2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 持続可能な生産と消費, 食育, エコパーク

 

 

本校は県内唯一の農業単科高校で、植物科学科、動物科学科、食品科学科、環境デザイン科を有し、各科の特色を生かした教育活動を展開している。「ユネスコスクールで探求×SDGsの実践」を活動テーマとして掲げ、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して、豊かな人間性と自ら学ぶ態度を育み、地域を支える産業人の育成を目標としている。本校は特に、ESD教育(地球規模の課題を自分事として捉え、その解決に向けて自ら行動を起こす力を身に付ける教育)に力を入れ、プロジェクト学習の手法を用いて地域の諸課題解決に取り組んでいる。足元の小さな課題をきっかけに、地球規模の課題にアプローチしている。様々なプロジェクト学習を通し、生徒たちは新しい知識・技術、科学的な思考・判断力、表現力、コミュニケーション力やプレゼンテーション力などを身に付けることで、今後困難な問題に直面した際には、乗り越えることができると考えている。
以下、具体的な今年度の活動を報告する。

全学科
栃木市と連携し、学校の生産物を学校給食に年間を通して提供している。さらに、年に1回「栃農給食DAY」と称して、栃農産食材をふんだんに使った給食(R4年度食材使用率88%)を実施し、地産地消の実践を通して、小中学生の食育に貢献した。
【SDGS:目標2、目標4、目標12】

植物科学科
(1)草花部でMPS認証、野菜部(イチゴ)でJGAP認証を取得している。
(2)ミミズ堆肥を製造し、本校圃場内で環境保全型農業を実践している。
(3)近隣の学校や市内施設、農家等の土壌診断を実施し、科学的な視点での栽培支援を行った。
(4)校内で小麦を栽培し、その小麦粉を使って、小学生向けのうどん打ち講習会を実施した。地域資源の活用や6次産業について学習を深めた。
【SDGS:目標2、目標12、目標15】

動物科学科
(1)国産飼料を活用したり、畜産から排出される堆肥を飼料畑や農産物圃場へ還元したりすることで、持続可能な畜産経営を実践している。
(2)校外の児童向けに「小動物とのふれあい体験」、「ドックショー」を開催し、動物に対する理解を醸成する活動に取り組んだ。
【SDGS:目標2、目標4、目標12、目標15】

食品科学科
(1)地域農産物を活用した商品を開発し、地域活性化に寄与する活動を行った。
(2)幼稚園との交流授業(ジャガイモ堀、味噌作り)を実施し、食育活動に取り組んだ。
【SDGS:目標2、目標4、目標12】

環境デザイン科
(1)渡良瀬遊水地における環境学習活動や足尾の植樹活動を行った。
(2)校内にビオトープ、棚田を整備し、生徒や地域住民の環境学習の拠点を創出する。
【SDGS:目標4、目標6、目標12、目標13、目標15】

その他
県内のユネスコスクール加盟校6校で「What’s your World Peaceアートフェス」を合同で開催し、本校生徒も平和を題材にした作品を出展した。作品は、各校で回覧、展示会を実施した。

来年度の活動計画

R5年度は、R4年度の各科の活動を継続していく計画ではあるが、その中でも、環境デザイン科のビオトープ、棚田の整備に重点を置きたいと考えている。県内外の優良事例の視察を行ったり、環境保全活動を行っているNPO法人から助言をいただいたりして、学校の裏山の自然環境の整備に取り組み、「トウキョウサンショウオが再び住める森林に」を目標にプロジェクトを展開していく予定である。