2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

気候変動, 環境, 国際理解, 福祉, 健康

本校は、学校の教育目標を「一、心身ともに健康で実践力のある生徒 一、深く考え進んで学ぶ生徒 一、人や自然を大切にする生徒」として、ESDを「人や自然とのつながり」と捉え、ESDの実践を通して社会の一員としての自覚を育て、地域に貢献する生徒の育成を目標とした。
具体的には、福祉・高齢者理解、環境、国際理解を柱に、次の①~③の取り組みを通して目標の達成を目指している。

①福祉(障がい者理解・高齢者理解)
本校は毎年近隣校の特別支援学校の生徒との交流があるが、今年度はコロナ禍で一緒に活動することなどが難しかった。そこで、障がい者理解・高齢者理解を行うために、多摩ボランティアセンターから講師をお呼びして、車いす体験と高齢者疑似体験を行った。車いすを街中で見ることがあっても、どのように手助けを行うかが分からなかったり、声かけを行うことに困難さを感じている生徒が多い中、実際に体験することで、自分たちができることは何かを考え、実践するような体験ができた。また、ブラインドサッカー協会・公益財団法人日本ケアフィット共育機構にご協力いただき、生徒に実際に目が不自由な方との交流やアイマスクをして実際に動いてみるなど体験を行うことができた。実際に体験することで、自分がどのようなことができるかを深く考えた。

② 環境教育
環境教育としてゴーヤ栽培によるグリーンカーテン作りや落ち葉を利用した堆肥作りに取り組んでいる。地域で農業を営む農業委員の方々を講師として招き、グリーンカーテンについての講義から始まり、ゴーヤの種まき、花壇作りや苗の植え付け、観察と収穫、地域清掃で集めた落ち葉を利用した堆肥作りの講義と実践など、年間を通して活動を行った。身近な環境対策に触れることで環境問題への関心を高め、生徒自身が小さな取り組みでも環境保全に貢献できることを学んだ。

③国際理解・環境教育
本校が初めて取り組んだものとして「ジャパンアートマイル国際協働学習プロジェクト」に参加した。ジャパンアートマイルにご協力いただき、世界の子どもたちが繋がって、自分たちが生きる未来のあるべき姿について一緒に考え、課題について議論して、世界に訴えるメッセージを込めてアートマイル壁画を作成した。授業では相手校として決まった「エストニア」の学校とともに英語で自己紹介・相手国調べ、SDGs3,12,13,17の学習を行い、エストニアの生徒との議論をオンラインで英語を使っておこなうことができた。また、議論で出たメッセージをアートマイル壁画に半分ずつ描いた。実際に相手と協力して行うことで、自分たちが直面している問題に真摯に取り組み、今の自分たちがどのようなことに取り組めるのかを英語で考えさせる場を作ることができた。また、地域人材を活用して英会話を行う「地域未来塾(Eトレ)」も放課後の時間帯を活用して定期的に実施している。地域と協力して様々な取り組みを継続して行うことにより、地域から世界で活躍するグローバル人材の育成を目指している。また、地域住民の中で、英語を得意とする方の協力を得て、「ノルウェー」との英会話を進めていて、実践的な英語を使うことを心掛けている。

来年度の活動計画

今年度の活動をもとに、「福祉・環境・国際理解」を柱にして活動を継続する。
福祉教育では、近隣の特別支援校の生徒と「ボッチャ」を通して交流し、本校の全校生徒が参加するマラソン大会に特別支援学校の生徒も参加するなど、様々な形で交流を続けている。
環境教育では、今年度の堆肥を活用してゴーヤ栽培とグリーンカーテン作りに取り組む。今年度同様、地域で働く農業委員の方々の指導や多摩市役所環境政策課の協力を得て、計画的に進める。また、今年度はコロナ禍のため行うことができていなかったが、作ったゴーヤを体育祭で配布するなど地域貢献も行いたい。また、毎年行っていた「防災に関する授業」も多摩市役所や消防署の協力を得て、取り組んでいく。
国際理解教育では、放課後の英会話活動(地域未来塾Eトレ・ノルウェーとの交流)を継続して行う。英語検定の合格を目標に勉強している生徒も多いので、様々な技能を習得するように実施する。今年度の反省を踏まえて生徒にとってより効果的な取り組みになるように実践する。また、今年度行った「アートマイル国際協働学習プロジェクト」にも来年度も参加し、SDGsの様々な観点から学習を行い、海外の生徒とも協力しあいながら、世界に訴えるメッセージ画を作成していく。
本校は東京都が指定するオリンピック・パラリンピック教育のアワード校に選ばれており、スポーツを通しての交流や地域の特性を活かした交流を行うことで、地域に貢献する生徒の育成を目指す。