2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 食育, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本校は「自調自考の力を伸ばす」「倫理感を正しく育てる」「国際人としての資質を養う」を学校理念としている。ESDを継続して実践することによって得られる教育的な効果と捉え、さまざまな教育を実践することを目的としている。

①自調自考に係わる教育
本校教育実践の基本目標である「自調自考の力を伸ばす」は、自らの手で調べ、自らの頭で考える力を伸ばす教育である。その一つとして生徒は高校3年間を通して課題研究に取り組んでいる。生徒の興味は多様である。個々の考えを大切にし、それぞれの才能を伸ばすための研究である。フィールドワーク、実験など様々な手法を用いて最終的には論文という形でまとめている。

②国際人としての資質を養う活動
第二外国語講座(中国語、ハングル、ドイツ語、フランス語、スペイン語)は例年通り年間30回で実施した。例年並みの90名を超える生徒が受講した。

学年行事として、家庭体験を目的としたニュージーランドホームスティ(中3)・文化交流を目的とした中国修学旅行(高2)や、高校生の希望者による短期海外研修として、アメリカ研修(西海岸でのホームスティ)、次世代リーダープログラム(バーバード大学での研修)、北京研修やベトナム研修(姉妹校訪問)を例年実施しているが、新型コロナウイルスの影響により今年度も実現できなかった。

ニュージーランド研修については、国内での代替研修に切り替え、日本に留学中の研究員や大学院生をバディに迎えて、英語を使用して、グローバルな視点を養成するプログラムを実施する予定である。

オンラインでの交流としては、8月にシンガポールのラッフルズインスティチューション、11月に同じくシンガポールのダンマンハイスクールと姉妹校の渋谷高校を交えて、それぞれ三校で交流を行った。ラッフルズとはポライトネス論(社会言語学)について、ダンマンとは環境教育をテーマにそれぞれ英語で意見を交換した。

10月から北京大学主催の「アジア青少年交流会」にオンラインで参加している。日中両国から各2校を対象とし、青少年間の相互信頼と理解を促進し、両国の社会・人文に対する理解を深めあい、未来の国際科学協力の礎とすることを目的としている。北京大学附属中学校、北京四中学校、都立豊島高校、本校の高校1年生から各校30名程度の合計120名が参加している。4つのテーマを担当する北京大学の教授陣から講義を受け、関連するプレゼンテーションを行い、意見交換をする内容である。コロナウイルスの状況にもよるが、2022年に北京大学への国際サマーキャンプに向けて交流が続いている。

北京の提携校である月壇中や北京十一学校とも11月と12月にオンライン交流を行った。月壇中とは食文化、アニメ、流行語、無形文化財などをテーマに日本語で、十一学校とは、部活動や英語教育、入試制度、食文化、アニメ、流行、観光、伝統行事など多岐にわたるテーマについて英語で、それぞれお互いの制度や文化などについて話し合いをした。

イオンワンパワーセントクラブ主催の「アジアユースリーダーズ2021」が12月末に3日間オンラインで開催された。「食品ロス削減の視点で考える食の未来づくり」をテーマに、文化も価値観も違う日本や中国、ASEAN諸国の合計8ヵ国73名の生徒が、食品ロスの問題点について議論し、解決策について英語で話し合った。本校からは3名の生徒が参加した。

長期留学としては、現在、高校生6名がアメリカへ留学中である。また、ブラジル、スウェーデンなどからの留学生を受け入れている。

海外大学進学を目指す生徒へは、進学支援を行っている。毎年10名程度の生徒が海外大学進学を希望しているが、コロナ禍にもかかわらず希望者は減少していない。

③平和教育
高校1年生では、平和教育を実施している。10月予定の広島への現地訪問は、新型コロナウイルスの蔓延により、今年度3月に延期になっている。現地訪問が可能になるか不明であるが、生徒は、個々に平和学習に関するテーマを設定し研究を深め、クラスで発表するなど学習を進めている。

④ユネスコスクール・SDGs・コンテスト関連
朝日新聞SDGsACTIONとアドビの主催で、文部科学省と外務省が後援しているSDGsクリエイティブアイディアコンテスト2021において「Connect Bottles!〜SDG12:楽しくペットボトルをリサイクル!〜」という作品が優秀賞を受賞した。高校3年生と2年生の生徒の共同作品であった。

生物同好会によるビオトープ設置が進んでいる。土壌改良を行い、校内に生息するヤモリやカナヘビなどの生物などの棲家になる石を設置する。生物が住みやすい環境を整備し、動植物に対する意識を校内で高める目的で活動を行っている。

インターナショナルサークルでは、10年以上も前からSDGsに取り組んでいる。フェアトレード活動や、校内の廃棄食材を使用したコンポスト(堆肥)の生産、幕張の浜の清掃などを行ってきた。今年度は紙リサイクルをテーマに、古紙のリサイクルやペーパーレス化の促進に取り組んでいる。

模擬国連部が、第15回全国高等学校模擬国連大会(11月)に参加し、「核軍縮・核不拡散」という議題で優秀賞を獲得した。来年度ニューヨークで開催される国際大会に参加する権利を得た。

教員の活動としては、全国ユネスコスクール全国大会や、千葉県内の高等学校で組織されているESD部会に参加した。

⑤その他
昨年度は実施できなかったファシリテーター養成講座を9〜10月にかけて全4回で実施した。コミュニケーション力と思考力を駆使しながら、話し合いやプロジェクトを創造的に促進し、参加者の能力を引き出しその場の力を最大化させる講座である。今年度はコロナ禍にもかかわらず80名近い生徒が受講した。

来年度の活動計画

ユネスコの精神である平和・福祉を目的とした教育活動を進め、国際的な交流や平和教育活動を続けたいと考えている。また、個々の才能を伸ばす研究、グループによる活動、個人の能力を伸ばす講座を設置する。コロナ禍が収束すれば、例年実施している行事やプログラムを実施し、昨年度の活動を継続する。また、コロナ禍で実施・参加できなかった下記の大会やコンテスト、プログラムへの積極的な応募を啓蒙する予定である。

・高校生カンボディアスタディーツアー(日本ユネスコ協会連盟・かめのり財団)

・国際交流プログラム(ユネスコ協会連盟)

・中高生アンバサダープログラム(かめのり財団)

・かめのりスクール(かめのり財団)

・AGI高校生外交官 渡米プログラム・日本プログラム

(AGI損害保険株式会社・フリーマン財団)

・国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト(JICA)

・JICA研修生との交流会(JICA)

・Water Is Life 2022(Maurick College・Raffles Institution)

・Online TiltShift Challenge 2022(Maurick College・Raffles Institution)

その他、教職員の活動も含めると千葉県高等学校教育研究会ESD部会の研究会や、ワークショップ、全国ユネスコスクール大会への参加を予定している。