2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 福祉, 持続可能な生産と消費, その他の関連分野

本校は、「自ら切りひらくたくましい生徒の育成」を学校教育目標に掲げ、この目標に迫るための具体的な手立てとして、その中核にESDを位置づけて、総合的な学習の時間を中心に、様々な活動に取り組んできた。

ESDを「持続可能な社会づくりの担い手を育成する教育」と捉えて、現代社会の課題を世界的な規模で考え(Think globally)て、身近なところから行動(Act locally)でき、地域を中心とした社会全般に対して貢献できる人材を育成することを目標とした。具体的には、地域の伝統文化、国際理解を柱に、①玉川太鼓(和太鼓)の演奏活動、②茶の生産活動、③一人一テーマの個別探究学習「玉川学習」を行った。

① 玉川太鼓(和太鼓)の演奏活動

 日本の伝統や文化への理解を深めながら、演奏活動で地域を活性化させる目的で和太鼓の演奏活動をESDの中心的な活動として位置づけている。「玉川に活気を」を合い言葉に、演奏を通じて多くの人に元気と感動を与えられるよう、生徒たち自身で行う自治的な練習と年3回の専門家による指導の元で行う練習により、演奏技能を向上させ、オリジナル曲演奏に全校生徒で取り組んだ。今年度は「玉川の四季」という曲の中の「冬」という新曲にもチャレンジした。小中合同の運動会や、玉川学習発表会、地域に所在する介護老人福祉施設で、保護者や地域の方々に向け演奏を披露した。さらに、国際理解教育と関連させ、豪華客船(外国人観光客が乗船)の清水港出港時における歓送の演奏を行った。

② 茶の生産活動

 地域産業への理解を深め、同時に働くことの意義や大切さを学ぶことを目的に、学校茶園で茶の栽培・収穫を行っている。茶の収穫は、生育状況に合わせ5月中旬頃に2回実施した。このうちの1回は、学区に所在する玉川小学校の児童とともに小中合同茶摘みとして実施した。また、保護者・地域の方には、茶摘みのサポートとして参加していただいたり、茶摘み終了後も来年度の活動の準備のため、必要な時期に茶園の整備(茶刈り機による「台均し」など)などもしていただいたが、これは地域との連携の大切な場となっている。製品としてできあがったお茶は、学校の来訪者や、協力者に振る舞われ、大変喜ばれている。

③一人一テーマの個別探究学習

総合的な学習の時間を「玉川学習」とし、一人一テーマの個別探究学習を進め、情報を収集し分析する力、課題解決力の育成を図った。静岡市は平成30年に「SDGs未来都市」「SDGsハブ都市」に選定されており、企業や学校などで積極的にSDGsに取り組んでいるが、本校の個別探究学習においても、地域産業・伝統文化・地域の特性・地域の環境など、個別のテーマをSDGsの17のターゲットのいずれかに位置づけ、資料検索、聞き取り調査や実地探索などフィールドワークなどにより、地域や社会の抱える諸課題の解決に向けた自己の考えを学習発表会の場で提案した。

来年度の活動計画

令和2年度もESDを核とした活動を継続していく。4月より小中一貫校となるため活動の条件や環境にも変化が生じる。活動内容や方法についての変更も考えられるが、基本的な方向性については変更しない。

・地域の方、外国人観光客、保護者などを対象とした太鼓演奏活動を実施する。

・玉川茶の生産活動を継続して実施する。茶の淹れ方や背景にある歴史や文化なども同時に学んでいく。

・一人一テーマの個別探究学習を実施する。小中学校となることから9年間の学習に再編し、テーマ設定や地域の人材との連携など、より良い学習活動となるようカリキュラムを工夫していく。SDGsとの関連性もより明確にさせていく。