2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, エネルギー, 環境, 国際理解, 人権, 福祉, 食育, エコパーク

➀大根の栽培活動(2年生)

1年時に、学校近くにある神社へ出かけ、落ち葉掃きをしたり境内でおにごっこをした子どもたち。この時出会った99歳のおばあちゃんが畑での農業を引退することを知り、そのおばあちゃんにお願いをし、おばあちゃんの畑を借り、その畑で大根とさつまいもを育てることを決め、活動が始まりました。学校で校内の環境整備を担当する先生から畑の耕し方、種の蒔き方、サツマイモの苗の植え方を教わり、おばあちゃんから借りた『わたしたちの畑』の野菜の成長の様子を観察していきました。秋になり収穫の時。立派な大根を抜き、大きなサツマイモを抜き、おでんにしたり、焼き芋にしたり、自分たちが育てた大切な野菜の命を、みんなでいただくことが出来ました。また、収穫した野菜が、様々な交流にも繋がっていきました。子どもたちは野菜作りを通じて、野菜が育つ過程や、育てていく工夫、さらには野菜のすごさを知ることができました。

➁藍染め(2年生)

学校の畑に藍の種を蒔きました。藍は水やりが大切です。夏休み中も親子で水やり当番をし、立派な葉っぱの藍となりました。その葉っぱを使った藍染めが始まりました。緑色の葉っぱを見つめ、「緑の葉っぱが、本当に藍色に染まるのかな」そんな疑問を抱きつつ、生葉を使い初めての染める作業。葉を茹で、そこに真っ白なハンカチを入れ、水で洗い空気にさらす。すると次第に藍色へと変わるように、「本当に藍色になってきた」「藍ってすごい」そんな声が聞こえてきました。初めて染めた振り返りでは、「もっと違うものを染めてみたい」「もっと濃くしてみたい」そんな声が聞こえてきました。藍を大量に収穫していたので、染める活動はその後、何回も行うことができました。バンダナを染め、Tシャツを染め、2月には音楽会に向けて♪藍染めの歌♪も完成し、染めたTシャツを着てオリジナルソングを歌うこともできま

した。そして、副校長先生には、藍で染めた大きな生地に、クラスで大切にしている『本気』の文字を、書き加えていただきました。2年2組でしか飾れない、素敵な旗が完成しました。活動は、これからも続きそうです。

③生き物とのくらし(3年生)

3年生は、1組(トカラヤギ)も2組(ヒツジ)も1年生から生き物を飼っています。今年はトカラヤギ(トカちゃん、ララ)は4匹の赤ちゃんを、ヒツジ(よつば)は1匹の赤ちゃんをそれぞれ生み、家族となった生き物のお世話を継続して行いました。そして、両クラスともにクラス替えを控えているため、1組は7頭の行き先を、2組は2頭の行き先を探していきました。1組ではもともと借りていた牧場だけでなく、オスのトットの生き先を自分たちで探し、小川村にある宿泊施設に託すことを決断しました。2組はよつばとふたばの2頭を、よつばと結婚をしたしゅんくんの行き先でもある静岡県の農園に託すことを決断しました。3月には、お別れの時を迎えます。お別れをした先でも幸せに暮らせるようにと、そのお別れをするその日まで、ひとりひとりが精一杯にヤギとヒツジのお世話を続けています。

④特別支援学校との交流(4年生)

附属特別支援学校小学部との交流を続けています。コロナ禍ということもあり、オンラインでの交流から始まりましたが、そのオンラインの不具合をきっかけに、線路の向こうにある特別支援学校の芝生場にお邪魔し、直接ふれ合いことが実現しました。また、小学部のみなさんが学校へ来て、小学部のみなさんが取り組むバスボム(入浴剤)づくり体験をすることもできました。さらには、子ども達は障がい者スポーツへも目をむき始め、学級の活動の1つに『ボッチャ』を取り入れ、小学部さんとの交流をきっかけに、学級の仲間同士の交流を深めていくこともつながっていきました。ボッチャをやっていく中で、次のパリ五輪での日本代表を目指す市内の選手とも出会い、ボッチャの奥深さを知るとともに、障がいと向き合い本気で五輪代表を目指す方のすごさ、すばらしさを感じることもできました。

