本年度の活動内容
環境, 国際理解, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費, 世界遺産・地域の文化財等, 貧困
本校は、「1.他者に奉仕できる人間になる」、「2.知的で品格のある人間になる」、「3.自由と規律を重んじる人間になる」、「4.世の中に流されない凜とした人間になる」、「5.平和をつくり出し、発信する人間になる」を教育目標としている。ESDを世界平和実現のための重要な柱と捉え、ESDの実践を通して、広い視野で考え主体的に生きる力の育成を目標とした。
具体的には、キリスト教教育、平和学習、国際交流を柱に、①土曜集会プログラム、②長崎・沖縄への修学旅行、③ARE学習、④海外への派遣・受け入れプログラム、⑤生徒による国際交流グループ(SMIS)の活動を行った。
①土曜集会プログラム
対象:中学校高等学校全生徒
実施回数:月に1回(年に10回)
主な内容:
<中学校>
・「諸宗教に学ぶ」中1:聖路加国際大学付属病院礼拝堂訪問 中2:イスラム寺院モスク東京ジャーミー訪問 中3:臨済宗妙心寺派 藤原東演師の講演
・アフリカ音楽奏者向山恵理子(アニャンゴ)氏による演奏・講演
・地質自然学研究者 小泉武栄氏による講演
<高等学校>
・「ラオス山の子ども文庫基金」安井清子氏による講演
・作曲家・ピアニスト中村天平氏による演奏・講演
・法務省人権擁護局長名執雅子氏による講演
②長崎・沖縄への修学旅行
・長崎修学旅行
対象:中学3年生全員
期間:5月15日~5月18日
内容:平和公園、浦上天主堂、被ばく鳥居、原爆資料館などを訪ねながら、実際に原爆の恐怖を体験した「長崎証言の会」の方をお招きし、原爆が投下された当時の長崎の様子について話を伺った。
・沖縄修学旅行
対象:高校2年生全員
期間:11月12日~11月16日
内容:真珠湾攻撃によって始まった太平洋戦争時に、日本の国土で唯一地上戦となり、多くの一般市民が犠牲となった沖縄の戦争跡を見学した。平和祈念公園、ひめゆり平和祈念資料館、糸数壕、チビチリガマなどを訪れ、沖縄戦の悲惨さを学んだ。
③ARE(ASK・RESEARCH・EXPRESS)学習
自らの問いを調べてまとめることにより自学自習能力を養うことを目的としている。中学1年生は、新聞を題材に調べ学習を行い、地域の課題について調査、分析した結果をレポートにまとめた。中学2年生は、長崎修学旅行の準備学習として、原子力爆弾についての調べ学習を行った。中学3年生は、「平和と人権」をテーマに、2年時に引き続き、原爆や戦争を生み出す社会について学習したほか、ハンセン病患者を隔離した歴史についても学び、一人一人が個人として尊重される社会のあり方について考えた。
④海外への派遣・受け入れプログラム
・派遣プログラム(1)
派遣先:Trinity University ofAsia High School (フィリピン)
対象:高校1年生、高校2年生、計8名
期間:8月3日から8月11日
内容:現地の生徒の家庭にホームステイをしながら、実際に行われている授業を体験した。また戦地となったコレヒドール島、リサール公園を訪問した。
・派遣プログラム(2)
派遣先:St. Stephen’s Episcopal School(アメリカ)
対象:高校1年生1名
期間:9月~次年度5月
内容:寮で生活しながら、現地生徒と同様に学校生活を送った。帰国後は、礼拝の時間や文化祭等の機会を捉えて経験を分かち合った。
・派遣プログラム(3)
派遣先:St Margaret’s College(ニュージーランド)
対象:高校1年生1名
期間:1月~次年度9月
内容:現地生徒宅にホームステイをしながら、現地生徒と同様に学校生活を送った。帰国後は、礼拝の時間や文化祭等の機会を捉えて経験を分かち合った。
・派遣プログラム(4)
派遣先:Queen Margaret College(ニュージーランド)
