2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 国際理解, 福祉

本校は、学校の教育目標を「一、心身ともに健康で実践力のある生徒 一、深く考え進んで学ぶ生徒 一、人や自然を大切にする生徒」として、ESDを「人や自然とのつながり」と捉え、ESDの実践を通して社会の一員としての自覚を育て、地域に貢献する生徒の育成を目標とした。
具体的には、防災、環境、国際理解を柱に、次の①~③の取り組みを通して目標の達成を目指している。

① 防災教育
 本校では防災教育の一環として、平成24年度より第2学年の全生徒を対象に「防災キャンプ」を毎年実施している。震災発生時に本校が避難所になることを想定し、消防署と連携した防災訓練、地域団体と連携した炊き出し訓練、近隣の高齢者施設と連携した高齢者支援活動など、様々な取り組みを行っている。地域の方や有志で参加する小学生と協力して行う活動を通して、震災時の自助・共助だけでなく日頃からのつながりを強化することができている。
※平成30年度は7月末に実施予定であったが、台風接近による荒天のため中止。

② 環境教育
 環境教育としてゴーヤ栽培によるグリーンカーテン作りや落ち葉を利用した堆肥作りに取り組んでいる。地域で農業を営む農業委員の方々を講師として招き、グリーンカーテンについての講義から始まり、給食の牛乳パックを再利用してゴーヤの種まき、花壇作りや苗の植え付け、観察と収穫、地域清掃で集めた落ち葉を利用した堆肥作りの講義と実践など、年間を通して活動を行った。身近な環境対策に触れることで環境問題への関心を高め、生徒自身が小さな取り組みでも環境保全に貢献できることを学んだ。また、育てたゴーヤの苗は毎年体育祭で保護者や地域の方に配布しており、多くの方々から喜ばれている。

③ 国際理解教育
 同じ地域に住む外国人や近隣の大学の留学生を招き、教室に入って一緒に給食を食べ、昼休みに特別教室を開放し自由に英会話を行うことのできる取り組みを年間を通して実施した。また、今年度より地域人材を活用して英会話を行う「地域未来塾(Eトレ)」も放課後の時間帯を活用して定期的に実施している。また、ALTを積極的に給食の時間に各クラスに配置し、フリートークをさせて、国際理解の促進を行っている。地域と地域と協力して様々な取り組みを継続して行うことにより、地域から世界で活躍するグローバル人材の育成を目指している。

来年度の活動計画

今年度の活動をもとに、「防災・環境・国際理解」を柱にして活動を継続する。
 防災教育として、令和2年度も防災キャンプを実施する。事前学習として、震災発生時の状況や行動を各自で考えて時系列で記入する「防災巻」を作り、高齢者支援の一環として「認知症サポーター講座」「高齢者疑似体験」「車椅子体験」などを行う。当日も地域の方々や関係機関と協力して、防災訓練や炊き出し訓練を行う。
 環境教育では、今年度の堆肥を活用してゴーヤ栽培とグリーンカーテン作りに取り組む。今年度同様、地域で働く農業委員の方々の指導や多摩市役所環境政策課の協力を得て、計画的に進める。
 国際理解教育では、放課後の英会話活動(地域未来塾Eトレ)を継続して行う。12月に実施したクリスマス会では、海外のクリスマスを疑似体験しながら英語を学ぶことができると生徒からも大変好評だったので、より多くの生徒が外国文化に触れる機会となるよう取り組みを継続する。今年度の反省を踏まえて生徒にとってより効果的な取り組みになるように実践する。
 また、以前から取り組んでいる障害者理解教育に関しても継続して取り組んでいく。今年度までは近隣の特別支援学校とのボッチャを通じた交流会や、本校の全校生徒が参加するマラソン大会に特別支援学校の生徒も参加するなど、様々な形で交流を続けている。
 本校は東京都が指定するオリンピック・パラリンピック教育のアワード校に選ばれており、スポーツを通しての交流や地域の特性を活かした交流を行うことで、地域に貢献する生徒の育成を目指す。