2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 貧困

本校は、「未来をつくる子どもたちとともに歩む~子どもたちを仲間・学び・社会とつなぐ教育の創造~」を学校教育目標に掲げており、ESDとの関連においてはこれまでも特に国際理解・多文化共生教育の視点を中核とし、ジェンダー平等・男女共生の視点も加えて、本校の様々な教育活動に統合的に関わっているものと捉えている。
ESDの実践を通して、子どもたちが自分事として身近な課題について考え取組もうとする態度の育成をめざしてきた。
具体的には、

(1)人権教育のテーマでもある国際理解・多文化共生教育、多様性教育
(2)様々な持ち味を持った子どもたちがともに協力しながら進める活動・行事の実施
(3)特別の教科道徳や総合的な学習をはじめ、全ての教育活動を通じてちがいを認め合い分かり合う心情を育む学習
(4)外国語体験活動の授業研究を通して、主として英語での表現に親しむとともに、外国の文化等について触れる。

の主として4点の実践・授業づくりにより、ESDの理念に基づく取組みを進めてきた。

〇人権教育に係わる取組み

「自分の人権を守り、他者の人権を守るために実践・行動できる子どもを育てる」を目標に、人権尊重・人間尊重の精神を大切にし、行動できる子ども、とともに差別に気づき許さず、差別をなくす子どもをめざしてきた。その中で、特に今年度は部落問題学習について焦点化し、本校の子どもたちの理解を深めるとともに、子どもたちの実態から授業づくりを考え、社会の中の差別のおかしさや、自分の中の差別意識に気づくことができる学習を研究授業・事後研・研修やワークショップを通してイメージしてきた。同時に、尊重し合える人間関係づくり(集団づくり)をめざす中で「自分らしさ」を認め合い、自分のもちあじが出し合える集団をめざしてきた。

〇教科教育等に係わる活動

今年度も引き続き「教材・他者・自分と対話する中で、考えを広げ深めよう」を研究テーマとし、国語科において継続的に校内研修・研究授業・事後検討会を実施する中で、単元の中の思考・判断・表現力の育成を意識した対話活動を創ること、この対話活動を通じて児童がねらいに到達できるかに関する研究を深めてきた。加えて、今年度特に高学年のSDGsに関する取組みとして、多文化共生教育の一環としてアジアの水をめぐる問題について、さらにアフリカの国々の様々な生活事情について、ゲストティーチャーのお話を聞いたり、オンラインでのリモート出前授業に参加することでその国の課題を知り、自分たちの生活と重ねて考える意識を高めることにつながったと感じている。

来年度の活動計画

次年度も概ねこれまでの実践や取組みをふまえ、課題を整理しながら研究を進めていきたいと考えている。
国語科における教科研究は今年度で2年間進めてきたが、引き続き主体的・対話的で深い学びの視点から学習過程の改善を図るため、どのような対話活動が子どもたちに合っていて学びを深めることができるのか考え検討していきたい。加えて今年度手応えのあったSDGsに関する取組みも多様な視点から充実させていきたい。
今後もESD教育の理念を学校教育活動全体において意識し、子どもたちが自分の人権を守ると同時に他者の人権を守り、お互いのもちあじを認め合いながら自尊感情・自己肯定感を高めていく取組みにつなげていきたい。