2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 人権

2022年6月12日 千歳アイヌ協会と全校児童550人による演舞

先住民族アイヌは、かつてアイヌ語で「シコツ」と呼ばれていた千歳市域に、千歳川を中心とする豊かな自然資源をもとに長い歴史を刻んできた。江戸時代以降は和人との交易場所とされ、多くのアイヌ民族が居住するようになり、独自の文化をつないで来た。現在は千歳アイヌ協会・文化伝承保存会の活動が盛んに行われ、「アシリチェプノミ(初めての鮭を迎える儀礼)」に代表されるカムイノミ(儀礼)や唄・舞踊・手仕事等の伝承が行われており、それらの学校教育における理解促進が求められている。

本校では平成5年にアイヌ文化を学ぶ実践が初めて行われ、平成8年にはアイヌ民族の伝統的家屋「チセ」を復元した地域文化資料室を拠点として、生活科・総合的な学習のカリキュラムに位置づけた「アイヌ文化学習」が本格的に始まった。平成23年~25年には「北海道ふるさと教育推進事業」の指定を受け、平成29年~30年にも「北海道ふるさと教育・観光教育等推進事業」の指定を受けた。

アイヌ民族の文化には、命の大切さ、自然との共生、郷土の歴史学習への興味関心、環境、食、人権など幅広い教育的価値が内在し、本校のアイヌ文化学習は、「自然や命を大切にする心・生き方」の学びとして、持続可能な社会の創造や異なる価値観を持つ人間同士の相互尊重・共生をその目標に掲げている。

アイヌ文化学習の他にも、主に生活科や総合的な学習の時間で、地域の方や障がいのある方の協力を得ての交流・福祉学習、市内施設等の福祉に関する調べ学習、異年齢児童の相互理解や協力の場、国際理解教育などを通し、「人とのかかわりを深めながらの、身近な自然・社会・文化の学び」に充実に努めている。

また、特別活動として、児童会などが中心となってエコ活動(ペットボトルキャップ・リングプル収集)やユネスコスクールとしての意識を高めるための活動にも取り組んでいる。

来年度の活動計画

コロナ禍でも工夫しながら体験活動を大切にしてきた。6年間にわたる活動計画が本校の特色ある教育活動として根付いているため、今後も現在の活動を継続していく。
1年生…アイヌ民族について知り、遊びや歌を通し表現の喜びを持つ
2年生…身近にある自然物で装具を作り遊ぶ。歌や踊りを通して表現の喜びを持つ
3年生…サケに関する学習を通しアイヌ民族の暮らしの工夫や苦労を理解する
4年生…昔のアイヌ民族の食物の栽培、収穫、調理を通し工夫や苦労を理解する
5年生…自然素材で伝統的技術を用いた生活用具作りを通し知恵や工夫を理解する
6年生…ムックリづくりやアイヌ民族の歴史学習を通し工夫や苦労を考え、
6年間のアイヌ文化学習を振り返りまとめる