2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 国際理解, 持続可能な生産と消費

本校は「健康な身体と豊かな感性をもち,確かな学力を身に付けた,何事にも自主・自律の精神で取り組み続ける気品ある生徒の育成」を学校教育目標とし,目標達成の為の重点努力事項として「立志(夢をふくらませ,全教育活動の中で発達段階に応じた守・破・離の心構えで志を高めていく志教育の推進)」を挙げている。この取組みは,ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野の1つである「②持続可能な開発および文化の多様性と文化遺産の尊重」とつながっている。

目標の具現化の為に,今年度第2学年では「伝統産業体験学習」を9月13日~14日に実施した。今回の体験活動の目的は「探究活動の一環として,地域の伝統産業を体験したり見学したりすることで,地域の伝統産業への理解を深められるようにする。」「地域の伝統産業に従事しその継承に力を注ぐ人々の思いを理解し,将来どのように社会と関わっていくか自己の生き方を考えられるようにする。」であった。地域企業である「弥次郎こけし村」「寿丸屋敷」「蔵王酒造」の協力のもと,体験活動を行うことはもちろんのこと,事前指導として職業観や自身の職業適性について学びを深めること,体験活動後にはポスターセッションを行い,学びの振り返りを行った。ポスターセッションについては,1学年の生徒対象に行うことで,他学年交流や1学年生徒の翌年度の活動への意欲向上にもつながっており,とても効果的な取組みとなった。

2学年の生徒や1学年の生徒達の感想を読んでみると「自分達の住んでいる地域の伝統産業について深く知ることができた。」「今まではあまり興味がなかったが,伝統産業の素晴らしさに気付くことができた。伝承していくことの大切さにも気付くことができた。」「先輩たちの発表を聞き,地元の伝統産業について深く知ることができた。来年は自分達が同じような学習をすることになると思うので,見通しを持つこともできた。来年の活動も意欲的に取り組んでいきたい。」などの,伝統産業体験活動に対して肯定的な回答が多く見られた。

今回の教育活動をより良くし,来年度以降の活動にも取り組んでいく。

来年度の活動計画

・弥次郎こけしの歴史を学び,工人から技術指導を受け,絵付けを体験

・白石和紙の歴史を学び,ペーパーウェイトの製作体験

・蔵王酒造内の見学や櫂入れ体験

・白石産ササニシキの食味体験

上記の活動を総合的な学習の時間で行い,郷土の伝統産業を知る機会とする。また,全学年で多くの人材から講話等をいただいており,その感謝を伝える為に,伝統産業の和紙によるうちわを生徒が作成し,御礼の品として伝統産業を広報していく。また,修学旅行や中国・オーストラリア,姉妹都市との交流においても白石の伝統産業を紹介し,作成したうちわを提供していきたい。さらには,12月に計画されている立志式に向けて,自分の将来について考えさせ,貴重な体験をさせていただいた体験先へ感謝の心を持ちながら,自身の将来に向けて考えを発表させていく。