2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, エネルギー, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、学校教育目標を「志を持って 自ら学び 未来を切り拓く生徒の育成」とし、総合的な学習の時間を中心に、持続可能な開発のための教育の重点目標として、探究的な見方・考え方を働かせ、地域の人、もの、ことに関わる総合的な学習を通して、目的や根拠を明らかにしながら課題を解決し、自己の生き方を考えることができるようにするために、以下の資質・能力を育成することとした。

(1) 地域の人、もの、ことに関わる探究的な学習

(2) 地域の人、もの、ことの中から問いを見出し、その解決に向けて仮説を立てたり、調査して得た情報を基に考えたりする力を身に付けるとともに、考えたことを、根拠を明らかにしてまとめ・表現する力を身に付ける。

(3)

具体的には、福祉体験学習、職場体験学習、保育体験学習、環境保全体験学習を柱に、①認知症や高齢者に係わる学習、②将来の生き方に係わる学習、③生命尊重や思いやりに係わる学習、④環境保全に係わる学習を実施した。

さらに今年度は、防災・減災学習として「夜の防災・減災学習会」を生徒、保護者、地域の方々、行政の担当者で実施する。

① 認知症や高齢者に係わる学習(福祉学習)

1年生において、福祉に関する現状と課題の学習を経た上で、校内でアイマスク体験や車いす体験、歩行体験などの高齢者疑似体験を行い、高齢者との接し方やバリアフリー化の必要性等を学んだ。その後、まとめの学習として認知症の方や高齢者の方の気持ちを思いやることや身のまわりの施設や福祉環境の整備の重要性を体験から学んだ。

② 将来の生き方に係わる学習(職場体験学習)

2年生において、自分の興味・関心や適性ついて考え、「働く」ということがどのようなことであるかを学習した上で、大牟田市内の30の事業所に分かれて、職場体験学習を行った。その中で、社会人としての責任や人とのつながりについて考え、挨拶や礼儀、自分のことだけでなく人のことを考えて行動することを身につけると共に、「働く」ことの喜びや大切さや苦悩、地域の現状や地域の事業所の活躍を肌で感じることにより、地域の素晴らしさや地域の将来の展望を考える機会にすることができた。さらに、改めて自分の将来を見つめ、自分にできる社会貢献を考えることができた。

③ 生命尊重や思いやりに係わる学習(保育体験学習)

3年生において、少子高齢社会の現状や将来親になること、また自然や社会の中での生命尊重の重要性を考えながら、地域の10の保育園・認定こども園に分かれ、保育体験実習を行った。乳幼児の特性や注意することを学習した後、各班で年齢に合わせた設定保育のために、遊び道具の作製や設定保育の進行等を考えた。体験を通して、生命の尊さに改めて気づき、乳幼児と接する中で、コミュニケーションの大切さや言葉遣いや目線や姿勢の大切さ、優しく思いやりの気持ちや行動をとることの必要性を実感することができた。体験後のまとめの学習で、保育の現状や将来の自分について見つめ直す機会となり、進路学習とのつながりもつくることができた。

④ 環境保全に係わる学習(環境保全体験学習)
環境保全については、大きな2つの取り組みを行った。1つは、「クリーンアップ大作戦」と題し、全校生徒と保護者と職員で、校区内の清掃活動を行った。地域の環境に増えながら、ゴミ拾い活動をすることにより、地域の環境保全に関して保護者を含めて考えることができた。2つ目に、「外周一周ゴミ拾い大作戦」と題し、生徒会役員が全校生徒に呼びかけ、放課後ボランティアでのゴミ拾い活動を行った。生徒は自分の校区内にまだゴミが沢山あることを実感し、環境保全について考えると共に、自分には何ができるかを考え行動する機会になった

来年度の活動計画

防災・減災学習として、1年生生徒を対象とした「夜の防災・減災学習会」を計画している。本校の近隣にお住まいの方々、保護者と協力し、防災グッズの利用や防災・減災に必要なことについて、講話、グループ討議や体験学習を行う。

世界遺産学習として、奈良や京都を訪問し、それぞれの世界遺産にふれ、そのよさを体得する学習を行う。また、地元の世界遺産との共通点や相違点を学び、これらの学習成果を発表するとともに、京都で大牟田の世界遺産のよさをアピールしていく。

 また、本年度に引き続き、高齢者が多い地域の事情を鑑みて、独居高齢者宅訪問や認知症に関わる学習を引き続き実施していく。【SDGs3】これらを通して、持続可能な地域社会を創造する生徒を育てていきたい。また、国内外のユネスコスクールとの交流を通して、様々なつながりを尊重する態度を培うとともに、地元のよさを再発見したり、そのよさを発信したりするスキルや地域活性化の代替案を作成する力の資質・能力を教科指導と併せてつけていきたいと考える。