2018年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 持続可能な生産と消費, 減災・防災
本校の総合的な学習の時間は,こうした地域教材を生かした環境学習を特にカリキュラムを編成し,系統性をもたせ,教育課程の中に位置付けている。1年生では、「できるのか?人間と自然の共生」という単元のもと、学区で問題になっている獣害をテーマに、野生生物との共生について考える。そこで、動植物に関わる環境問題を「獣害」「ササユリ(本校で積極的に保護活動を行っている)」「外来種」「絶滅危惧種」「生物多様性」に分け、グループごとに追究する。2年生では、「エコを考える共生社会」という単元のもと、地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量に着目し、環境家計簿を付けて家庭でのエコ活動を行う。また、職場体験を通して、それぞれの企業が行っている環境対策などにも目を向けさせる。3年生では、「持続可能な社会を目指した生き方の探究」という単元に取り組み、これまで行ってきた探究活動を整理して、学年の生徒全体で討論を行う。平成22年度から、3か年にわたり「環境を見つめ,考え,働きかける生徒の育成」という主題を基に,研究に取り組んだ。平成24年度に行われた研究会後も,継続して授業実践に取り組んでいる。
来年度の活動計画
昨年度例
1学年
第1学年では、1年を通して生徒が自然と人との共生について学び、考えられるように単元を構成した。
1学期は、小学校での学びを生かしながら、主に「外来種」や「生態系バランス」について調べたり学んだりした。理科の学習と関連付けながら「タンポポ調査」によって外来種と在来種の生息数を調べたり、木曽三川公園アクアトトぎふや自然発見館へ出かけたりして、生態系について学習した。2学期は、身近な新香山学区の自然の生態系バランスについて考え、その問題点や課題などを考えた。3学期は、1年間の学びをもとに、伝統を引き継ぎながら自分たちにできることを考え、活動した。
1年間の学習を通して生徒たちは、身近な生物環境の現状を知り、共生社会実現のためには、本学年のみの一時期の行いでは十分ではなく、未来のために持続的に続けていく必要があることに気付いた。次学年、未来に向けて、一人一人が何をしていくべきなのか考え、行動できる力を身に付けていってほしい。
2学年
1年生で取り組んだ環境学習の経験から、自然を傷つけることを一切許さないと発言するほど、子どもたちの思いは自然を保護し尊重することに大きく傾いていた。しかし、実際には自然を全く傷つけず生活していくことなどは不可能である。子どもたちも、暮らしを豊かにする便利な道具の全てを手放して、生活することなどできないと考えていた。そこで、この豊かな暮らしに焦点を絞り単元を構想した。現在の生活を振り返ると、今ある便利で豊かな暮らしは、電気によって支えられていることが分かった。そこで、電気を教材に絞ることで、より「自分事」としてとらえられるのではないかと考えた。また、枯渇してしまう資源に目を向けることができれば,今だけを見つめるのではなく未来まで見据えた時間軸の中でこの問題を捉え、持続可能な社会を実現していくために何ができるかを学ぶことができるのではないかと考えた。
3学年
3年生では,修学旅行を軸にした「首都東京を探る」とSDGsの項目11番に着目した「住み続けられる町づくりを」という2つのテーマでの単元を構成した。これまで2年間の総合学習での自然環境に関する学習をもとに,より生徒自身が追究したいテーマについて追及することで,より意欲的に深く学ぶことができると考えた。実際に東京で施設訪問を通して学んだことを互いに伝え合うことで,更なる意欲関心の拡大が考えられるのではないかと考えられた。また,2学期には,視点を新香山学区にすることでこれまで広い視野で学んできた学習内容を実際生徒たちが生活する学区でどのように生かすことができるのか考えることができると思われた。実際に何をするのかは学級ごとに委ね,それぞれが問題に思うこと,それについての実践をしていくことで,実際に行動する力も身に着けられるのではないかと考えた。
また,上記とは別に,よりよい進路選択のために随時進路指導にも活用する場合がある。