対象:高校1年生2名
期間:1月~次年度9月
内容:寮で生活しながら、現地生徒と同様に学校生活を送った。帰国後は、礼拝の時間や文化祭等の機会を捉えて経験を分かち合った。
・派遣プログラム(5)
派遣先:University ofCalifornia Davis (アメリカ)
対象:高校1年生19名、高校2年生1名
期間:8月4日から8月14日
内容:カリフォルニア大学デービス校の研究員から、生命科学や環境科学の講義を受け、最先端の研究がどのように社会を変えていくのかを学んだ。
・受け入れプログラム(1)
派遣元:Queen Margaret College(ニュージーランド)
人数:生徒9名、教員1名
期間:4月12日から4月26日
内容:留学生は本校生徒宅にホームステイをして、学校生活や休日を共に過ごした。高校の授業に参加したほか、付属の小学校を訪問したり昼休みに交流会を実施したりした。
・受け入れプログラム(2)
派遣元:Trinity University ofAsia High School(フィリピン)
人数:生徒1名、教員1名
期間:10月20日から10月30日
内容:留学生は、本校生徒宅にホームステイをして、学校生活や休日を共に過ごした。英語の授業や文化祭に参加したほか、昼休みには交流会を実施した。
・受け入れプログラム(3)
派遣元:St. Stephen’s Episcopal School(アメリカ)
人数:1名
期間:9月~次年度6月
内容:本校生徒宅にホームステイをして、学校生活や休日を共に過ごした。
・第5回高校生カンボジアスタディツアー(日本ユネスコ協会連盟主催)
高校1年生1名が選出され、8月4日~8月11日に実施された同ツアーに参加した。帰国後は、ツアーでの学びを参加生徒が所属する国際交流グループの活動の中でプレゼンテーションとして報告したほか、文化祭でも現地での経験を模造紙にまとめ発表した。
⑤生徒による国際交流グループ(SMIS)の活動
SMIS(St. Margaret’sInternational Society)では、主に下記の活動に取り組んだ。
・模擬国連活動
年間を通じて模擬国連演習を行ったほか、第2回全国高校教育模擬国連大会や第5 回玉川模擬国連会議といった外部大会にも参加し、世界の諸問題を解決するための意識・態度・能力を身に付けるよう努めた。
・「世界一大きな授業2018」への参加
SDGs目標4の「質の高い教育をみんなに」の達成に向けて、「教育援助」について考え話し合った結果を首相・外務大臣への手紙という形にまとめた。
・「届けよう、服のチカラ」プロジェクトへの参加
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とユニクロ・ジーユーを展開している(株)ファーストリテイリングが共同で実施している同プロジェクトに参加した。出張授業で難民問題について理解を深めたのち、文化祭でこども服を回収した。
・書き損じハガキの回収
昨年度に引き続き、年賀状の書き損じの提供を全校生徒に呼びかけ、年明けに回収し、ユネスコ協会に届ける予定である。
・「SMIS新聞」の作成
本校に派遣されてきた留学生へのインタビュー記事などを載せた壁新聞を作成し、全校生徒に国際プログラムへの興味を喚起した。
来年度の活動計画
キリスト教を基盤とする学校として、土曜集会や礼拝を通して、平和を愛する心を育み、平和をつくり出し発信できる者へと成長するための活動を継続させていく。また海外の姉妹校(アメリカ1校、ニュージーランド2校、フィリピン1校)ともさらに交流を深め、広く世界に目を向け、世界的な視野に立って諸問題の解決にあたる意識・態度・能力を育むことを今後も目指す。具体的には、模擬国連活動を活発化させたり、ARE学習をさらに充実させたりすることで、自分の力で課題を発見しそれを解決する力を養う様々なプログラムを実施していきたいと考えている。