 

⑤志賀高原遠足(5年生)

7月に、大学の施設のある志賀高原へ出かけました。志賀高原はユネスコエコパークにもなっていて、ガイドさんの説明を聞きながら午前のおよそ3時間、志賀高原の森を探索しました。志賀高原の歴史、樹木のこと、野鳥のことなど、ここに来なければ気づくことの出来ない学びをすることができました。ヒカリゴケにも出合い、志賀高原の涼しさを感じ、自分の目はもちろん、五感を通して志賀高原を味わうことができました。午後は、それぞれの学級が中核活動(総合的な学習の時間)につながる、紙漉き体験(1組は再生紙づくり)、薪窯見学(2組は陶芸)を行うこともできました。太古の時代から、人々は自然を生かしながら知恵を使い生活をし続けていることを、改めて知ることが出来ました。

⑥イギリスのキングスイーリー校との交流(6年生)

5年生の時から交流があるキングスイーリー校の6年生との交流は、6年生になっても続いています。中核活動で行っている竹とんぼを、ひとりひとりが自分のものとしてではなく、キングスイーリー校の6年生ひとりひとりに届ける”おくりもの”として作成し、国際便で郵送しました。数日後、わたしたちがつくった竹とんぼが海を渡り、キングスイーリー校の6年生がイギリスの空へと飛ばす映像がメールで届きました。もちろん子どもたちは大喜びでした。2月には、オンライン交流会も実現しました。イギリスと日本の時差は9時間なので、子どもたちは下校せず学校へ残り、午後5時30分過ぎから交流が始まりました。イギリスは登校したばかりの午前8時30分。運動会の美と力の技(クイックピラミッド)の前を当てるクイズや給食について紹介するクイズなどが出されました。キングスイーリー校から地域(キングスイーリー)を紹介するクイズなどが出されました。日本もイギリスの子どもたちも当たるとガッツポーズをし、外れると悔しがり、「国が違えど、海のこっちと向こうであろうと、”らしさ”は同じである」そんな風に感じました。

➆森林を見つめる(6年生)

長野県の森林、日本の森林について学習を進めてきました。そんな中、長野県には『森林税』があることを知り、この森林税の用途の1つに助成金制度があることを知った子どもたちは、助成金を活用して森林の現状を知ってもらうためのプロジェクトを企画しました。その1つが長野県の間伐材を活用したベンチづくりでした。完成したベンチをどう使うのか。ベンチはいくつつくる必要があるのか。そのためには製材がいくつ必要なのか。安全で頑丈なベンチ設計図をどうするのか。なにもかもを、担任に頼ることなく、自分たちで考え制作を進めていきました。そして、子どもたちはベンチが完成しても満足することなく、使う人たちが気持ちよく安心して使えるように、最後の最後までやすりで磨き続けていました。完成したベンチは長野市内の施設に寄贈しました。そのベンチの一角には『未来につながる森林プロジェクト』と刻印がされています。今回の森林について探究した学びが必ずや未来へとつながっていくと思います。

 

 

 

 

 

 

 

来年度の活動計画

<人権に係わる学習>

附属校園の特別支援学校との交流を続けている。今年度は、交流をきっかけに『障がい者スポーツ』へと活動が広がり、この探究的な学びによって巡り会えた人との交流が生まれた。来年度も、これまで同様に交流活動を続けていくが、交流のその先にある学びを見据え、かけがえのない人との出会いを通して、未来につながる学びをしていきたい。

<外国に暮らす小学生との交流学習>

昨年度始まった、スウェーデンとの交流が、今年度はイギリスのキングスイーリー校との交流へと発展した。また昨年度に引き続き、時差を克服してLIVE交流も行うことができた。来年度も、スウェーデン、イギリスに限らず、外国で暮らす小学生との交流を大切にしていきたい。

<SDGsと繋がる学び>

持続可能な社会をめざす一人として、探究する学びを実現させ、全校ひとりひとりが答えのない『問い』と向き合い、とことん探究していきたい。