2019年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 平和, 人権
本校は、「生活を見つめ 自ら創り出す生徒」を学校理念として、ESDを現代社会の課題を自分にも関係のある事柄や課題だと捉え、自分にできること・身近なことから取り組むことにより、課題の解決につながる新たな価値観や行動を創り出すこと、それによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動であると捉えている。
ESDの実践を通して、自分のことだと捉える力や自分から行動を起こす力の育成を目標とした。
具体的には、(1)環境、(2)平和・人権、(3)伝統文化を柱に、それぞれの分野ごとに学習を行った。
以下の文章に、その例を示す。
(1)環境学習
〇「山門水源の森」(生物多様性の森)における学習の様子
「山門水源を守る会」の人々の話を聞きながら、山門水源の森を実際に歩き、森にすむ生き物や植物の多様性を実感した。その後、森林の木々を鹿の食害から守るためのテープ巻や伐採された森林を片付けたり、山道を舗装するための土嚢を運んだりする体験を行った。また、保全活動によって守られているモリアオガエルの卵やヤマユリの様子を観察した。
〇針江地区における学習の様子
滋賀県針江では、地域の用水を美しく保つ人々の努力や工夫、願いを聞いた。「川端(かばた)」という各家庭の道路沿いに備え付けられている水場から湧き出ている水を試飲したり、飼われている鯉が食べ残しを掃除する様子を見学したりした。
〇“生物多様性”“色の循環”“エネルギー”という3つの分野に分かれた学習の様子
3つの分野で、それぞれ講師の方から学んだことをもとにして、家庭や学校で調査活動を行った。これまで学んできたことや調査して得た情報を活用して、他分野を学ぶ仲間へ伝達するために、発表の準備などを行っている。
〇レッツクリーンデイの様子
自分たちが暮らす地域を美しく保つために、毎週水曜日に通学路に落ちているごみを拾ってくる活動を行っている。自分たちで分別することで、リサイクルできるものや処分に費用がかかるものを知ることができた。
また、レッツクリーンデーの日に、並行して、ペットボトルキャップ回収も行っている。
全校集会の場で、実際に前期間で集まったペットボトルキャップをワクチンに変えることで、どれだけの人の命を救うことができたかを話し、生徒一人一人が実感できるように、救えた命と同じ分だけの生徒が起立した。
(2)平和学習
〇アオギリ集会の様子
故沼田鈴子さんよりいただいたアオギリの前で、平和について考え、互いの考えを語り合ったり、平和に対する思いを明らかにしたりした。
〇広島市内での学習や平和セレモニーの様子
広島市内や平和記念資料館では、戦争の爪痕や苦しかった人々の思いを実感した。また、そうして知ったことを知っただけでは終わらせず、これからの自分たちが作っていく未来で、二度と戦争の起こらない平和な社会を築いていくことを確かめ合った。
(3)伝統文化
〇地域行事へのボランティア参加
生徒が生活する舞台である地域で伝統的に行われている行事への意欲的な参加を行った。地域の中で働いたり、人の役に立ったりする良さを実感した。
来年度の活動計画
1年生は環境学習、2年生は勤労学習、3年生は平和・人権学習を行う予定である。
1年生の環境学習は、「環境を守るとは?」をテーマに学習を進めていく。学習旅行に琵琶湖周辺の環境保全に取り組む人々の話を伺いながら、岐阜市の環境を保全していくために、自分たちに何ができるのかを考えていく。
2年生の勤労学習は、「働くとは?」をテーマに学習を進めていく。学習旅行で、第1次産業(農業・漁業)の体験を行い、働くことの苦労やよさを学ぶ。その後、職場体験を通して、働く意義や、今の自分に何ができるのかを考えていく。
3年生の平和・人権学習では、「平和とは?」をテーマに学習を進めていく。学習旅行では、広島を訪れ、被爆された方の話や、史跡をめぐる活動を通して、自分なりの平和観を考える。その後、自分の思い描く平和に向けて、自分に何ができるのかを考えていく。
それ以外の活動でも、地域のボランティアに積極的に参加を促し、地域社会に自ら貢献する力を養っていく。ESDパスポートについても、今年度同様に活用していきたい。