2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境

本園は,「自然環境を大切にする心を育む」を活動テーマとして,ESDを学びの場と捉え,ESDの実践を通して資源の再利用を通した環境保全を主体的に進めようとする力の育成を目標とした。
具体的には,資源回収,資源の分別,資源の再利用を柱に①資源回収に係わる活動,②再生資源を使った遊びに係わる教育,③資源に係わる学習,④環境に係わる学習を行った。
①資源回収に係わる活動
本園では,家庭で捨てられてしまうトイレットペーパーの芯や牛乳パック,空き箱,
ヨーグルトの容器等を集めていただき,幼稚園の回収箱に集めていただき,幼稚園の回収箱へ分別していただいている。幼稚園の回収箱は,中身が見える透明な箱に「ひらがな」で明記し,保護者だけでなく子どもたち自身も分別できるようにしている。最近では,隣接している小中学校でゴミとして捨てられているトイレットペーパー芯を集めていただいたり,卒園児の保護者や近隣の地域の住民の方にも資源を集めて届けていただいたりするようになってきた。
②再生資源を使った遊びに係わる教育
資源回収で集まった素材を物によって洗浄・消毒し,子どもたちの創作活動や遊びに自由に使える素材として提供している。子どもたちは,トイレットペーパーの芯やヨーグルトカップ,空き箱等を使って乗り物や動物をつくって遊ぶことを通して,物をゴミとして簡単に捨ててしまうのではなく,資源として生かす考えが自然と身に付いてきている。
③環境に係わる学習
子どもたちは,資源回収で集めた素材でつくった乗り物や,動物を家に持ち帰ってい
る。子どもと保護者が話をして,使わなくなった乗り物や動物をもとの資源に戻し,もう一度遊びの素材として使えるように幼稚園の回収箱にもって帰ってくるような姿が見られた。子どもと保護者が話をする中で,いらなくなったからと言って簡単に捨ててしまうのではなく,資源としてもう一度生かす考え方が子どもたちの中に自然と身についてきている。
④資源に係わる学習
年に3回,地域の本の読み聞かせ同好会の方をお呼びし,子どもたちに読み聞かせを
していただいている。その中で,それぞれの発達段階にあった「資源」「リサイクル」に係わる内容の絵本の読み聞かせをお願いしている。また,年に2回ある観劇会では,資源を利用した人形を使った人形劇を見せてもらっている。
また,今年度は年長向けに市の環境課の方に,「リサイクル」についてのお話をしていただき,資源を大切にしようとする気持ちを育んできた。

来年度の活動計画

令和3年度はコロナの状況にもよるが,県内の国公立幼稚園に職員が出向き,家庭からでた資源を使った遊びをその園の子どもや職員に伝えていく。また,幼稚園を公開する際には,本園の回収ボックスや,素材置き場も公開し,他園の幼稚園の職員にも本園の回収方法やリサイクルの仕方を広め,環境問題について共に考える活動を展開していきたい。
また,PTAや地域住民に子どもたちと協力を願い,幼稚園だけでなく,地域にも広く資源の再利用を呼びかけ,幼稚園とPTA,地域住民で協働した資源再利用の取組をさらに進めていきたい。
加えて,絵本の読み聞かせ同好会によるお話や,観劇会,信州大学教育学部の先生のお話等,地域の方にもご協力いただき,地球環境に関する子どもたちの発達段階にあったお話を聞く機会をつくっていきたい。