2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

国際理解, 平和, 人権, 福祉, 貧困

本校は「1. 他者に奉仕できる人間になる」「2. 知的で品格のある人間になる」「3. 自由と規律を重んじる人間になる」「4. 世の中に流されない凜とした人間になる」「5. 平和をつくり出し、発信する人間になる」を教育目標としている。特に、ユネスコスクールが重点的に取り組む下記の3つの分野を通して、広い視野で考え主体的に生きる力の育成を目標とした。
具体的には「地球市民および平和と非暴力の文化」の構築を目指し、①土曜集会プログラムや②ARE学習を行った。また「持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」の定着を目指し、③生徒による国際交流グループ(SMIS)の活動を活性化させたほか、「異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重」を目指し、④オンラインでの国際教育・国際交流プログラムを実施した。例年実施している「長崎・沖縄への修学旅行」と「海外(主に姉妹校)への留学生派遣プログラム」は、新型コロナウィルス感染症の影響により実施を取り止めた。
① 土曜集会プログラム
対象:中学校・高等学校全生徒
実施回数:月に1回 ※今年度は新型コロナウィルス感染症の影響を受け、一部プログラムを中止した。
主な内容:
・日本基督教団神奈川教区巡回牧師 関田寛雄牧師による講演(オンライン)
・フリー・ザ・チルドレン・ジャパン 伊藤菜々美氏による講演(オンライン)
・社会福祉法人滝乃川学園常務理事 高瀬祐二氏による講演
② ARE(ASK・RESEARCH・EXPRESS)学習
自らの問いを調べてまとめることにより自学自習能力を養うことを目的としている。中学1年生は、地域の課題について調査、分析した結果をレポートにまとめ、パワーポイントを使って発表した。中学2年生は、長崎修学旅行の準備学習として、原子力爆弾についての調べ学習を行った。中学3年生は、「平和と人権」をテーマに、2年時に引き続き、原爆や戦争を生み出す社会について学習したほか、ハンセン病患者を隔離した歴史についても学び、一人一人が個人として尊重される社会のあり方について考えた。
③ 生徒による国際交流グループ(SMIS/St. Margaret’s International Society)の活動
・模擬国連活動の取り組み
年間を通じて模擬国連演習を行ったほか、第15回全日本高校模擬国連大会に参加し、世界の諸問題を解決するための意識・態度・能力を身に付けるよう努めた。

 

 

 

・「高校生カンボジアオンラインスタディツアー」への参加
動画の視聴を中心とする事前学習を経て、ユネスコのカンボジア事務所長の方や現地寺子屋の学習者とオンライン会議システムを介してリアルタイムでつながり、質疑応答や意見交換を通して、カンボジアが抱える教育面での諸問題について学びを深めた。
・「寺子屋リーフレット制作プロジェクト」への参加および書き損じハガキの回収
「ユネスコ世界寺子屋運動」について事前に学習し、寺子屋の設立や運営に役立ててもらうための書き損じハガキの回収活動に使用するリーフレットを制作した。1月には書き損じた年賀状ハガキの提供を全校生徒に呼びかけ、回収したハガキをユネスコ協会に届ける予定である。
・「届けよう、服のチカラ」プロジェクトへの参加
難民問題に関する事前学習を経て、着なくなった子ども服の提供を全校生徒に呼びかけ、ファーストリテイリングを通じて回収した古着を世界中の難民の方々に送った。
④オンラインでの国際教育・国際交流プログラムの実施
・オンラインエンパワーメントプログラム
高校生用プログラムでは、外国人留学生との世界の諸問題に関するディスカッションを通じて、同じ出来事に対する様々な見方や、自分や世界に対する違った見方があることを学んだ。中学生用プログラムでは、ニュージーランドの学校や家庭とオンライン会議システムを介してリアルタイムでつながり、質疑応答やプレゼンテーションを通じて交流を深めた。
・オンラインによる海外姉妹校との交流
オンライン会議システムを介してニュージーランドの姉妹校とリアルタイムでつながり、同世代の高校生と情報や意見を交換し、コロナ禍における新しい形の異文化交流の機会を得た。

来年度の活動計画

キリスト教を基盤とする学校として、土曜集会や礼拝を通して、平和を愛する心を育み、平和をつくり出し発信できる者へと成長するための活動を継続させていく。また海外の姉妹校(アメリカ2校、ニュージーランド2校、フィリピン1校)ともさらに交流を深め、広く世界に目を向け、世界的な視野に立って諸問題の解決にあたる意識・態度・能力を育むことを今後も目指す。具体的には、模擬国連活動を活発化させたり、ARE学習をさらに充実させたりすることで、自分の力で課題を発見しそれを解決する力を養う様々なプログラムを実施していきたいと考えている。