2020年度活動報告
本年度の活動内容
海洋, 減災・防災, 環境, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費
※大牟田市立白銀中学校は、大牟田市立田隈中学校の一部及び大牟田市立橘中学校と大牟田市立甘木中学校が統合し、令和7年度に開校しました。
(旧)大牟田市立田隈中学校
本校は、「将来の生き方を思い描き、社会に貢献する」を学校理念として、ESDを大きな夢を抱き未来を創る子どもの育成と捉え、ESDの実践を通して「課題解決力、新たな知識や価値観や行動力・体系的な思考力の育成」を目標とした。
例年、健康・福祉、人権・平和、世界遺産・地域遺産を柱に、①福祉事業に係わる活動、②平和学習に係わる教育、③職場体験に係わる学習、④地域に係わる学習、⑤地域とつながつ活動を行っているが、コロナ禍で大幅な修正がなされた。
①健康・福祉事業に係わる活動(SDGs1,2,3,10,17)
車いす生活で肢体が不自由な方々との交流を通して、「障がい」について理解を深めることにより、積極的に関わる意欲を高め、困難なこともチャレンジすることが大切だと考えることができるようにしている。しかし、今年度は、新型コロナ感染症拡大防止のため、交流活動ができなかった。食育では、基本的な生活習慣と朝食の大切さ、給食においてその時間に食材の栄養価の説明し、残食をゼロにする取組を実施した。
②平和学習に係わる教育(SDGs16,17)
2年生の修学旅行において、広島平和記念公園・平和記念資料館を見学して、戦争の記録を直視し、様々な資料について自主的に調べ、施設の方ら話を聞き、SDGsとして各自が目標を設定し、平和について知識を深め、これからの自分にできることを考え、今後の生活で実践ができることに取り組む予定であったが中止となった。しかし、3月上旬の修学旅行(予定)において、大刀洗平和記念館での平和学習を予定している。
③職場体験に係わる学習(SDGs3,8,9,11)
様々な職場を体験し、地域の働く方々から勤労の意義を教えていただくことにより、社会に貢献する喜びを知ることができることを目標として計画していたが、コロナ禍で中止となった。そこで3年生では、キャリア教育において、進路実現のために自分の適性を知り、具体的な進路について考え、自己理解を深めることができるようになった。
④地域に係わる学習(SDGs4,9,11)
世界産業遺産をもつ大牟田市の一員として、歴史とともに日本が誇る文化遺産を修学旅行を通して学習を計画していたが、中止となった。大牟田検定による学習では、大牟田の石炭産業と近代化遺産について教材集等で学び、一人一人が郷土大牟田に誇りを持ち、ふるさとを愛し、それを守り発展させるためにために自分にできることを考え、行動しようとする気持ちが高まった。
⑤地域とつながる活動(SDGs11,17)
「花」を通して日頃からお世話になっている地域の方々とつながり、「感謝」の気持ちを伝える「フラワープロジェクト」の取り組みを行っています。生徒会役員や環境委員が中心となって、ノースポールの種を本校昇降口前の花壇にまき、毎朝の水やりや定期的な草取りを行い、2月から3月に花が咲くのを楽しみにしています。
(旧)大牟田市立橘中学校
本校は「未来を切り拓く生徒の育成」を学校理念として掲げ、総合的な学習の時間を中心にESDを展開し、様々な課題に対し探究的な見方・考え方を働かせて、地域の人、もの、ことに関わる事と捉え、目的や根拠を明らかにしながら課題解決に根気よく取り組むことができ、ESDの実践を通して自己の理想的な生き方を考えることができる生徒を育てることを目標とした。
①地域における防災・減災に関わる活動(SDGs11住み続けられるまちづくり)
1学年にて、避難所に指定されている橘中は安全な場所なのかという疑問を解決するために、学校周辺の環境を調べ、過去の水害や災害の歴史を学び、安心・安全なまちづくりのための発信を行う。避難時にはどのような準備や対応が必要になるかを学ぶために、地域に住む高齢者の方や保護者と共に夜間の避難を想定した体験学習を行った。
②認知症や高齢者に関わる学習(SDGs3すべての人に健康と福祉を)
1年生では、校内でアイマスク体験や車いす体験、歩行体験などの高齢者疑似体験を行い、災害弱者と言われている聴覚障がい者や高齢者との接し方や相手の立場に立って考える事、バリアフリー化の必要性を学んだ。その後、全校生徒の活動として各家庭のアルミ缶を学校で回収し、業者引取の利益で購入した車いすを大牟田市内の福祉施設に寄付する活動を続けている。また、生徒会発案の被災地支援活動では、東日本大震災後から継続して定期的に募金を呼びかけ、現在も被災地に寄付を続けている。
③将来の生き方に関わる学習(職場体験学習・キャリア教育)
2学年にて、自分の興味・関心や適性について考え、働くということがどのようなことであるか意見を交流し、大牟田市内の30の事業所に分かれて職場体験を行う予定だった。感染症拡大防止のため実施できなかったため、事業者の方をゲストティーチャーとして校内に招き、講話と質疑応答の形式で実施した。社会人としての責任や人とのつながりについて考え、挨拶や礼儀、自分のことだけでなく人のことを考えて行動することを身に付けると共に、働くことの喜びや苦悩、地域の現状や地域の事業所の活躍を聞き取り、将来の展望を考える機会にすることができた。
④環境保全に関わる学習(SDGs14海の豊かさを守ろう)
全校生徒と職員で、クリーンアップ大作戦と題し、校区内と白銀川周辺の清掃活動を行った。地域と河川の環境保全に関して考えることができた。
