2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 世界遺産・地域の文化財等

本校は、「田上に生きる」を活動テーマとして、ESDを総合的な学習の目標と捉え、ESDの実践を通して情報活用する力、多面的、総合的に考える力、コミュニケーションを行う力、他者と協力する態度、すすんで参加する態度の育成を目標とした。

具体的には、環境、生物多様性、伝統文化や地域とのつながりを柱に、①田上の地域を学ぶ学習、②能「加賀宝生」の係わる学習、③里山の自然や米作り、地域のツバメ調査に係わる学習、④キャリア教育に係わる学習を行った。

① 田上の地域を学ぶ学習

3年生は、田上地区の地形の特色や土地利用の様子を知るために実際に歩いて調べた。また、地域のスーパーマーケットを見学し、働く人たちにインタビューし、お店の工夫について学んだ。和菓子屋さんでは、おいしい和菓子を作る工夫を学んだ。そして、学んだことを地域の方や他学年にどのように発信するか、グループで話し合いながら学習を進め、わかりやすく伝える工夫を考え発信した。
② 能「加賀宝生」に係わる教育

4年生は、金沢市に伝わる伝統文化「加賀宝生」の謡、仕舞、太鼓に挑戦した。「能について調べ、『羽衣』に取り組んで成功させたい」という思いをもって学習を進め、能楽師の先生のお話を聞く、県立能楽堂の見学に行くなどの体験を行った。学習発表会では、見事な能『羽衣』を演じ、その後のグループごとの発表では、聞き手が能楽に関心をもてるように、劇やクイズを取り入れながら、調べてまとめたことを表現することができた。これらの活動から、伝統文化を継承していく難しさに気づき、今後も能に親しみたいという思いを高めることにつながった。

③ 里山の自然や米作り、地域のツバメ調査に係わる学習

5年生の里山調査活動では、「田上の歴史」「生き物」「米作り」「里山メイトさんの紹介」から調べたいテーマごとにグループを作り、図書やインタビューなどによる調べ活動と実際に米作りやツバメ調査などの活動を進めた。調査では、地域の里山メイトの方に詳しく教えていただいた。学習発表会では、わかりやすく伝えられるように工夫して発表することに努めた。また、北谷に広がる棚田での稲作活動では、60年前の稲作の再現ということで、無農薬栽培に取り組み、収穫した米でもちつきを体験した。農薬を使わないことから多様な生物が生息していることやそれらが互いにつながり合っていることなどを学ぶことができた。ツバメ調査では、調査してまとめた壁新聞は「記録観察作品の部最優秀賞」を受賞し、児童2名が「小学生ツバメ調査国際キャンプin台湾」において、県内の児童の他、韓国、台湾の子どもたちを前に発表することができた。

④ 地域に学ぶキャリア教育に係わる学習

6年生の地域に学ぶキャリア教育の学習では、「田上に学び、ふくらませよう自分たちの夢」を学習テーマとして、地域にはどんな人がいて、どんな仕事をしているのかについて調べ、自分の将来について考えていく活動を進めた。ゲストティーチャーとして、「北陸放送のアナウンサー」「北陸ミサワホーム株式会社 南極研究プロジェクト」「直源醤油株式会社」の方などを招き、『地域で働く』ことについて学んだ。その後、将来、自分が成りたい職業について調べ、実際にグループごとに見学や体験を行った。学習発表会では、見学や体験した。『自分の夢』について、下学年の児童や地域の方、保護者に向けて発表することができた。

来年度の活動計画

これまでの「田上に生きる」をテーマとした活動を継続・発展させる。その上で、より「課題を発見する力」「探求する力」を身につけさせるために、教育課程の見直しを行う。

 具体的には、各学年本年度と同じテーマで取り組む予定であるが、児童の課題意識に対応できるよう、より柔軟な計画にするなど、児童自らが探求する意識を育めるようにする。

 各学年のテーマの予定は

 3年 地域     「地域・人との関わり」

 4年 伝統文化   「地域の伝統文化」

 5年 環境     「地域の里山」

 6年 生きる    「自分の生き方」