2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉

本校は、「未来をつくる子どもたちとともに歩む~子どもたちを仲間・学び・社会とつなぐ教育の創造~」を学校教育目標に掲げており、ESDとの関連においては特に国際理解・多文化共生教育の視点を中核として、本校の様々な教育活動に統合的にかかわっているものと捉えている。

ESDの実践を通して、子どもたちが自分事として身近な課題について考え取組もうとする態度の育成をめざしてきた。

具体的には、
(1)人権教育のテーマでもある国際理解・多文化共生教育、多様性教育
(2)様々な持ち味を持った子どもたちがともに協力しながら進める活動・行事の実施
(3)特別の教科道徳や総合的な学習の授業実践を通して、ちがいを認め合い分かり合う心情を育む学習
(4)外国語体験活動の授業研究を通して、主として英語での表現に親しむととも に、外国の文化等について触れる。

 の主として4点の実践・授業づくりにより、ESDの理念に基づく取組みを進めてきた。

(1)「自分の人権を守り、他者の人権を守るために実践・行動できる子どもを育てる」を目標に、学校生活の中で命の尊さを中心にした人権尊重、人間尊重の精神を大切にし、行動できる子どもをめざしてきた。その中で、外国にルーツを持つ児童が複数在籍している本校の実情を鑑み、このことも意識した研究授業や外国の方と遊びを通して触れ合う授業等に取り組んできた。また校内研修では講師を招き、多文化共生・在日外国人教育についてお話を聞き、ちがいがあふれる学校について多くを学んだ。

(2)子どもたちの自尊感情を高めるためにどの子どもも安心して安全に過ごせる集団をつくることをねらいとした。その中で、毎学期クラス遊び月間の実施、異学年交流タイムの企画など集団づくりをベースとした人権教育・学校での活動をはじめ、様々な学校行事・児童会活動に向けて学年や学級一体となった取組みを年間を通して行い、仲間とともに力と心を合わせて活動することで、自分の心地よい居場所を実感できる子どもの育成に努めた。

(3)特別の教科道徳や総合的な学習の授業実践を通して、今年度は特に男女共生教育、多文化共生教育に力点を置き、ちがいを認め合い分かり合う心情を育む学習をすすめ、「ちがっているからおもしろい」「わたしはわたし」というメッセージを子どもたちに発信してきた。
(4)教科教育推進において、外国語体験活動・外国語活動の研究及び授業づくりを柱に、 力を高め、を伸ばすことをめざす指導法について継続して研究を進めてきた。積極的に校内研修を実施し、前年度と同じ講師による講演、研究授業と事後検討会を積み重ねる中で、外国語活動のねらい・学習内容・指導内容に加えて、評価についてどうとらえていくのか指導者が十分理解して授業づくりに臨むことを今年度の取組みとして進めた。その中で今年度も英語による様々な表現や、外国ではどのように考え暮らしているのか等、異文化理解につながったと考えている。

来年度の活動計画

次年度も概ねこれまでの実践や取組みをふまえ、課題を整理しながら研究を進めていきたいと考えている。
 特に、外国語体験に係る教科研究は昨年度から今年度にかけ、一定の手ごたえを得たことから、外国語を通じて、より「伝え合う楽しさ」「発信者・受信者としてのコミュニケーション能力」を高める学習に注力するとともに、人権教育の視点も踏まえた多文化共生の取組みと相まって推進されるよう努めていきたい。

 また、ESD教育の理念を学校教育活動全体において意識し、子どもたちが自分の人権を守ると同時に他者の人権を守り、お互いの持ち味を認め合いながら自尊感情・自己肯定感を高めていく取組みを進めていきたい。