生徒会役員が全校生徒に呼びかけるボランティア活動では、住みよいまちを合い言葉に、川沿いに捨てられたプラスチックゴミを拾い、海や川の環境汚染を未然に防止することに繫がる行動として意識できた。何ができるかを考え行動する機会になった。
(旧)大牟田市立甘木中学校
本校は、実社会や実生活とのかかわりを重視した「生き方」に焦点を当て、各学年の発達段階に応じた体験活動を展開し、生徒に主体性や創造性を身につけさせることをテーマとしている。具体的には、キャリア教育を軸としている。1年生では、「福祉体験及び将来の生き方」について学習した。2年生では、「地域の産業に学ぶ活動」として、身近な働く人にインタビューを行い、働く大変さや喜びを学んだ。また、地域よりGTを招聘して、実際に講話を聞いて、自分の生き方について考えを深めた。3年生では、「将来を見つめる活動」として、自分の進路に向けた学習を行った。どのような進路があり、それぞれの進路先でどのようなことを身に付けることができるのかを学習している。このことにより、自分の夢を見つけ、それを実現させるために、どのような資質・能力を身に付けるべきかを考えさせている。中学校3年間を通して、地域で体験し、地域のことを学び、地域で自分の将来を見つめることにより、よりよい生き方、よりよい人間関係を育み、また、自分の成長と地域の発展が密接に関係していることを考えさせ、この大牟田の将来を真剣に考える生徒を育てていきたい。
① 地域の福祉について考える活動(1年生)(SDG3、11)
市内近郊の福祉施設から、GTを招き、講話を聞いたり、車椅子体験
やアイマスク体験を行ったりすることで、自分にできることを
考え、自己の将来の進路や生き方の選択に生かすための学習を行った。
また、調べたことを互いに発表して、自分の視野を広げた。
② 地域に学ぶ活動(2年生)(SDG8、17)
地域の様々な職種について調べ、グループごとに発表を行い、他者の多様な価値観を尊重し、自己の個性を発揮しながら、様々な人々とコミュニケーションを図り、協力・共同して物事に取り組むための学習を行った。
③ 将来を見つめる(3年生)(SDG8、17)
自分の適性を知り、具体的な進路について考え、
進路実現のために、現在の自分をみつめる機会とした。
来年度の活動計画
(旧)大牟田市立田隈中学校
次年度も、引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、通常とは異なった様々な取組をしていくことが想定される。体験活動自体をすすめていくことは、かなり困難になると思われるので、オンラインを活用した交流や、ゲストティーチャーを招いての活動を設定していきたい。
1学年は、福祉事業と平和学習に係わる活動
地域学習では、大牟田検定による学習(SDGs9,11)
福祉学習では、GTを招いての車いす体験学習(SDGs3,10,17)
平和学習では、GTを招いての平和と人権についての学習(SDGs10,16,17)
2学年は、キャリア学習と地域に係わる活動
地域学習では、大牟田検定による学習、GTを招いてのキャリア学習(SDGs8,9,11,17)
平和学習では、修学旅行時に広島平和公園での学習(SDGs10,16,17)
3学年は、福祉事業に関わる活動
キャリア学習では、様々な職種のGTによる講話(SDGs4,8,9)
地域学習では、大牟田検定による学習(SDGs9,11)
福祉学習では、幼児教育のGTを招いての体験学習(SDGs3,17)
(旧)大牟田市立橘中学校
1学年を対象としたSDGs11住み続けられるまちづくりを目標に、防災・減災学習を計画している。本誌の防災対策室の室長に依頼し、大牟田市の防災の取り組みや災害時における避難時の留意事項等、校区内で気をつける必要があることなどについて、講話とグループ協議や体験学習を行う予定。
2学年は、世界遺産学習として1月に奈良・京都への訪問を予定していたが、感染症拡大のために3月に鹿児島市内の文化・歴史探訪へと内容を変更し、各班で課題解決のための自主的研修を計画している。また、地元の文化・歴史との共通点や相違点を学び、学習成果を発表するとともに、大牟田のよさを改めて理解する機会とする。
3学年は、未来を切り拓くための意志を持ち、自己の将来への展望を明確に語り、相手に伝わるように対話する活動を行う。これらの実践を通して、持続可能な地域社会を創造する生徒を育てていきたい。今後は、国内外のユネスコスクールとの交流を通して様々なつながりを尊重する態度を培うとともに、地元のよさを再発見したり、そのよさを発信したりするスキルや地域活性化の代替案を考え行動する資質・能力を身に付けさせたい。
(旧)大牟田市立甘木中学校
本校では、3年間を通した学習と同時に、各学年でもそれぞれにSDGsを目指した学習を実施していく。
(全学年)
・人権学習や国際理解教育を通して、人と人とのよりよい人間関係を構築し、
コミュニケーションを積極的に行う態度や他者と協力する態度を育てる。(SDG10、16)
・中学校3年間を、キャリア教育を軸として、地域のことを体験し、地域で学び、地域で自分の将来を見つめることによって、よりよい生き方、よりよい人間関係を育むとともに、自分の成長と地域の発展が密接に関係していることを考えさせ、この大牟田の将来を真剣に考える生徒を育てる。(SDG8、17)
(第1学年)
・将来の夢や職業について学習する。地元の農業や漁業について学んだり、地域の働く人を招いて講演を聴いたり、地域の防災についても考えさせる。(SDG8、13)
・福祉体験学習を通して、「ともに学び、ともに生きる」理念を学習し、
すべての人々がこの社会の中で誇りを持って、心豊かで幸せな生活を送
ることができるような心を育てる。(SDG3、11)