2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費, 食育, その他の関連分野

本校は,「大地に生きる手鎌 わたしたちがつなぐ農業と食文化」を活動テーマとして,ESDを健康で生きがいのあるくらしとまちづくりのための教育と捉え,ESDの実践を通して,地域を愛し,地域のために共に行動する力の育成を目標とした。

具体的には,地域とのかかわりを深める体験活動を柱に,①食への関心と健康な生活に係わる活動,②地域とつながる農業体験に係わる活動,③地域の食文化体験に係わる活動を行った。

  • 食への関心と健康な生活に係わる活動(SDG2)

学級活動,体育科(保健),家庭科において栄養教諭の専門性を生かす学習指導を全学年で行った。特に,食に関する指導内容である6つの視点を6学年で系統的に位置付け,各学年の児童の実態に応じて指導内容を工夫して子ども達が食物の働きを理解し,食品を選択する力や食生活を改善する力を身に付け,学んだことを健康な生活づくりに生かしていこうとする実践意欲をもつことができるようにした。

  • 地域とつながる農業体験に係わる活動(SDG11、15)

3年生の子ども達は,地域の方と共同農園で育てた野菜をお世話になっている方々に食べてもらいたいと考え,「子ども朝市」を開いた。子ども達は自分たちが作った野菜を丁寧に新聞紙に包んだり,野菜の説明を地域の方にしたりした。子ども朝市は,学校と地域との交流を深める活動として,平成29年度から始まり,様々な学年の子ども達が行うように計画している。

③  地域の食文化体験に係わる活動(SDG2、11、15)

「黒崎串だご」は,干拓の仕事や農作業の合間に食べられていた食べ物である。串だごの団子の原料である米を作るために地域の方に指導してもらいながら7月に田植え10月に稲刈りを行った。12月の串だごづくりには多くの地域の方が来校され,大切に守り継がれてきたことや伝統的な作り方を教えてもらった。できた串だごをこれまで米作りや串だご作りでお世話になった方々と一緒に食べていただくとともに感謝の気持ちを表した。これらの体験を通して,子ども達は,自分達がこの伝統の食文化を守り継いでいかなければならないと考え,串だごとその背景にある干拓の歴史と農業の発達も含めて人々に広く知らせようと串だごの作り方やその由来についてまとめた掲示物を,地域の方々が集う地区公民館に持って行き,掲示してもらうことで学んだことを発信した。

来年度の活動計画

「大地に生きる手鎌 わたしたちがつなぐ農業と食文化」を活動テーマとして,ESDを健康で生きがいのあるくらしとまちづくりのための教育と捉え,ESDの実践を通して,地域を愛し,地域のために共に行動する力の育成を目指す。

  • 地域と連携・協働したカリキュラム作りの見直し(SDG11、15)

本年度までの実践を振り返り,地域と連携・協働したカリキュラム作りの見直しを行い,総合的・横断的な単元構成になるよう,生活科,家庭科,体育科等との関連を図っていく。また,食への関心と健康な生活に係わる活動については,6年間で身に付けさせたい指導内容を各学年ごとに明確にして系統性のあるカリキュラムになるようにする。

  • 伝統を受け継ぎ,広めるための情報の発信(SDG11、15)

地域の伝統について体験したこと,知ったことを子どもたちが主体的に情報発信する場を計画的に設定し,ユネスコスクールとしての活動の意義や価値を人々に広げていく。

  • 地域とつながる体験活動の継続(SDG11、15)

食育を中心としたより多くの地域の「ひと・もの・こと」とつながっていくための「地域ひと・もの・ことリスト」の作成・整理や学校と地域との交流を深める場を設ける。