2018年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 気候変動, 環境, 国際理解, 持続可能な生産と消費, 減災・防災
本校は、2013年4月、静岡県立静岡南高校と静岡市立商業高校が再編整備されて開校した総合学科高校で、静岡県立静岡北特別支援学校南の丘分校を併置している。「適切な判断力を持ち、個性を確立すると共に、他者と協働し主体的に社会に貢献する人を育てる」を教育目標に掲げ、総合学科高校ならではの多様な選択科目や諸活動を通して、全ての生徒・職員がESD for SDGsを意識した取り組みに臨んでいる。
具体的には、(1)併置している特別支援学校と連携した共生共育プロジェクト、(2)「総合的な学習(探究学習)の時間」や選択授業を柱とした地域課題・国際問題の解決方法提案プロジェクト、(3)課外活動や校外学習等での地域活性化・国際貢献アクションプロジェクト、(4)これらの実践を経ての進路目標実現プロジェクトなどに取り組んだ。
(1) 共生共育プロジェクトに係わる活動
併置している特別支援学校に在籍する生徒と、文化祭や体育祭といった学校行事に加え、スポーツや遊びを軸とした部活動やLHRでの交流活動、合同調理実習を行う家庭科授業など、日常的な交流を数多く経験することで、異なる個性を持つ多様な他者との交流や助け合うことに対する「自然にできる感覚」を養った。教職員も合同で校内研修会を開き、人権尊重意識を高め合うとともに、それぞれの教育活動に対する相互理解を深めた。
(2) 地域課題・国際問題の解決法提案プロジェクトに係る活動
「総合的な学習の時間」を主体的・探求的な態度で自分自身のキャリア開発を図る軸となる時間と位置付け、1年次は「(知っているを)広げる」、2年次は「(よく調べ比べて)選ぶ」、3年次は「(志を立てて)挑む」を学年テーマとしている。1年次後半から新聞スクラップノート作りを始め、自分の志向性や適性などについて自己分析や相互分析を通して、社会の実相やSDGs17ゴールと関連付けながら、自分が取り組むべき社会的課題の発見に努めた。2年次生は、初冬の研修旅行先の高校生と交流して、それぞれが考える地域課題や国際問題の解決方法について意見交換した。3年次生は、行政機関やNPOなどが主催するセミナーやボランティア活動、国際交流活動などへの参加を通して、課題に対する理解を深めたり情報発信したりする機会を得た。
(3) 地域活性化・国際貢献アクションプロジェクトに係わる学習
総合学科高校ならではの多様な選択科目や部活動などを通して習得した知識や技能などを活用して、地域イベントで地場産品を使った新商品の販売を行ったり、近隣の小学校に出向いてSDGs出前授業を行ったり、地域住民と協働で散策マップを製作したり、学校菜園で有機栽培した野菜類をこども食堂に無償提供したりといった活動を計画的に実践した。自己有用感を高めるとともに、課題理解や課題解決に向けて、主体的・協働的・探求的に取り組もうとする態度を養った。
(4) 進路目標実現プロジェクトに係わる学習
1・2年次生は、「広げる・選ぶ」の途上だが、3年次生は、授業での学びや諸活動を通しての体験などの蓄積を経て、自分自身の興味関心、能力や適性、社会的なニーズなどといったことをトータルして考え、適切な進路目標を掲げ、その実現に向けて努力している。直向きに取り組む姿勢が、後輩の良き手本となっている。
来年度の活動計画
現在取り組んでいる4つのプロジェクトを継続して、一層の充実を目指す。2019年度には、特に生物多様性、気候変動、国際理解への取り組みの充実を図る。また、共生共育プロジェクトとも関わるSDGsのターゲット5「ジェンダー平等を実現しよう」を拡大して、トランスジェンダーに対する理解を深める機会を設ける予定である。さらに、地域活性化・国際貢献プロジェクトとも係わるSDGsのターゲット11「住み続けられる街づくりを」を意識した活動の機会を拡充する予定である。