2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等, 健康

本校は,『「過去・現在・未来」ずっとつなごうぼくらの天伯自慢~地域に誇りと愛着を持つ子の育成~』をテーマとして,活動を行っている。

ESDを身近なところから視野を広げる活動と捉え、ESDの実践を通して思いや願いを持って問題を解決していく力を育成たしいと考えた。

具体的には、地域を柱に、①地域の環境や産業にかかわる活動、②地域の課題にかかわる教育、③地域の人にかかわる学習を行った。

① 地域の環境や産業に係わる活動

本校では,30年以上前から実習田を地域の方からお借りし、5,6年生がもち米を育てている。5月の田植えに始まり、10月の稲刈まで,保護者の協力を得ながら活動している。収穫したもち米は、全校で行う「親子もちつき会・感謝の会」に活用し,地域の人や保護者への感謝の気持ちを伝えたり,収穫の喜びと食べ物の大切さを味わっている。また、卒業式には、このもち米で作った赤飯を6年生に贈り卒業を祝う。「実習田」での活動を核にして行事がつながり、地域を愛する心を育んでいる。

② 地域の課題に関わる教育

本年度,校区に隣接するゴミ処理施設の焼却炉が故障した。4年生は社会科の学習での見学時に,ゴミ処理が追いつかずに困っていることを伝えてもらい,自分たちにできることを考えた。子どもたちの追究は,燃えるゴミの減量方法や地域への呼びかけなどに広がっていった。

また、校区に隣接する場所に「道の駅」建設が進んでいる。施設の概要を聞いた6年生は,楽しみな一方で渋滞などの心配があると考え,道の駅が地域住民の多くにとってプラスになるよう追究をすすめていった。

③ 地域の人の思いにかかわる学習

今年度は多くの学年で地域の人の思いや願いにふれ,自分たちにできることを考える学習を進めた。主な例をあげると,1年生では左官職人の土の魅力に対する思い,3年生ではすいかづくりにかける農家の思い,4年生では交通指導員や見守りボランティアの交通安全への願い,5年生では豊橋の田んぼを守りたいという農家の願い,6年生では校区の行事を通して人のつながりを強めたいという自治会長の願いなど,これらにふれながら学習を進めることで,子どもたちは主体的に学びを進め,問題解決の力を高めていった。

来年度の活動計画

来年度も今年度までの活動をもとに,各学年で活動を計画してすすめていく予定である。また,その時々に応じた時事的な地域の課題も取り上げていきたい。

今年度の活動で明らかになったように,地域の素材を教材化するだけでなく,人の思いや願いにふれることで子どもたちの活動に対する意欲は強まっていく。学校や子どもに対して,温かく協力的な地域である。その恵まれた環境をいかして,より多くの人材に協力を求め,子どもたちの地域を愛する気持ちや問題解決の力を高めたい。