2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 国際理解, 持続可能な生産と消費, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

当校は、「東日本大震災の被災経験をもとにした様々な活動を通じて,自身の防災意識を高めるとともに,科学的視点から防災・減災を考え,自らが他者と交流する防災教育」を目指して,ESDを防災教育の中心と捉え,ESDの実践を通して批判的に考える力や多面的総合的に考える力の育成を目標としています。

具体的には,防災学習に係わる活動,自然科学に係わる学習,国際理解に係わる活動をプログラムの柱にESDを行いました。

 

防災学習に係わる活動

本校では将来の宮城を支え,自主防災組織等における次世代のリーダーなど将来の地域の防災活動の担い手を育
成するため,防災に関する知識・技術を習得し,防災や減災への取組に自発的に協力,活動する高校生を
みやぎ防災ジュニアリーダーとして養成しています。

11月には,防災フェス「学防災(まなぼうさい)2022」に,災害科学科1年生の生徒が参加してきました。このイベントは,一般家庭の来場者に被災時の対応について家族みんなで考えてもらう機会を提供するものです。1階のホールでは,災害科学科や多賀城高校全体で取り組む防災について紹介するコーナーを設置し,生徒が学校での防災への取組を紹介しました。また,2階のホールでは防災ワークショップを生徒主体で運営し,各家庭における避難方法や家庭備蓄の必要性などを小さなお子さんを抱えるご家族と一緒に考える取組を行いました。

令和4年12月11日(日)には,多賀城市文化センターにて実施された「令和4年度みやぎ防災ジュニアリーダー養成研修会」に,災害科学科2年の生徒が参加しました。午前中は2つの講義を受け,午後は本校の実践を発表したほか,県内各校の代表生徒とともに演習・ワークショップ「避難所ゲームHUG」を実施しました。研修会終了後に,みやぎ防災ジュニアリーダーとしての認定証を授与されました。

また,全国の高校生が,自らの課題研究などの成果を発表するとともに,ワークショップなどを通して
意見交換することで,東日本大震災の経験と教訓を後世に継承し,国内外の減災に貢献するため,

「東日本大震災メモリアルday」と称し,活動を行いました。

 

②自然科学に係わる学習

9月27日(火)に普通科フィールドワークを実施しました。この学習活動は,本校の地域フィールドを活用した、体験から得られる科学的探究活動の一環としておこなった,普通科1年生を対象とする新しい学習活動です。本校の周辺地域における様々な企業,施設のご協力をいただいて実施が可能になりました。今年度は歴史学,食品科学,物理学,工学,土木工学,生物学,海洋学などをテーマに6つのグループに分かれ,16カ所の企業,施設,団体での体験的な学びを行いました。この活動で得られた成果をもとに1学年の課題研究を進めていく予定です。

 

また, 12月6日(火),1年生災害科学科において石巻・女川巡検を実施しました。

東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地を視察することを通して,震災の記憶を未来と世界へ発信する主体者としての資質を涵養することを目的としています。事前学習として,ジオラマや地形図で女川町の地形を理解する学習を行うなど,必要な知識を学んでから現地に赴きました。

午前は,MEET門脇による語り部の方のお話を聞きながら石巻門脇地区の「まち歩き」を体験し,その後女川町へ移動をし,町民への「聞き取り調査(フィールドワーク)」を行いました。

午後からは,旧大川小学校で語り部の方から当時の様子や今後防災に携わる人材としてお話をいただきました。震災,被災,復興など様々な視点から学びを深めることができました。

 

国際理解に係わる活動

「世界津波の日」2022高校生サミットin新潟に参加してきました。世界各国の高校生が津波の脅威と対策について学ぶ場として,高校生サミットに参加し,活動発表,意見交換,交流を通し,将来のリーダーの育成と,世界各国の「きずな」をいっそう深めました。新潟県新潟市の朱鷺メッセを会場とし,日本国内の生徒は対面で参加し,26カ国の生徒がオンラインで参加するというハイブリット形式(使用言語英語)で開催されました。本校からは2年生3名が参加し,「What We Can Do in Tagajo to Pass on the Lessons We Learned ~ Connecting the Past with the Future ~」の発表題で研究発表を行いました。また,参加生徒は6つのグループに分かれ,各校の発表をもとに防災・減災のために高校生ができることについて議論を行いました。最終日には各グループの提案をまとめ,アクションプランというかたちで提言を行いました。

また9月1日(木)には、台湾防災ジュニアリーダー研修会の一環で、台湾の高校生と災害科学科3年7組と防災についてオンライン交流会を実施しました。多賀城高校で実施している「巡検」,「津波伝承まち歩き」、「課題研究」の取り組みを発表し、台湾の学生達と意見を交換しました。防災意識が高い台湾の学生からは様々な角度からたくさんの質問も頂き、改めて私たちの学習に役立てることができる意見もたくさん頂きました。活発な交流会となり、最後は画面越しに全員で記念撮影をして交流を深めました。

 

来年度の活動計画

多賀城七ヶ浜巡検・まち歩き(4月)

洞爺湖有珠山ジオパーク巡検(5月)

釧路湿原巡検(6月)

浦戸巡検(7月)

2学年つくば研修(8月)

「世界津波の日」高校生サミット参加(9月)

普通科フィールドワーク(9月)

1学年つくば研修(10月)

栗駒・気仙沼巡検(10月)

ESD学習発表会(10月)

石巻・女川巡検(11月)

課題研究発表会(12月)

伊豆沼研修(1月)

東日本大震災メモリアルday(1月)

HOKKAIDOサイエンスフェスティバル参加(2月)

ESD学習発表会(3月)

つくばScience Edge参加(3月)

宮城県理数科課題研究発表会(3月)