2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

福祉, 減災・防災, 健康

本校のすぐ近くには,1級河川の豊川が流れている。36年の歴史をもつ「豊川横断水泳大会」の行事を中核に置き,泳力を中心とした体力づくり,歯や心の健康づくりを中心にした保健指導に力を入れてきた。ESDを「心身の健康増進」の観点から,自らの責任ある行動をもって,持続可能な社会づくりに主体的に参画できる人材を育成することと捉えている。

そこで、本校は「大いちょうプラン」として4つのプランを立てて,①きたえる活動「たくましい心とからだづくりプラン」、②育てる活動「輝く笑顔づくりプラン」、③守る活動「安全安心な学校づくりプラン」,④広げる活動「確かな学びづくりプラン」として、子どもたちが自ら健康課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主体的に行動できるようにするための活動や学習を進めている。

① きたえる活動「たくましい心とからだづくりプラン」

 年間を通して,目標をもち運動に立ち向かう子を育成するために,週400分運動を目ざして実践を行ってきた。火,木曜日の朝の10分をスポーツタイムとして,下地っ子体操,器械運動,長なわ月間,チャレンジマラソン,短なわ強化月間などを,継続して行ってきた。また,健康教育に重点を置き,年5回の健康チェック週間を設定し,よりよい生活習慣が身につくように,バランスのよい食事・睡眠時間・メディアの時間などの見直しを継続して行った。学校保健委員会でも,専門家にメディアと睡眠の関係について講演をしていただいたり,健康チェックの成果をとりあげたりして,子どもたちの意識を高めてきた。その結果,休み時間には運動場に出て積極的に体を動かす子や自分の目標に向かって継続的に練習を積み重ねる子,早寝・早起きの習慣がついてきた子などの成果が表れている。

② 育てる活動「輝く笑顔づくりプラン」 

 笑顔輝く子どもを育てるために,他者とかかわり合いながら心をつなぐ活動として,ぎんなん活動(たてわり班活動)の充実,あいさつ運動の実施,年6回の歌声集会,読書週間の充実を図ってきた。ぎんなん活動では,異学年の子どもたちがふれ合うことで,高学年のリーダー性や思いやりの心を育てることができた。また,歌声集会では学年の歌声の発表だけでなく,全校のリズム遊びを取り入れることで,お互いの音を聴き合い,響き合わせ,豊かな情操や表現力を身につける活動になっている。

③ 守る活動「安全安心な学校づくりプラン」

 児童の安全に対する意識を高めるとともに,地域ぐるみでの子どもの見守り活動を展開するための活動として,防災学習の日を位置づけている。今年度は,市役所の防災危機管理課の方を講師として,学年ごとに,煙体験,消火器の放水体験,防災クイズ,防災グッズの点検,保存食の試食などを行ったりした。また6年生は,地域の自主防災会の指導のもと,AEDを使って心肺蘇生を行う方法を学び,実際に災害が起きた時は地域の住民の一人として,少しでも役に立ちたいという意識を高めることができた。

 また,近くにあるこども園と合同で,大地震が発生した後の津波に対応する避難訓練も継続して実施している。学校の屋上に避難する活動を行い,実際に大地震が起きたらどうなるかという想定のもとの訓練は,自分の命は自分で守るという,子どもたちの防災意識を高めるために重要な役割を果たしている。

④ 広げる活動「確かな学びづくりプラン」

 基礎学力の定着だけでなく,「かたる」「かかわる」「かわる」力に重点を置き,自分で考える子を育成するために,スピーチタイムを設けたり,話し合い活動を充実させたりしている。

 今年度は関わる活動の一つとして,6年生が毎年行っている豊川横断水泳大会に向けて,豊川横断を始めた当時の教師の話や実際に子どもの頃に泳いだ経験のある保護者の方に話を聞く機会を設けた。豊川横断の歴史や30年以上にわたって続いている伝統的な行事への思いを知ってから行事に参加することで,この行事がより意味のあるものとして子どもたちの心に刻まれることになった。

来年度の活動計画

上記活動を,より充実することで,子どもたちの防災意識や健康増進につとめたい。その中で,地域社会との関わりを大切にしながら,人との関わりや豊かな体験活動を通して,子どもたちの学びが深まるようにカリキュラムを工夫していきたいと考えている。そうすることで,自らの責任ある行動をもって,持続可能な社会づくりに主体的に参画できる人材の育成を推進していきたい。