2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、人間愛と共生の心に基づく、教師と子どもが「共に在る」を教育理念として、ESDを「『ひと、もの、こと』とのつながりのなかにある、かけがえのない命・わたしとあなた」と捉え、ESDの実践を通して問題発見、課題解決、対話的で深い学びの力の育成を目標とした。

今年度、具体的には総合的な学習の時間を柱に、①人権・福祉に係わる活動、学習 ②食糧生産に係わる活動、学習 ③生物多様性と地域産業に係わる教育、学習を行った。

①人権・福祉に関わる活動、学習(5年)
 ~「交流会」をやりたいんじゃない。友達になりたいんだ~
 特別支援学校の小学部との「交流」。昨年、障がい者福祉施設へ勤労体験学習に行き、自分たちが障がいのある方への偏った見方をしていることに気づく。障がいのある方をもっとわかりたいと願う中で、「交流会」というイベントをしたいのではなく、小学部のみんなと友達になりたい、と願いながら、「障がいのある〇〇さんと友だちになる」ってどういうことだろう。〇〇さんはわたしのことをどう思っているのだろう。」という問いを深め、考え続けながら交流は続いている。

②食糧生産に係わる活動、学習(5年生)
 ~口に入るまでを自分たちで作り、味わう・「食」への感謝~
 4年生の頃から「給食プロジェクト」という活動で「食」について考えた。その中で 自分たちで作って,それを食べたらすごくおいしそう。そういうことも給食プロジェクトとして伝えていこうよ」と米作りに挑戦。活動で得たことは、「稲を育てるには、自分たちが苗に合わせた動きをする」ということ。

③生物多様性と地域産業に係わる学習(4年生)
 ~人は他の生き物の命をもらいながら、その生き物の命をつないで生きていく~
 カイコの飼育。失われつつある養蚕の実態を調べ、実際に150頭のカイコを飼育しはじめた。毎日世話をし、繭をつくる糸にするのか、採卵してさらに増やして買い続けるのかの選択に迫られてわかったことは、人は、幼虫を病気や事故から守ることでカイコの種と命を大切に繋ぎ、見返りとして繭から糸を繰ることで、カイコと我々人間が共存してきたということ。絹糸にすることは、カイコの命を粗末にしていることではないとわかった。

来年度の活動計画

動物飼育(生物多様性)に係わる学習
 ヤギ、ヒツジなどの家畜動物を飼育する。自分たちで小屋を建て、餌を確保し、衛生に気をつけ病気を防ぎ、健康や安全に配慮しながら大切に育て、どのように別れを迎えるか。「健康」、「食」、「命」に向き合う中で学んでいく。

減災・防災に係わる学習
 ハザードマップでは本校は浸水10m地域となっている。すぐ隣の地区が台風19号で被災したことから、被害状況、復興に向き合う被災者の姿を見つめて、災害が起きたとき私はどうするか、災害が起きないようにするため、私たちにはどんな備えができるのか、災害対策や防災に関わる仕事をされている方、信州大学の先生にお話しを聞くなどして、意識を高める学習、活動に取り組む。

環境(食育)に係わる学習
野菜作りを土作りから始めて、種まきから収穫まで自分たちの手で行う。収穫したものは最もおいしく食べられる調理法を調べて試して調理し、残さず食べ、調理過程で出た不可食部分も堆肥化して、食を巡る循環を体験する。