2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 持続可能な生産と消費

只見中学校は2017年、ユネスコスクールに認定された。只見中学校のある福島県南会津郡只見町は山に囲まれており、海とは全く関係がないように思われる。しかし、川は海とつながり、グローバルな視点で考えることで、子どもたちの生きる力の育成を図ろうとした。

①新聞紙レジ袋の作成

本校では、ESD・海洋教育に力を入れて取り組んでいるが、海に全く行ったことがない生徒も多い。そんな生徒のために、新潟県上越市で海岸のゴミ拾いや魚釣り体験を行った。生徒達は海での実体験を喜ぶ一方で、海洋ゴミが多いことに衝撃を受けた。その中でも、特にプラスチックごみが多く、海洋生物や地球に悪影響を与えていると考え、削減するために生徒達が話し合った。

その過程で、新聞紙によるレジ袋を作成するというアイディアにたどり着いた。レジ袋有料化の前に、全校生で新聞紙によるレジ袋作成を行っていたため、地元の新聞社やテレビ局等で取り上げられ、学校ホームページでも発信することで反響を呼んだ。活動開始後の令和2年7月からのレジ袋有料化の影響もあり、マスコミで取り上げられたり、学校ホームページで積極的に発信したりしてきた。加えて、町教育委員会の協力を得たことも大きい。本校実践のシンボルから町全体の取組として発展した。

②新聞紙レジ袋とともに使用後の米袋活用へ       

新聞紙レジ袋はあまり重いものを入れることができないという弱点があった。この弱点を解消するために、底に厚紙を敷いて、持ち手の部分の強度を強めた。さらに、地元のお酒を入れる袋として、米袋による酒袋を作成した。生徒がミシンを使って強度を高め、商品名を筆で書き、商店に納入している。

③地域合同防災訓練

今年度は、新潟・福島豪雨災害から10年の節目の年であった。当時、本町は河川の氾濫や土石流等で甚大な被害を受けた。JR只見線はまだ復旧していない状況である。そんな中で、3年生は、気候変動の視点から当時の被害状況について聞き取り学習をもとに、隣接小学校との地域合同防災訓練で、「語り部」活動を行った。また、2年生は避難所設営の補助(受付等)体験し、「助けられる人から、助ける人へ」という意識を高めることができた。

来年度の活動計画

○4月  ESD推進計画の検討・決定

○5月  コキアの栽培      1年生技術

○6月  自然体験学習

・1年(恵みの森)   只見の自然についての理解を深める。

・2年(尾瀬)      他地域と比較して、只見をよりよく知る。

○7月  地域合同防災訓練

災害発生時の対応について知り、万が一に備える。

避難者の誘導・受入体験を通して地域に貢献する態度を養う。

生徒が企画・運営に参加し、語り部として伝承し、発信する力を養う。

○9月  職場体験学習

・1年          只見の職場についての理解を深める。

新潟県での海洋学習

・2年          海浜清掃等の活動を通して、海と川の理解を深める。

○10月 文化祭         学年の取組についての発表

○11月 コキアの刈取・乾燥   1年生技術

○12月 コキアによるほうき作り 1年生技術

○2月  只見雪まつり

雪像づくりを通して、地域の一員として地域に貢献する態度を養う。

海洋教育の発表(町内)で、本校のESDの取組について発表する。