2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費

今年度の総合的な学習の時間は,第3学年で伝統文化・福祉,第4学年で自然・国際理解,第5学年で食文化・環境,第6学年で地方創生・キャリアの視点で子供が探究学習に取り組んだ。また,系統的な計画を立てて第3~6学年で共通して防災学習に取り組んだ。
第3学年の福祉の学習では,仙台市内の公共施設への見学を通して「誰もが安心して暮らせる街づくり」について探究した。子供は設定した探究課題に合わせて見学の行程を検討し,主体的に調査活動に取り組んだ。また第5学年で取り組んだ防災学習では,震災遺構の仙台市立荒浜小学校や荒浜地区住宅基礎群の見学を通して,東日本大震災から命を長らえた人々の「共助」について探究した。食事や情報共有などで荒浜地区の人々が知恵を働かせて「共助」した事実を基に,次の地震・津波災害時に命を長らえる方策を考察した。
このように,本校では実社会に見られる諸課題を適切に学習素材に選定し,子供自らが主体的に探究学習に取り組めるように手立てを講じ,考察を深めて身近なところから行動に移せるように学習計画を設定している。なお,第5学年の探究学習は,「2019年度第1回ユネスコスクール北海道・東北ブロック大会ポスター発表優秀賞」をいただいた。
他にも,日頃の学習をSDGsと結び付けて考える活動を試験的に実施し,「持続可能な社会の担い手づくり」を一層進める教育活動を行っている。また,外部講師を活用し,育成を目指す資質・能力の系統を明らかにした一覧表を基に学習活動を検討する教員集団の形成を進めてきた。そして,学習指導要領改訂に伴い,生活科・総合的な学習の時間の見直しを行った。学校教育目標の具現化を目指し,カリキュラム・マネジメントの視点とともにESDの視点から教育活動を再精査した。その結果,6か年の学びの連続性を明らかにしつつ,各学年の学びをデザインしたストーリーマップを作成することができた。

来年度の活動計画

令和2年度は,年度当初の研究全体会でのストーリーマップの共有から始める。すべての教職員が6か年の学びの連続性を捉え,その上で担当する学年・学級の生活科・総合的な学習の時間を中心とした教科等の学習活動を設定していく。そのためにも,ESD並びにSDGsに関する研修の場を確保する。
その上で,ESDを発展させたESDGs(SDGsの実現に寄与する教育活動)を一層推進していく。特に,この数年で一定の成果を見せた気候変動・海洋教育の探究活動(キリバス共和国の海面上昇の事例)を効果的に用いながら,令和元年度も模索した国内・海外のユネスコスクールとの交流活動を取り入れた探究活動の実現を目指す。