2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境

本校は、「伝えよう未来へ!多米の自然のすばらしさを」を活動のテーマとして、ESDを自然豊かな地域に対する愛着を育て自然を守るための具体的な方策を探るものだととらえている。ESDの実践を通して、問題に気付き、仲間と共に解決しようとする育成を目標とした。

具体的には、校区を流れる朝倉川と内山川の豊かな水とそこに生きる多様な生き物とのかかわりを柱に、①水辺に生きる魚や虫たちと関わる学習、②河川敷の清掃美化活動、③稲作に係わる体験学習、④溶岩プレートの設置による自然回復活動を行った。

① 水辺に生きる魚や虫たちと関わる学習 ~川となかよし(1,2年)~

子どもたちは、朝倉川のどんなところにどんな生き物がいるかを調べ、たくさんの生き物がいることに驚いた。「生き物と仲良くしたい」とそれぞれの生き物に適した飼育環境をつくり、観察した。この活動を通して、たくさんの生き物がいる朝倉川が大好きになった。

② 河川敷の清掃美化活動 ~朝倉川を美しい川にしよう(全校)~

朝倉川530運動に取り組み、土手や川の中にたくさん捨てられていたビニールや家庭ごみを拾った。「自然豊かで大好きな朝倉川を汚す人がいるならば、その分私たちがきれいにしていこう」という思いをもった。

③ 稲作に係わる体験活動 ~多米の土と水の恵みに感謝しよう(5年)~
学校の近くにある田んぼを地域の方からお借りし、田植えから稲刈りまでを体験した。田植えの際、素足で感じる土の感触、稲刈りで初めて鎌を使って稲穂を刈る感覚。子どもたちの歓声が上がっていた。

農家の数が少なくなっている多米校区で、貴重な体験を子供たちはした。農業指導員の福井さんに多米の土と水がおいしい米が育つ秘訣と教えてもらった。田植えから稲刈り、精米までを体験し、自然への感謝と米を大切にしたいと思う気持ちが強くなった。

④溶岩プレートの設置による自然回復活動 ~朝倉川の生き物を守りたい(6年)~
 護岸工事で川岸がコンクリートで覆われたことで、一時ホタルが激減した内山川。溶岩プレートを取り付ける活動を続けることで、コンクリートばかりだった  川岸に草が生え、ホタルの数も増えていった。安全も自然も工夫すればどちらも守ることができるということを実感した。

来年度の活動計画

豊かな自然・歴史ある風土・国際色豊かな地域という校区の特徴を生かした実践をさらに推進する。また、他学年との交流や学習の成果を発表しあうことを念頭に置いた活動を進める。

 環境問題・生物多様性に関わって、1年生は川の生き物と触れ合い、2年生ではそれぞれの飼育環境を考えて観察、3年生はホタルに焦点を当てた学習と観察を行う。4年生は河川を含むごみ問題に取り組み、環境美化活動を進める。6年生は、生活の安全と自然回復を目指した活動を行う。

 生産・消費の問題では、4年生のごみ問題、5年生の稲作を通して、持続可能な社会の在り方江尾模索していく。