に入ることができました。次年度も引き続き、世界課題をテーマにして事前学習を経てからプレゼンテーションを含めた交流を行い、意見交換ができるような場にしていきたいと考えている。